[6月21日18:00.天候:晴 埼玉県秩父市 デイライト・コーポレーション・ジャパン秩父営業所 敷島孝夫]
敷島は8号機のアルエットと3号機のシンディの修理に当たっているアリスの陣中見舞をしに行った。
敷島自身は、近くのビジネスホテルに宿泊している。
同じ会社の研究職にあるアリスはすんなりと受け入れられたが、例え配偶者といえども、部外者の敷島がそう簡単に入れる施設ではない。
通用口で関係者から渡してもらおうと思った。
「ん?」
日曜日で正面入口が閉鎖されている営業所(兼 研究所)。
通用口は開いているが、そこに意外と多くの人だかりができていた。
聞いてみると、それは同じデイライト・コーポレーションの社員で、8号機のアルエットを見に来ているという。
(ライセンス契約を十条達夫の爺さんに申し込みに行く日も近いな、こりゃ……)
と、敷島は思った。
通用口には警備員がいて、敷島は身分を明かし、用件を伝えたが、やはり関係者以外の事前連絡無しの来訪はお断わりとのことだった。
そこで、出入りしている社員に事情を話し、持って来た差し入れだけを渡して帰ることにした。
ところで、通用口にいたのは、何も人間の警備員だけではない。
地方の小さな営業所には不釣合いの、セキュリティ・ロボットまで稼働されていた。
さいたま研究所のそれは、バージョン・シリーズとはまた違ったいかつい2足歩行のメカだが、こちらは完全に人間の女性型である。
デイライト・コーポレーションでは、早速アリスが持ち込んだマルチタイプのデータを使って、色々と試作型が作られている。
それが導入されているようだ。
エミリーやシンディのように、工作兵としての用途とは限らない。
ああいう、セキュリティや案内係としての用途に使うことも可能というわけだ。
「さーて、飯食ってくるかぁ……」
敷島は研究所の敷地の外に出ると、取りあえず、近くの飲食店に入った。
土地勘の無い町であるし、あまり市街地から離れたくはない。
[同日18:30.天候:雷雨 秩父市街地・定食屋 敷島孝夫]
1人で夕食を取りながら、店内に設置されているテレビを見る敷島。
急に外が騒がしくなったので外を見ると、どうやらゲリラ豪雨が降って来たらしい。
「マジかよ。まだ梅雨も明けてないってのに……。ここ最近、天気がおかしいなぁ……。あ、ちょっと、ビール中生追加よろしく」
「はい、ありがとうございます」
追加注文したビールが運ばれる。
「あ、どうもね」
から揚げを食べながら、ビールを口に運ぶ敷島。
テレビでは、ニュースをやっている。
〔「次のニュースです。今年1月、アメリカのイリノイ州で起きた大規模ロボットテロで、インターポール(国際刑事警察機構)は日本人男性1人を重要参考人として国際手配していることが分かりました」〕
「ん?」
〔「インターポールによりますと、この日本人男性は今年1月、アメリカ・イリノイ州のオレンジスター・シティで起きたウォリアー・インターナショナル社のロボット研究所を襲撃したKR団の協力者と見られ、日本の警察に捜査協力を求めています」〕
「マジかよ。日本人にもテロリストがいたのか?しょうがねぇな……」
〔「……尚、そのKR団についても内ゲバがあったと見られ、日本国内においても、構成員と思われる遺体が各地で収容されており……」〕
「そのうち自滅するだろ」
敷島はまたビールを口に運んだ。
と、そこへ敷島のスマホに着信。
「はい、もしもし?」
{「あ、社長、お疲れ様です」}
井辺からだった。
「おう、井辺君、お疲れさん」
{「本日のMEGAbyteの仕事、全て終わりました。あとはMEIKOさんが深夜のラジオ番組に出演するだけです」}
「そうか。悪いな。仕事押し付けちゃって。明日中には帰るから、もう少し頑張ってもらえるかな?」
{「はい、それは大丈夫です。それより、事務所の端末で、シンディの存在が確認できないのですが……」}
「ああ、そうか。それは言ってなかったな。7号機のレイチェルと格闘した際、GPSをブッ壊されたんだ。で、今、鋭意修理中。シンディも電源落として修理するだろうから、その間、そっちの端末で追えなくなると思う」
{「そうでしたか。ではその間、レイチェルの襲撃には……」}
「確かに今襲って来られると非常にマズいが、俺達も悪運強いみたいだ」
{「と、申しますと?」}
敷島は外の様子と、店内のテレビを見比べて答えた。
今、テレビではニュースから天気予報に変わっている。
「今、外は雷雨でさぁ……。今、天気予報やってるんだが、どうも関東の山間部は今夜一晩、雷に注意しなきゃいけないらしい。いかに鬼のようなマルチタイプでも、落雷には弱いから今夜は安泰だ」
{「……そうですか。さぞかし、KR団は舌打ちをしていることでしょうね」}
「ああ。ざまぁwww って感じだな。……ああ。取りあえず、アルエットの修理が終わったら、それをまた藤野に持って行くよ。明日中っつっても、遅くなるかもだな。悪い悪い。……ああ。それじゃ、また」
電話を切る敷島。
「……KR団が舌打ちというよりは、何か今、井辺君が舌打ちしたような気が……?気のせいかな……」
敷島は首を傾げた。
「まあ、それより……」
店の外を見つめる敷島。
ますます外は雨足が強まっている。
「……どうやって、ホテルまで戻ろう……?」
傘を持っていない敷島だった。
[同日同時刻 天候:雷雨 神奈川県相模原市緑区(旧・藤野町) 十条達夫宅 十条達夫&7号機のレイチェル]
7号機のレイチェルを修理する達夫。
「こんなこと、敷島君達に知られたら、ワシもタダじゃ済まんだろうなぁ……」
「迷惑掛けてごめんなさい」
申し訳無さそうに頭を下げるレイチェル。
「私がこんなこと言うのも何ですけど、本当は伝助博士と仲直りして頂けるのが1番なんですけど?」
「さすがに、信条を曲げてまで仲良くする義理は無いからの。修理が終わったら、すぐに兄貴の所に戻りなさい」
「……外、雷鳴ってるんだけど?」
「しょうがない。明日の朝になったら、出て行きなさい。恐らく明日は、敷島君達が来るはず。鉢合わせさせるわけにはいかん」
「はーい。どうせ私の罪は許されない。姉さん達みたいにね」
「まあ、そう言うな。できれば、お前がKR団を潰してくれれば、良い贖罪になると思うがな?」
「多分、それを差し引いてもまだマイナスだと思うけどね。それに……ドクターだって、ご存知でしょう?KR団の実体を……。それを潰すということは……」
「分かっておる。いいか?なるべくお前の姉達とは戦うな。恐らく兄貴は、お前とシンディやエミリーを戦わせて、共倒れにさせるのが目的だ」
「……はい」
レイチェルは悲しそうな顔をして小さく頷いた。
敷島は8号機のアルエットと3号機のシンディの修理に当たっているアリスの陣中見舞をしに行った。
敷島自身は、近くのビジネスホテルに宿泊している。
同じ会社の研究職にあるアリスはすんなりと受け入れられたが、例え配偶者といえども、部外者の敷島がそう簡単に入れる施設ではない。
通用口で関係者から渡してもらおうと思った。
「ん?」
日曜日で正面入口が閉鎖されている営業所(兼 研究所)。
通用口は開いているが、そこに意外と多くの人だかりができていた。
聞いてみると、それは同じデイライト・コーポレーションの社員で、8号機のアルエットを見に来ているという。
(ライセンス契約を十条達夫の爺さんに申し込みに行く日も近いな、こりゃ……)
と、敷島は思った。
通用口には警備員がいて、敷島は身分を明かし、用件を伝えたが、やはり関係者以外の事前連絡無しの来訪はお断わりとのことだった。
そこで、出入りしている社員に事情を話し、持って来た差し入れだけを渡して帰ることにした。
ところで、通用口にいたのは、何も人間の警備員だけではない。
地方の小さな営業所には不釣合いの、セキュリティ・ロボットまで稼働されていた。
さいたま研究所のそれは、バージョン・シリーズとはまた違ったいかつい2足歩行のメカだが、こちらは完全に人間の女性型である。
デイライト・コーポレーションでは、早速アリスが持ち込んだマルチタイプのデータを使って、色々と試作型が作られている。
それが導入されているようだ。
エミリーやシンディのように、工作兵としての用途とは限らない。
ああいう、セキュリティや案内係としての用途に使うことも可能というわけだ。
「さーて、飯食ってくるかぁ……」
敷島は研究所の敷地の外に出ると、取りあえず、近くの飲食店に入った。
土地勘の無い町であるし、あまり市街地から離れたくはない。
[同日18:30.天候:雷雨 秩父市街地・定食屋 敷島孝夫]
1人で夕食を取りながら、店内に設置されているテレビを見る敷島。
急に外が騒がしくなったので外を見ると、どうやらゲリラ豪雨が降って来たらしい。
「マジかよ。まだ梅雨も明けてないってのに……。ここ最近、天気がおかしいなぁ……。あ、ちょっと、ビール中生追加よろしく」
「はい、ありがとうございます」
追加注文したビールが運ばれる。
「あ、どうもね」
から揚げを食べながら、ビールを口に運ぶ敷島。
テレビでは、ニュースをやっている。
〔「次のニュースです。今年1月、アメリカのイリノイ州で起きた大規模ロボットテロで、インターポール(国際刑事警察機構)は日本人男性1人を重要参考人として国際手配していることが分かりました」〕
「ん?」
〔「インターポールによりますと、この日本人男性は今年1月、アメリカ・イリノイ州のオレンジスター・シティで起きたウォリアー・インターナショナル社のロボット研究所を襲撃したKR団の協力者と見られ、日本の警察に捜査協力を求めています」〕
「マジかよ。日本人にもテロリストがいたのか?しょうがねぇな……」
〔「……尚、そのKR団についても内ゲバがあったと見られ、日本国内においても、構成員と思われる遺体が各地で収容されており……」〕
「そのうち自滅するだろ」
敷島はまたビールを口に運んだ。
と、そこへ敷島のスマホに着信。
「はい、もしもし?」
{「あ、社長、お疲れ様です」}
井辺からだった。
「おう、井辺君、お疲れさん」
{「本日のMEGAbyteの仕事、全て終わりました。あとはMEIKOさんが深夜のラジオ番組に出演するだけです」}
「そうか。悪いな。仕事押し付けちゃって。明日中には帰るから、もう少し頑張ってもらえるかな?」
{「はい、それは大丈夫です。それより、事務所の端末で、シンディの存在が確認できないのですが……」}
「ああ、そうか。それは言ってなかったな。7号機のレイチェルと格闘した際、GPSをブッ壊されたんだ。で、今、鋭意修理中。シンディも電源落として修理するだろうから、その間、そっちの端末で追えなくなると思う」
{「そうでしたか。ではその間、レイチェルの襲撃には……」}
「確かに今襲って来られると非常にマズいが、俺達も悪運強いみたいだ」
{「と、申しますと?」}
敷島は外の様子と、店内のテレビを見比べて答えた。
今、テレビではニュースから天気予報に変わっている。
「今、外は雷雨でさぁ……。今、天気予報やってるんだが、どうも関東の山間部は今夜一晩、雷に注意しなきゃいけないらしい。いかに鬼のようなマルチタイプでも、落雷には弱いから今夜は安泰だ」
{「……そうですか。さぞかし、KR団は舌打ちをしていることでしょうね」}
「ああ。ざまぁwww って感じだな。……ああ。取りあえず、アルエットの修理が終わったら、それをまた藤野に持って行くよ。明日中っつっても、遅くなるかもだな。悪い悪い。……ああ。それじゃ、また」
電話を切る敷島。
「……KR団が舌打ちというよりは、何か今、井辺君が舌打ちしたような気が……?気のせいかな……」
敷島は首を傾げた。
「まあ、それより……」
店の外を見つめる敷島。
ますます外は雨足が強まっている。
「……どうやって、ホテルまで戻ろう……?」
傘を持っていない敷島だった。
[同日同時刻 天候:雷雨 神奈川県相模原市緑区(旧・藤野町) 十条達夫宅 十条達夫&7号機のレイチェル]
7号機のレイチェルを修理する達夫。
「こんなこと、敷島君達に知られたら、ワシもタダじゃ済まんだろうなぁ……」
「迷惑掛けてごめんなさい」
申し訳無さそうに頭を下げるレイチェル。
「私がこんなこと言うのも何ですけど、本当は伝助博士と仲直りして頂けるのが1番なんですけど?」
「さすがに、信条を曲げてまで仲良くする義理は無いからの。修理が終わったら、すぐに兄貴の所に戻りなさい」
「……外、雷鳴ってるんだけど?」
「しょうがない。明日の朝になったら、出て行きなさい。恐らく明日は、敷島君達が来るはず。鉢合わせさせるわけにはいかん」
「はーい。どうせ私の罪は許されない。姉さん達みたいにね」
「まあ、そう言うな。できれば、お前がKR団を潰してくれれば、良い贖罪になると思うがな?」
「多分、それを差し引いてもまだマイナスだと思うけどね。それに……ドクターだって、ご存知でしょう?KR団の実体を……。それを潰すということは……」
「分かっておる。いいか?なるべくお前の姉達とは戦うな。恐らく兄貴は、お前とシンディやエミリーを戦わせて、共倒れにさせるのが目的だ」
「……はい」
レイチェルは悲しそうな顔をして小さく頷いた。
ただの僻みなら、他にも叩く所ありそうなのだが。
そして顕○会員は天罰なんて言わないけどな~(笑)
ところで、Pは
「顕○新聞捨てる奴は人間のクズ」
だと言ってますが、
AKBをただただ誹謗中傷する方がよっぽど【自主規制】
昨日、お客さんちの冷蔵庫の野菜室に、野菜が顕○新聞でくるまれて入ってたのだが、
そのお客さんも人間のクズと言うんですかね?
恐らくAKBも若さに嫉妬しているのでしょうが、あまり男性を叩かないオバハンがよく叩くのが秋元康プロデューサーであることから、秋元氏憎しの一環でAKBを叩いているんだと思います。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」
ですね、正しく。
>そのお客さんも人間のクズと言うんですかね?
まあ、そういうことになりますでしょうなぁ……。
私の所へも顕正新聞が送り付けられて来るのですが、次の号が届いたら、前の号は廃棄していますよ。
武闘派さんに横流ししたいんですが、あいにくと関わりたくない……もとい、親しい人がいないもので。
塔中坊にいた頃は、よくその繋がりで横流ししていたんですがね。
落城するか否か?法義による攻撃の他に、出自に対する攻撃も加わり、いよいよ終焉の狼煙が上げられようとしている。
尚、仮に出自が山門入り口さんサイドの予想通りだった場合、これは差別ではなく、身から出た錆であるとしか言いようがないのである。