報恩坊の怪しい偽作家!

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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「治安維持に一役買うBOW」

2018-08-06 10:19:36 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月2日07:00.天候:晴 東京都墨田区菊川]

 私の名前は愛原学。
 都内で探偵事務所を経営している。
 昨夜は凄いゲリラ豪雨だった。
 事務所に泊まったリサは大丈夫だっただろうか?
 私は心配で居ても経ってもいられず、彼女を迎えに行くことにした。
 高橋君は嫌そうな顔をしていたが、心酔する私の言葉を否定できるはずもなく、渋々と私についてきた。

 愛原:「ゲリラ豪雨というのは、往々にして人的・物的被害をもたらすこともままあるが……今回は大丈夫みたいだな」
 高橋:「先生の大信力のおかげです」
 愛原:「別の先生のこと言ってないか、それ?」
 高橋:「は?」

 私達が近くの交番の前を通った時だった。

 泥棒A:「守ってくれーっ!」

 切羽詰まった様子の中年男2人が交番に駆け込んで助けを求めていた。

 警察官:「どうかしたんですか?」
 泥棒B:「出たんだよ!」
 警察官:「何が?」
 泥棒A:「オバケだよ!」
 警察官:「はあ?」

 このやり取りを聞いていた私達は、思わず吹き出してしまった。

 高橋:「プwww 何なんですか、あれ?」
 愛原:「分からんが……きっと、酔っ払いか何かだな。酒の飲み過ぎで、変なモノでも見たんだろう。か、もしくは、ここ最近ずっと暑い日が続いてるからねぇ……」
 高橋:「ヤク中だったら、ガチで幻覚見ますよ?ヤク中がラリって、サツに自爆しに来たとか?」
 愛原:「はは……十分あり得る。……てか、キミはヤク中になったことがあるのかい?」
 高橋:「いや、俺はやってませんよ。ただ、ヤっちまったアホが俺の仲間にいて……」
 愛原:「結果的には逮捕されたわけだな?」
 高橋:「ええ。パトカーに火炎瓶投げつけてタイーホですよ。何か、パトカーが何かのクリーチャーに見えたらしいです」
 愛原:「昔の学生闘争じゃあるまいし!」

 今時の学生は火炎瓶すら知らないんじゃないのか?
 かくいう私も、霧生市のバイオハザードで初めて本物を見たくらいだが。
 とにかく私達は事務所のビルに到着した。
 エレベーターを降りて、すぐ近くの事務所入口のドアを開ける。

 愛原:「あれ?鍵が掛かってないぞ?」
 高橋:「あのガキ、まさか逃げやがったんじゃ?」
 愛原:「逃げてどうするんだよ?俺達のマンションには来なかっただろ?」
 高橋:「それはそうですが……」

 私はとにかくドアを開けて中に入った。
 すると、すぐ近くにある応接室からテレビの音が聞こえた。
 何だ、ちゃんといるじゃないか。
 あれ?もしかして、鍵掛け忘れたのかな???

 リサ:「先生ーっ!」

 リサが私の胸に飛び込んで来た。

 高橋:「うぉっと!」

 今度は押し倒されないよう、高橋が後ろから支えてくれる。

 愛原:「飛び込むのはやめなさい!」
 リサ:「だってぇ……」
 愛原:「それより留守番どうだった?」
 リサ:「寂しかったです」
 愛原:「うん、だろうな」
 リサ:「侵入者、殺せなかったし……」
 愛原:「うん、そうか。……って、ええ!?」

[同日07:30.天候:晴 同地区内 愛原のマンション]

 私は愛原に頼んで、リサの分の朝食も作ってもらった。

 リサ:「凄いスゴーイ!これ、お兄ちゃんが作ったの?」
 高橋:「ああ」
 愛原:「イケメンで家事も抜群。これで放っておかない女性はいないのにな」

 惜しむらくは、彼はLGBTのGに値する恐れがあるということだ。
 せめてBくらいなら、女性もチャンスがあるのに。

 愛原:「今日は色々と忙しくなるから、リサはここで留守番頼むぞ」
 リサ:「えーっ!」
 高橋:「えー、じゃない。オマエは先生の御心を知る必要があるな」
 愛原:「そんな重い言い方しなくていいから。ほら、また事務所に泊まるのは寂しいだろ?そうならないように、なるべく高野君……赤いスーツの姉ちゃんがいただろう?せめて、彼女と同じ部屋には寝泊まりできるようにしてあげるから」
 リサ:「わたし、先生と一緒に寝たい」
 高橋:「おう、コラ!クソガキが!俺のポジション取るんじゃねえ!」

 何で私は若い男と幼女にしかモテないんだ……?

 愛原:「まあまあまあ、高橋君。とにかくダメだよ。キミはまだ12〜13歳くらいだろ?」
 リサ:「設定上は」
 愛原:「設定!?……とにかく、女の子はお姉さんと一緒に寝泊まりした方がいいって。高野君なら高橋君と違ってマトモな性癖だし、安心だよ」
 高橋:「俺もマトモですよ!どこをどう見ても、先生の忠実な下僕です!」
 愛原:「どこがマトモだ!……とにかく、血の繋がりも無いのに、男2人の部屋はマズいよ。頼むから、分かってくれ」
 リサ:「嫌!」
 高橋:「テメェ、ワガママ言うと頭ブチ抜くぞ……!」

 高橋はテーブルの下から、何とマグナムを取り出した。
 思いっ切り銃刀法違反だ!
 リロードして、リサの頭に向ける。
 しかし、リサは全く動じない。
 まさかリサのヤツ、マグナムでも倒れないというのか!?

 愛原:「高橋君!いつの間にそんなものを!?」
 高橋:「安心してください。ライターですよ」

 トリガーを引くと、銃口からは少し火力の強い火が出て来た。
 チャッカマン……って、今でもあるのかな?それの少し火力の強いヤツみたいな感じだ。

 愛原:「こらー!」
 高橋:「とにかくだ。オマエ、先生のことが好きなんだろ?だったら、先生を困らせるようなこと言うんじゃねぇ!」
 リサ:「……はーい」

 おや!?上手くまとまったぞ!?

 高橋:「先生、ちゃんと言っときましたんで」
 愛原:「あ、ありがとう。とにかく、だ。まあ、ゲームとかもあるし、適当に時間潰しててくれ」
 高橋:「え?先生、ゲームやらせるんですか?」
 愛原:「お前が持ち込んだPS4だってことは分かってるけど、別に俺達がいない間くらいいいだろ?」
 高橋:「しょうがないですねぇ……」

 朝食を取り、片付けをした後で私達は再び事務所に向かうことにした。

 愛原:「それじゃ、事務所に行って来るから。電話掛かって来たら、応対よろしくな?」
 リサ:「はーい」

 私と高橋はリサを留守番させて事務所に向かった。
 こういう時、徒歩圏内にあると色々と楽だ。

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