[5月2日05:56.天候:曇 JR京葉線514Y電車内→東京駅]
ワインレッドのラインカラーが目立つ電車が地下トンネルを突き進む。
このトンネルは成田新幹線の建設計画の際に掘られたもので、当然ながらこの計画は頓挫してしまっている。
残ったトンネルを京葉線に転用して活用しているわけである。
〔まもなく終点、東京、東京。お出口は、左側です。新幹線、東海道線、横須賀線、総武快速線、中央線、山手線、京浜東北線、上野東京ラインと地下鉄丸ノ内線はお乗り換えです。今日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
エミリー:「GPSによりますと、井辺プロデューサーも東京駅に接近しています」
敷島:「そうか。井辺君は錦糸町から総武快速か。トンネルは違えど、同じ地下を進んでいるわけだな」
エミリー:「はい」
電車がホームに滑り込んだ。
〔とうきょう、東京。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
敷島達は多くの乗客と共に電車を降りた。
敷島:「さあ、ここからが大変なんだ」
電車は地下京葉線ホームに到着した。
ここは地下深い所であり、地上の新幹線ホームまで行くのに15分は余裕を見なければならない。
敷島:「待ち合わせ場所はどこだっけ?」
エミリー:「新幹線南乗換口前です」
敷島:「うん、そうか。……読者の皆さんの中で、それだけで場所が特定できた人は東京駅ヘビィユーザーです」
エミリー:「誰に向かって言ってらっしゃるんですか?」
[同日06:10.天候:曇 JR東京駅構内]
動く歩道を3つ越え、更に長いエスカレーターも昇って、ようやく地上に辿り着いた。
エミリー:「やはりタクシーで向かわれた方が良かったのでは?」
敷島:「いや、これも運動だ。何しろあとは、体を動かすことはあまり無いんだからな」
エミリー:「社長のお体は社長お1人だけのものではないので、よろしくお願いしますよ」
敷島:「井辺君みたいなこと言うなぁ……」
待ち合わせ場所に行くと、既にボカロ達は集合していた。
鏡音リン:「あ、社長!遅いYo〜!」
敷島:「おいおい。新幹線が出発する時間には、まだ余裕があるだろう?」
エミリー:「そうだ。社長は具体的な時間を指定されておられない」
エミリーがギラッと両目を赤く光らせてリンを睨みつけた。
リン:「怖っ!」
因みに赤い光はサーチライトとは別であり、こちらは両目に装備されている。
今でこそロイドは表情が豊かになってきたが、感情を表現する為のものとして装備されていた名残だ。
MEIKO:「時間は指定しておいた方が良かったんじゃない?」
敷島:「そうか。すっかり忘れてたよ」
もっともボカロ達には何時のどの新幹線に乗るかは伝えてあったので、何時に来れば良いかという計算は自分でしたようだ。
巡音ルカ:「社長、まだ井辺プロデューサーが到着されておりませんが……」
敷島:「あれ?おかしいな。エミリー、さっきGPSで分かったんだよな?」
エミリー:「はい。位置的には総武快速線のトンネルを。今現在は東京駅構内を進んでいるようですが……」
敷島:「何だ。てっきり、俺達より先に着いてると思ったよ」
MEIKO:「ちょっと待って!エミリーのGPSで、そんな地下トンネルも入るの!?」
エミリー:「見くびるな。私のGPSは他のロイドと互換性があり……ん?」
MEIKO:「ん?」
敷島:「他の何のロイドと互換性を持たせたんだ?」
すると……。
井辺:「おはようございます!申し訳ありません。遅くなりました」
リン:「遅いYo、プロデューサー!」
鏡音レン:「やめろって」
敷島:「はは、おはよう。どうした?迷子になったんかい?」
井辺:「そうなんです。すいません。私は道を知っていたのですが、萌がどうしても任せろというものですから……」
萌:「へへ、どうも〜!」
萌が井辺のスーツの内ポケットか現れた。
敷島:「萌!」
リン:「おお!モエモエじゃん!」
エミリー:「何故お前がここにいる?」
萌:「それは……井辺さんを愛してるからです!」
井辺:「萌、真面目に答えてください」
リン:「やっぱり!」
KAITO:「いわゆる、ファンシーキャラ萌えってヤツですね。分かりました」
井辺:「意味が違います!」
エミリー:「今すぐ科学館に戻れ!」
萌:「えー」
エミリー:「えーじゃない!」
萌:「だって……」
エミリー:「だってじゃない!言う事聞かないとへし折るぞ!」
初音ミク:「たかお社長、そろそろホームに行かないと乗り遅れますよ」
敷島:「っ、そうか!しょうがない。萌なら手荷物扱いの無料で乗れるだろうから、そのまま行こう!」
井辺&エミリー:「いいんですか!?」
敷島:「科学館には俺から説明するよ」
萌:「わーい!わーい!😄」
敷島:「確かに時間的に余裕が無さそうだ。このままだと、“ホームアローン”の家族みたいになっちまう!」
エミリー:「向こうは飛行機ですけどね」
[同日06:32.天候:晴 JR東北新幹線“はやぶさ”1号]
敷島エージェンシーで予約した車両は3両に跨っている。
もちろん3両分貸し切ったわけではない。
グランクラスが敷島と、仙台から乗る平賀。
グリーン車が東京駅に集合したベテランのボカロ達と、総合プロデューサーの井辺、社長秘書のエミリー、そして大宮から乗るシンディ。
普通車がMEGAbyteの3人である。
リン:「社長、1人で寂しくない?」
敷島:「いや、俺も後ろの車両でいいって言ったんだけど、敷島峰雄社長と矢沢専務が『分際を弁えろ』ってここを指定してきやがったんだ」
エミリー:「ものの見事に序列が付いてますね」
リン:「芸能界の悪しき慣習だねぃ」
敷島:「そんなことは無いと思うけど……」
エミリー:「時間が無くて食事が用意できませんでしたけど、如何しましょうか?」
敷島:「幸いグランクラスには弁当が付くらしいから、それで何とかするよ。それに、車内販売もあるだろ」
エミリー:「はい」
エミリーとリンが9号車に戻って行くと、外から発車ベルの音が微かに聞こえて来た。
〔21番線から、“はやぶさ”1号、新函館北斗行きと“こまち”1号、秋田行きが発車致します。次は、上野に止まります。黄色い線まで、お下がりください〕
敷島:「まあいいや」
敷島は手持ちのノートPCを取り出した。
敷島:(なるほど。俺達みたいなのが、こうやって乗りながら仕事できるようになっているのか……)
こうして列車は定刻通りに東京駅を発車した。
ワインレッドのラインカラーが目立つ電車が地下トンネルを突き進む。
このトンネルは成田新幹線の建設計画の際に掘られたもので、当然ながらこの計画は頓挫してしまっている。
残ったトンネルを京葉線に転用して活用しているわけである。
〔まもなく終点、東京、東京。お出口は、左側です。新幹線、東海道線、横須賀線、総武快速線、中央線、山手線、京浜東北線、上野東京ラインと地下鉄丸ノ内線はお乗り換えです。今日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました〕
エミリー:「GPSによりますと、井辺プロデューサーも東京駅に接近しています」
敷島:「そうか。井辺君は錦糸町から総武快速か。トンネルは違えど、同じ地下を進んでいるわけだな」
エミリー:「はい」
電車がホームに滑り込んだ。
〔とうきょう、東京。本日もJR東日本をご利用くださいまして、ありがとうございました。お忘れ物の無いよう、ご注意ください〕
敷島達は多くの乗客と共に電車を降りた。
敷島:「さあ、ここからが大変なんだ」
電車は地下京葉線ホームに到着した。
ここは地下深い所であり、地上の新幹線ホームまで行くのに15分は余裕を見なければならない。
敷島:「待ち合わせ場所はどこだっけ?」
エミリー:「新幹線南乗換口前です」
敷島:「うん、そうか。……読者の皆さんの中で、それだけで場所が特定できた人は東京駅ヘビィユーザーです」
エミリー:「誰に向かって言ってらっしゃるんですか?」
[同日06:10.天候:曇 JR東京駅構内]
動く歩道を3つ越え、更に長いエスカレーターも昇って、ようやく地上に辿り着いた。
エミリー:「やはりタクシーで向かわれた方が良かったのでは?」
敷島:「いや、これも運動だ。何しろあとは、体を動かすことはあまり無いんだからな」
エミリー:「社長のお体は社長お1人だけのものではないので、よろしくお願いしますよ」
敷島:「井辺君みたいなこと言うなぁ……」
待ち合わせ場所に行くと、既にボカロ達は集合していた。
鏡音リン:「あ、社長!遅いYo〜!」
敷島:「おいおい。新幹線が出発する時間には、まだ余裕があるだろう?」
エミリー:「そうだ。社長は具体的な時間を指定されておられない」
エミリーがギラッと両目を赤く光らせてリンを睨みつけた。
リン:「怖っ!」
因みに赤い光はサーチライトとは別であり、こちらは両目に装備されている。
今でこそロイドは表情が豊かになってきたが、感情を表現する為のものとして装備されていた名残だ。
MEIKO:「時間は指定しておいた方が良かったんじゃない?」
敷島:「そうか。すっかり忘れてたよ」
もっともボカロ達には何時のどの新幹線に乗るかは伝えてあったので、何時に来れば良いかという計算は自分でしたようだ。
巡音ルカ:「社長、まだ井辺プロデューサーが到着されておりませんが……」
敷島:「あれ?おかしいな。エミリー、さっきGPSで分かったんだよな?」
エミリー:「はい。位置的には総武快速線のトンネルを。今現在は東京駅構内を進んでいるようですが……」
敷島:「何だ。てっきり、俺達より先に着いてると思ったよ」
MEIKO:「ちょっと待って!エミリーのGPSで、そんな地下トンネルも入るの!?」
エミリー:「見くびるな。私のGPSは他のロイドと互換性があり……ん?」
MEIKO:「ん?」
敷島:「他の何のロイドと互換性を持たせたんだ?」
すると……。
井辺:「おはようございます!申し訳ありません。遅くなりました」
リン:「遅いYo、プロデューサー!」
鏡音レン:「やめろって」
敷島:「はは、おはよう。どうした?迷子になったんかい?」
井辺:「そうなんです。すいません。私は道を知っていたのですが、萌がどうしても任せろというものですから……」
萌:「へへ、どうも〜!」
萌が井辺のスーツの内ポケットか現れた。
敷島:「萌!」
リン:「おお!モエモエじゃん!」
エミリー:「何故お前がここにいる?」
萌:「それは……井辺さんを愛してるからです!」
井辺:「萌、真面目に答えてください」
リン:「やっぱり!」
KAITO:「いわゆる、ファンシーキャラ萌えってヤツですね。分かりました」
井辺:「意味が違います!」
エミリー:「今すぐ科学館に戻れ!」
萌:「えー」
エミリー:「えーじゃない!」
萌:「だって……」
エミリー:「だってじゃない!言う事聞かないとへし折るぞ!」
初音ミク:「たかお社長、そろそろホームに行かないと乗り遅れますよ」
敷島:「っ、そうか!しょうがない。萌なら手荷物扱いの無料で乗れるだろうから、そのまま行こう!」
井辺&エミリー:「いいんですか!?」
敷島:「科学館には俺から説明するよ」
萌:「わーい!わーい!😄」
敷島:「確かに時間的に余裕が無さそうだ。このままだと、“ホームアローン”の家族みたいになっちまう!」
エミリー:「向こうは飛行機ですけどね」
[同日06:32.天候:晴 JR東北新幹線“はやぶさ”1号]
敷島エージェンシーで予約した車両は3両に跨っている。
もちろん3両分貸し切ったわけではない。
グランクラスが敷島と、仙台から乗る平賀。
グリーン車が東京駅に集合したベテランのボカロ達と、総合プロデューサーの井辺、社長秘書のエミリー、そして大宮から乗るシンディ。
普通車がMEGAbyteの3人である。
リン:「社長、1人で寂しくない?」
敷島:「いや、俺も後ろの車両でいいって言ったんだけど、敷島峰雄社長と矢沢専務が『分際を弁えろ』ってここを指定してきやがったんだ」
エミリー:「ものの見事に序列が付いてますね」
リン:「芸能界の悪しき慣習だねぃ」
敷島:「そんなことは無いと思うけど……」
エミリー:「時間が無くて食事が用意できませんでしたけど、如何しましょうか?」
敷島:「幸いグランクラスには弁当が付くらしいから、それで何とかするよ。それに、車内販売もあるだろ」
エミリー:「はい」
エミリーとリンが9号車に戻って行くと、外から発車ベルの音が微かに聞こえて来た。
〔21番線から、“はやぶさ”1号、新函館北斗行きと“こまち”1号、秋田行きが発車致します。次は、上野に止まります。黄色い線まで、お下がりください〕
敷島:「まあいいや」
敷島は手持ちのノートPCを取り出した。
敷島:(なるほど。俺達みたいなのが、こうやって乗りながら仕事できるようになっているのか……)
こうして列車は定刻通りに東京駅を発車した。
取材した車両はE5系なもんで、敷島達が乗っているのはH5系ではありません。
でもまあ、どっちも似たようなものですか。
>和軽食か、洋軽食のどちらかを選べる
実際に乗ってからでないと選べないらしいですね。
しかも、両方チョイスすることはできないと。
>おいしかった😋🍴💕ですよ。
それは良かったです。
が、写真を見る限り、そんなに量は多くないみたいですね。
敷島に車販も併用するようなことを言わせたのは、多分、量的には少なさそうに見えたからです。
因みに、当の監督はまだグリーン車までしか乗ったことがありません。
ただ、まだグリーン車にもシートサービスがあった頃ではあります。
北海道新幹線のグランクラスですか。
私も高崎駅から富山駅まで北陸新幹線のグランクラスの旅を経験しました。
その時は、和軽食か、洋軽食のどちらかを選べるもので私は洋軽食を選びました。
洋軽食は北陸と飛騨の特産物を使ったサンドイッチがメインでした。
おいしかった😋🍴💕ですよ。
また、乗りたいな。