アザミ

久しぶりの雨に気温も下がり、しっとりとした穏やかな空気が流れている。
明日は久しぶりの取材なので、雨は上がってほしいのだが…

仕事でミスをした。
私の部署ではなぜか私が一番経験が長い。
したがって、経験上慣れているせいかいろんなことをみんなが聞く。
こういうときはこうすると、偉そうに言っている。
なのに、初歩的なミスをした。

気持ちが落ち込む。
もう歳だから辞めた方がいいのか。
視力は落ちてはいないが、乱視のせいで午後にはものが二重に見える。
老眼も加わって、午後も遅くなると目を細めなければ文字は見えなくなる。
集中して文字を追った翌日は、朝起きたときにも目が充血したままだ。
回復力もかなり落ちた。

以前なら定年を過ぎた歳だ。
定年がない職場だから、自ら判断しなければならない。
若い人たちのお荷物になる前に辞めなければとも思う。
お荷物になっているとは思っていないが、すでに遠方への取材はできなくなっていて、お荷物になっている可能性はある。

もう少し、もう少しと続けてきた仕事だが、こんな単純なミスをするようになっては辞めた方がいいのかもしれない。

しかし、家にいて両親との摩擦に神経をすり減らし、なぎぃの言動にいちいち気持ちを乱し、だらだらと菓子をつまんでぶくぶくと太っていく自分を想像するだけで空恐ろしい。
この仕事を辞めてほかの仕事を探すようなエネルギーもない。

ずるずると、今の状態を引きずっていくのだろう。