研究公正の活動を続けて驚くのは、でたらめな扱いで不正を隠蔽する研究機関が多いことだ。通報に対する回答や調査結果を見ると「またか!」と思うほど隠蔽が多く驚く。
阪大・国環研事件、東大医学系事件、東大医科学研、京大再生研、大阪歯科大学、山口大学、国環研の盗用事件などが近年の事件例。
研究機関が研究不正を認定しない理由があからさまに不適切で恥ずべき隠蔽ばかりだ。例えば阪大・国環研事件は顕名通報を規定に違反して調査せず、意図的に虚偽記載して全結果と主たる結論を書き換えた大量訂正による隠蔽を黙認して捏造の隠蔽を行った。日本計画行政学会でさえぐるになっていることも驚く。さらに国立環境研究所は解説記事であること等を理由に盗用を否定し、懲戒処分も行わなかった。科学コミュテニィーに対して資料などを示して文献を伝えていれば口頭発表やネットの議論でも研究不正の規制対象になる旨をきちんと通知されても国立環境研究所は無視した。その他、あからさまな加工による改ざんでも結論に影響しないので改ざんでないとしたり、学術誌が捏造等を公表して強制撤回したのに本調査をせずに不正を否定したなど、でたらめな扱いが多い。
このような扱いは「不正は不都合なので認めたくない」という考えが先にあり、でたらめな扱いで不正を否定して隠蔽するということで、一言でいえば研究機関が腐っているということである。
こうした研究機関のうち少なくないところが「隠蔽すれば何事もなく解決する」と本気で考えている。このような考えは極めて甘い。こんなことを行うと懲戒処分や公的研究機関からの罰則を避けられても、いろいろなところで見えない足かせがはたき長期間にわたって不利益を被る。例えば大阪歯科大学はでたらめな扱いで不正を隠蔽したが、非難が著しかったのか本調査をすることになったし、京大再生研事件では田畑泰彦らが捏造等による論文の強制撤回を無視して、やり過ごそうとしたが非難が強かったのか捏造等を認めて論文の自主撤回することになった。
隠蔽する研究機関はこのような現実を理解しているのか、倫理が欠如しているのか、よくわからないところもある。
国立環境研究所は阪大・国環研事件で小学生レベルの極めて初等的な取扱いや計算で正しいと確認でき、しかも研究の非常に基本的な情報であるのに、「間違えました」などという岡川梓・伴金美らの意図的な嘘による不正を隠蔽した。きちんと確認して間違いない内容を発表すべき訂正でそんな扱いをすることは考えられない。また論文の全結果や主たる結論を訂正できないことは常識的な出版規範なのに、全結果や主たる結論を書き換える大量訂正を公表。これは岡川梓、伴金美だけでなく日本計画行政学会も基本的な出版倫理が欠如しているということであり大恥を晒している。国立環境研究所は倫理が欠如していて「隠蔽すれば何事もなく解決する」と考えているのだろう。徐開欽の盗用も解説記事などであることを理由に盗用でなく懲戒処分しないと公表。隠蔽を繰り返した。これも大恥を晒している。
国立環境研究所は自分たちの倫理の欠如を棚に上げ、徐開欽の盗用に対する再発防止策として
「1)研究倫理の周知や研究上の不適正行為の理解に関する研修等の徹底」
「当研究所として、この度の事態を深刻に受け止めますとともに、皆様の信頼を損なう行為がありましたことを深くお詫び申し上げます。また、本オンラインマガジンの記事を始めとする当所ホームページコンテンツを再び安心して楽しんでいただけますよう、最大限努力して参りますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。」
などと非常に笑える主張を公表。全く恥はないようだ。
国立環境研究所は自分たちで規則に違反して不正の隠蔽を続発させ、岡川梓らの意図的な虚偽記載による大量訂正による捏造の隠蔽や徐開欽の盗用の隠蔽など大恥を晒し続けている。そんな状態で「事態を深刻に受け止め」、職員に対して「研究倫理の周知や研究上の不適正行為の理解に関する研修等の徹底」を行い、再発防止に最大限努力するというのだから、非常に滑稽だ。国立環境研究所は強く恥を知るべきだ。
国立環境研究所は職員に対して研究倫理の研修等を行って笑われないのだろうか?暴力団が倫理を守ろうなどと主張するのと同じで非常に滑稽である。国立環境研究所で今後も不正は発生する。また醜態を繰り返すのだろうか。
国立環境研究所などの悪質な研究機関は確かに隠蔽によって職員の懲戒処分や公的研究費の罰則などを避けられるのかもしれない。しかし、このような醜態を晒し続ける様は上で説明したように研究機関やその職員すべてに見えない形で長期にわたって足かせとなり不利益をもたらす。悪質な職員のために研究機関全体で長期にわたって不利益を被り続けるのはバカげている。
研究不正を隠蔽すれば何事もなく解決するなどというのは大間違いで大損を長期にわたって被り続ける。
研究不正が続発した東大分生研は解体的組織変更になったが、倫理が欠如し不正行為を隠蔽し続ける国立環境研究所や大阪大学経済学部、東大医学系などの研究機関が最も解体が必要だ。放置して改善するような研究機関ではない。
倫理が欠如した研究機関は珍しくない。第三者調査機関や拘束力のある規則の創設を迅速に行うべきである。
徐開欽(Kai-Qin Xu、経歴1、経歴2、1962年生まれ)国立環境研究所が盗用。しかし国立環境研究所は盗用を認定せず隠蔽した。非常に悪質。徐開欽は現在退職。国環研は懲戒解雇相当などの処分を行うべきなのに行わなかった。その意味でも非常に悪質である。
盗用文献 「微生物燃料電池とは」 環境 2016年12月号、削除前の表紙、削除後の表紙、本文の削除前、本文の削除後、
公式発表によると、本文の40%以上が類似または同一だったという。しかし、剽窃ではあるものの「当該記事は広報の一環で専門用語を一般的に解説した記事であり、特定不正行為(発表された研究成果の中に示されたデータ、研究結果等のねつ造、改ざん及び盗用)には当たらない」と判断。盗用を否定した。
文科省ガイドラインの公式見解によると研究発表とは「研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、科学コミュニティに向かって公開し、その内容について吟味・批判を受けることを指します。具体的には、投稿論文の他、ディスカッションペーパーや学会等においてデータや資料を提示して行う口頭発表も含まれます。」(文科省A3-11)ということで、「インターネット上でのディスカッションも、「研究活動によって得られた成果を、客観的で検証可能なデータ・資料を提示しつつ、科学コミュニティに向かって公開している」場合であれば、研究成果の発表に当たります。」(文科省A3-12)
レビュー記事や著書も研究成果物として盗用の対象になり、著書等が盗用と認定され重い懲戒処分になった例はたくさんある。広報の一環で解説した文献であろうと科学コミュテニティにも向けて発表しているのは間違いないし、盗用元の文献には著作権がありそれを侵害した犯罪なので盗用になる。
上の基準は岡川梓(国立環境研究所)、伴金美(大阪大学)らの悪質な捏造等を通報された時にも国立環境研究所は文科省ガイドラインなどの公式基準をきちんと示して解説を受けた。つまり、国立環境研究所は基準をわかっていて無視し不正を隠蔽した。常識的に考えても解説記事などで盗用すれば不正行為の盗用として懲戒処分を受けるのは明らかで簡単にわかることだ。国立環境研究所はとかく不正行為を認めようとせず、規則や基準などを捻じ曲げて不正行為を隠蔽する非常に悪質な機関であって、岡川梓・伴金美らの捏造等と不正な大量訂正で全結果と主たる結論を書き換える悪質な隠蔽も黙認し、顕名通報を受けても規則に違反して調査しなかった悪例がある。悪質な研究機関は規則や基準などは紙切れに過ぎず、でたらめな扱いで不正を隠蔽することを繰り返す。
このような機関に調査を担当させること自体が非常にばかばかしく、拘束力のある規則や第三者調査機関などを迅速に作れと前から何度も強調している。徐開欽の盗用否定や懲戒処分なしは悪質な隠蔽の繰り返しであって、腐っている国立環境研所らしい対応ともいえる。東大の分生研は研究不正の続発で解体的な組織改編を行った。このような措置は国立環境研究所や大阪大学経済学部などのような規則の無視、隠蔽などを繰り返す非常に悪質な機関にこそ適用すべきである。岡川梓・伴金美の悪質な捏造等や意図的な虚偽記載で全結果や主たる結論を書き換える大量訂正による隠蔽を黙認して不正を隠蔽した悪例のために他の研究不正も認めれられなくなっているのかもしれない。東大医学系と同様。一度モラルハザードに陥ると「お前の研究不正を隠蔽してやったのにオレのものは不正を認めるのか!」などという理由で悪質な隠蔽が繰り返され被害が拡大する。
公式発表によると
「当研究所においては、以下に示す主な再発防止策を含めた速やかな是正措置を講じたところです。
1)研究倫理の周知や研究上の不適正行為の理解に関する研修等の徹底」
「当研究所として、この度の事態を深刻に受け止めますとともに、皆様の信頼を損なう行為がありましたことを深くお詫び申し上げます。また、本オンラインマガジンの記事を始めとする当所ホームページコンテンツを再び安心して楽しんでいただけますよう、最大限努力して参りますので、引き続きご支援のほど、よろしくお願いいたします。」
などと公表している。研究公正の規則や公式見解をきちんと指摘されても何度も無視して不正を隠蔽している団体がこのような主張をするのは笑わせるな!と思う。暴力団などが倫理の主張をしているようなものだ。
形式的に主張しているだけで悪質な不正や隠蔽を繰り返し社会に対して害を出し続けているのが実態なのに、このような主張をするのは非常に滑稽である。このような研究機関は解体した方がいいだろう。研究不正を防止する気など全くない悪質な機関である。国立環境研究所は研究担当の理事が責任者で、そいつらがクズなのかもしれない。現在は森口祐一、岡川梓・伴金美の事件の時は原澤英夫。原澤英夫は岡川梓の所属部署の長だった人物で、部下の不正で特に不都合だったのかもしれない。
徐開欽は「当該記事を自分の名前で公表したことは事実であること、自分の得意分野ではないこともあり関連記事を集めて作成した」と回答。きちんと仕事ができないなら引き受けるべきではなかった。この件は動機等の言及もこの程度しかなく、懲戒処分等も行われず、対応が不十分である。
そもそも悪質な研究機関の対応なので、こんなものなのかもしれない。このような機関は解体して、拘束力のある規則や第三者調査機関による調査を迅速に実現すべきだ。
国立環境研究所の悪質な対応は今後も改善することはないだろう。
家電量販店や大学生協でダイナブックや富士通、NEC、パナソニックなどの高額PCばかり売られている現状を見ると、日本人の多くがIT機器が苦手か情弱が多いのではないかと思う。少し学習すれば簡単である。
友田明美(Akemi Tomoda、1961年頃生、神経科学・小児育成学)福井大学らの論文が査読欺瞞で撤回された。2報目。友田明美も撤回に同意。査読欺瞞を認めた。
撤回論文、日本語紹介(写し)、撤回公告、
Nobuko Sakakibara(榊原信子、筆頭著者)、Akemi Tomoda(最終、責任著者) et al.
Hum Brain Mapp. 2021 Oct 15;42(15):4985-4995
毎日、
友田明美(Akemi Tomoda、1961年頃生、神経科学・小児育成学)福井大学らの論文が査読欺瞞で強制撤回された。撤回されたのは以下の論文。
査読偽装のあった論文(撤回公告の写し)、
Daiki Hiraoka(平岡大樹、筆頭著者)、Akemi Tomoda(最終、責任著者) et al.
Psychoneuroendocrinology Volume 123, January 2021, 105026
毎日の報道によると4月の査読欺瞞を認定し撤回勧告していたが友田明美らは応じなかったようだ。自主撤回が必要なのに応じなかったのは倫理意識の欠如が原因で、強制撤回の公告でそれを永久に記録が残る形で公表されてしまった。非常に不名誉。自主撤回しなかったところをみると友田明美や査読を行った橋本謙二(Kenji Hashimoto、遅れなしで1959年頃生まれ)千葉大学は争うつもりか?福井大、千葉大の査読欺瞞の事件で両大学の規定に査読関与を禁止する規定がないため慎重調査中という報道があった。こんな争う余地のないことで不正かどうかを議論するのは時間と労力の無駄であるが、なんとしても不正行為の認定と処罰を避けたいと思っているのかもしれない。友田明美は部下に不正を強要し、橋本謙二とともに査読欺瞞を常態的に行っていた。こんな連中は教授失格であり追放すべきである。
少し前に自主撤回すべき事を執筆したが、友田明美らは強制撤回され無意味に損害を増やした。
岡川梓(国立環境研究所)、伴金美(大阪大学)らが意図的虚偽記載で全結果と主たる結論を書き換えて捏造等を隠蔽するための不正な大量訂正を出したり、日本計画行政学会がそのような不正な大量訂正を掲載したり、研究機関や学会がぐるになって隠蔽する悪質なケースもある。結論等が間違っていたり不正な論文は迅速に自主的に撤回すべきであり、友田明美らのように倫理意識の欠如によって自主撤回しないことは大損害である。
友田明美らは自主撤回しなかったので他の論文でも強制撤回が続き醜態を晒し続けるのかもしれない。非常に悪質である。
Lianwei Peng(筆頭著者、2022年6月24日時点で43歳)元京大研究員、鹿内利治(Toshiharu Shikanai、責任著者、2022年6月24日時点で62歳)京都大学理学研究科生物科学専攻植物学教室らの論文5報、11の図に捏造、改ざんなどが認定された。私の通報によって調査され捏造が認定された。
京大の公表、トップ(写し)、調査概要(写し1、写し2)、資料(写し1、写し2)、大学のトップページ(写し1、写し2)
通報文
Lianwei Pengの単独犯で鹿内利治は論文の最終確認を怠った等、 内容に責任を負う者として認定された。見栄えをよくしようとして加工。常習的に捏造、改ざんを行っていた。結論には影響を与えないという。5報の論文が撤回または撤回勧告。懸念表明が出ていたPLoS Biol.の論文について鹿内利治は結論に影響しないとして撤回しないと公言していたが、京大から撤回勧告された。Lianwei Pengが悪いと認識していなかったことでも不注意以外のものは故意を認定。研究不正の故意性は客観的、外形的な不正行為に対する認識を指すので、害意がなくても不正行為になる。
調査概要によると「研究を主導する監督者として責任を負う立場にあった」鹿内利治が「Peng元研究員に対する研究倫理指導を怠り、また研究員の研究活動を十分に把握し管理することができていなかったことも、不正行為を未然に阻止できなかった主要な要因」と言及。Lianwei Pengが結果が同じなら「別々の実験の画像を組み合わせて1点の図とすること」を「悪いことと思っていなかった」ことも要因。
この事件は調査概要によると私が通報者。2020年11月にブログなどで紹介。第一報だった。PLoS Biol.の論文は2015年頃に学術誌から疑義の指摘を受けていたのに私が通報者してから調査を開始したのだろうか。2020年11月に記事を報道したときは、疑義指摘から5年も停滞していたのに、私が通報してすぐにマスコミが報道。鹿内利治が改ざんを認めて進展した。京大は隠蔽していたのかと思った。隠蔽すると解決まで長く、日本計画行政学会が論文著者の岡川梓(国立環境研究所)、伴金美(大阪大学)とぐるになって意図的虚偽記載の大量訂正を黙認する不正な査読を行って、出版倫理に違反して全結果や主たる結論を書き換え、捏造を隠蔽するための大量訂正を掲載したり、大阪大学、国立環境研究所が顕名通報を規則に違反して調査せず隠蔽する例など、隠蔽事件は多く長期解決していない。
京大は田畑泰彦らの捏造、改ざん事件も調査せず長期間放置。博士の取消も行っていない。必ず本調査、処罰、博士取消を行う必要がある。隠蔽は許されない。
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(2022年7月7日追記)
友田明美 福井大らの査読欺瞞の件が世間を騒がせている。査読偽装のあった論文は4月に撤回勧告されたが現在でも掲載されている。友田明美らは撤回に反対しているのかもしれない。しかし、必ず撤回した方がよく、自主的に撤回しないともっと損害が大きくなる。
出版倫理委員会の撤回基準では論文の結論等が間違っていた場合や二重投稿、盗用、非倫理的研究の場合に撤回すべきとされている。査読欺瞞はこれらに含まれていないが、通常は撤回される。出版倫理委員会の撤回基準は国際標準でどの国でも、文系でも理系でも同様の基準である。強引に大量訂正でごまかして撤回回避しても一般的に余計に悪評価になるだけで損害が大きい。研究者の中には強硬に撤回を拒む者がいるが、きちんと撤回した方が損害が小さくて済む。結論が間違っていた場合などは通常誰からも異論が出ないので、非倫理的で悪質な学術誌や学会などを除いたほとんどの学術誌で撤回になる。査読欺瞞などの不正行為があった場合も撤回になることがある。このようなケースは争わずに自主的に撤回するのがベストで、一番損失が小さい。逆らって自主的な撤回をせず、不正を否定して組織ぐるみで隠蔽すると表向きに言われなくても猛烈に非難されて大損害を被る。大阪歯科大学の隠蔽や小保方晴子の博士論文盗用で博士取消を決定しなかった調査委員会の判断などはその典型だ。
友田明美らは放置してやり過ごすつもりかもしれないが、迅速に撤回しないと出版側が強制撤回して大きな不名誉となる。友田明美らの倫理意識が欠如している事が撤回公告で記録に残る形で公表されてしまう。
結論等が間違っていたり不正な論文は迅速に自主的に撤回する。
これをきちんと実施することがもっとも損失が少なくベストな方法である。論文著者自身の利益だけでなく、学会、共同研究者、所属機関、学術誌の読者、社会などにとっても撤回した方が損失が小さく、迅速、自主的撤回はその意味でも重要である。
福井大、千葉大の査読欺瞞の事件で両大学の規定に査読関与を禁止する規定がないため慎重調査中という報道があった[1]。あたかも規定がないので査読欺瞞が不正にならず禁止されていないかのような報道だ。これは明らかに間違いであって、査読欺瞞は不正として処罰され、禁止されている。規定で明記されていないからといって不正にならないわけがないだろう。
確かに両大学の規定では捏造、改ざん、盗用(以下、FFP)だけが不正と規定されている。しかし、これは大学が規制すべき最低限の基準だけを示したもので、それ以外の不正を許容する趣旨ではない。文科省ガイドラインでの不正の言及は例示列挙であって、あらゆる不正行為を示したものではない。これは井上明久元東北大学総長の二重投稿事件でも有馬委員会が明確に示していた。当時の東北大学でも内部規定ではFFPのみが規定され二重投稿を不正とするかの言及があった。
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2.研究活動の不正行為と二重投稿の取扱い
(1)研究活動の不正行為の定義
科学研究における不正行為は、科学を冒涜し、人々の科学への信頼を揺るがし、科学の発展を妨げるものであって、本来あってはならないものである。また、厳しい財政事情の下、未来への先行投資として、国費による研究費支援が増加する中、国費の効果的活用の意味でも研究の公正性の確保がより一層求められる。
このような背景を受けて、文部科学省の要請により「科学技術・学術審議会研究活動の不正行為に関する特別委員会」が2006年8月8日付けで「研究活動の不正行為への対応のガイドラインについて」の提言を行っている。その第1部「研究活動の不正行為に関する基本的考え方」の中で、不正行為とは、研究者倫理に背馳し、研究活動の本質ないし本来の趣旨を歪め、研究者コミュニティの正常な科学的コミュニケーションを妨げる行為であり、捏造、改ざん、盗用に加え、同じ研究成果の重複発表も不正行為の代表例と考えることができるとしている。一方、第2部「競争的資金に係る研究活動における不正行為対応ガイドライン」で対象とする不正行為は、「発表された研究成果の中に示されたデータや調査結果等の捏造、改ざん及び盗用である。ただし、故意によるものでないことが根拠をもって明らかにされたものは不正行為に当たらない。」としている。この主な目的は、重大な不正行為を捏造、改ざん及び盗用の3つの行為とし、同ガイドラインに基づき各大学・研究機関や各資金配分機関が規則等を定め、その行為を行ったことが制裁措置を科すことにかなうものとして、国費によって支援される研究活動の公正性の確保に政府が介入する範囲を適切に説明できるようにする点にあると考えられる。
アメリカでも研究活動の不正行為の概念は論争の的であったが、2000年12月に米国連邦科学技術政策局(OSTP)の研究不正行為に関する連邦政府規律により統一が図られ、そこで不正行為は「研究の計画、実行、解析、あるいは研究結果の報告などの諸側面における、捏造 (fabrication)、改ざん(falsification)、盗用 (plagiarism)」(総称して「FFP」と呼ぶ。)と定義されている。研究の不正行為に対して果たす連邦政府の役割をFFPに限定したのである。
(2)大学における二重投稿の取扱い
国立大学法人東北大学においても、研究不正行為の防止に向けて、前記2(1)のガイドライン等に基づき、「研究活動における不正行為への対応ガイドライン」を制定している。そこで対象とする不正行為は、捏造、改ざん及び盗用と定義されている。大学のガイドラインは、大学として認められない研究行動を判断するための最低限の基準を制定しているものであり、あらゆる研究活動を判断するための基準ではない。大学のガイドラインは、犯罪行為、研究費の不正使用などの法令違反のほか、個人の人権の侵害、不適切なオーサーシップ、論文の二重投稿など研究者の倫理が問われる行為を含んでいないが、もとより研究活動の研究者コミュニティにおいて認められない行為を積極的に許容する趣旨ではない。
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([2]より)
これは東北大学の規定についての言及だが、他の研究機関でも同様。FFP以外の倫理違反が不正行為にならないわけがない。上の調査報告書によると改定前のガイドラインはFFPについて文科省等の介入の範囲を規定したもので、それ以外の倫理違反も不正行為となる。
現に、岡川梓(国立環境研究所)、伴金美(元大阪大学)、加藤茂明(元東京大学)らの不正な大量訂正による隠蔽、立証妨害、名義貸し事件、患者の同意や倫理委員会の承認を得ない研究などの非倫理的研究などは不正行為であり、過去に何回も懲戒解雇などの重い処罰となった。
査読欺瞞が規定されていないので不正にならないかのような報道や福井大、千葉大が慎重調査する姿勢を示した点を見ると、日本では研究公正の専門家がおらず基本的な基準や知見などが普及、定着せず同じ事を改めて検討したり、誤った基準で判断する事が珍しくない。福井大、千葉大が慎重に扱うと主張したことは既に10年以上前に明確な基準が示されているし、査読欺瞞が不正でなく禁止されていないなど常識的に間違っているので争う余地はないのではないかと思うが、改めてこんな事を査読欺瞞が規定されていない事を理由に慎重に扱うと主張するのだから、大学の調査委員会や執行部は研究公正の規定や基本的な考え方がわかっていないのだろう。
研究不正の故意性の問題もSTAP事件で理研調査委員会が故意とは客観的、外形的な研究不正に対する認識をいい、詐害意思などの悪意を含まないと明示したし、これは国際的にも同様の規範だが、長崎大学の盗用事件や野尻崇、寒川賢治らの捏造事件などで外形的な不正の認識があったにも関わらず不正が認定されなかった。これらは調査委員が調査対象分野の専門家ではあっても研究公正の専門家ではなく研究公正に関する基本的な知見や基準を知らないか不正を認定すると不都合なので基準を歪めて扱っている事が原因である。たぶん野尻崇らの事件では調査委員が基準を知らなかった事が原因だろう。
研究公正の専門家を採用したり育成する事も重要で、それを実施した方がいいが、前から主張しているように研究公正の第三者調査機関をきちんと作れば、このような判断は統一的かつ適切な基準で扱われるだろう。日本は研究公正の公正の専門家がいないために基準がばらばらだ。また処分もばらばらで30報以上捏造しても停職で済む大学もあれば懲戒解雇になった例もある。森直樹の大量捏造事件の裁判など、裁判所も判断が悪いのは救いようがない。
研究公正の専門家の採用や育成、第三者調査機関の創設などを迅速に実施して頂きたい。
思えば、私が日々研究公正のデータベース作製などをやっているから上の東北大学の規範などがちゃんと出てくる。これらは研究公正の基礎資料として重要で、せっかく調査例や基準が示されたのだから有効活用して頂きたい。無償利用できるのだから非常にお得ですよ。
参考
[1]秋田魁新法、2022年6月17日
[2]東北大学、研究者の公正な研究活動の確保に関する調査検討委員会 調査報告書(写し、委員長 有馬朗人 元文部大臣・科学技術庁長官・東大総長) 2012年1月24日
須賀晃一(Koichi Suga、1954年生まれ(注1)、経歴、厚生経済学・社会的選択理論)早大副総長が著書を盗用。榊原健一千葉大学教授(当時)との共著論文を無断で翻訳し、榊原健一を著者から省いて著書「再分配とデモクラシーの政治経済学」の第4章として掲載した。裁判で争われ盗用などを理由に謝罪文の掲載や損害賠償となった。
裁判記録1(写し、上野達弘 早大教授の文献)、2(写し、謝罪文)
裁判で盗用が認定された。共著者の同意を得ずに著者から省いて研究成果を公表するのは盗用で、過去に何度も盗用と認定され懲戒解雇などの重い処分となった。瀧川薫 元滋賀医科大学の事件などが同様。
早大では総長選を前にして裏でいろいろ争われているようだ。論文盗用の怪文書などが出ているらしく、たぶん須賀晃一の事だろう。フライデーによると共著者にお詫びして法的に解決しているということだが、早大は懲戒処分を行ったのか。大学としての調査結果を確認できない。盗用した人物を副総長にするのは考え難いので、調査や懲戒処分を行ず隠蔽したのかもしれない。岡川梓(国立環境研究所)、伴金美(大阪大学)の捏造などを国環研・阪大が顕名通報を規則に違反して調査せずに隠蔽したり、日本計画行政学会が論文著者の岡川梓、伴金美とぐるになって意図的虚偽記載の大量訂正を黙認する不正な査読を行って、出版倫理に違反して全結果や主たる結論を書き換え、捏造を隠蔽するための大量訂正を掲載した事件や岡崎定司 大阪歯科大学らの改ざん事件を同大が隠蔽した事件など隠蔽事件は多い。
大学、研究所、学会などが腐っていて隠蔽するケースは解決せず、ぐるになって不都合なことから目を背けて不正を黙認する悪い慣れあいばかりが繰り返される。なんとかしてほしいものだ。
総長選などになると足をひっぱる目的などで怪文書などが出るのかもしれない。最近スクープされた友田明美 福井大学らの査読欺瞞事件も有名人などに対する妬みや恨みなどで陥れ目的で毎日に情報提供されたのかもしれない。毎日やフライデーは足を引っ張る片棒を担ぐなと思う人もいるかもしれないが、報道や出版は裏付けできて世間に伝えるべき情報の場合は情報提供者の意図と関係なく公表するのが仕事でこれまでも何度も情報提供で政治家や企業などの不祥事が報道されてきた。腐った大学、研究所、学会などのように黒でも隠蔽するという事をしない。そもそも規則をゆがめたり不正を減免する理由は全くない。
フライデーの報道が早大の総長選にどのような影響があるかわからないが、研究公正については適切に扱ってほしい。
注1 須賀晃一は1954年生まれという文献がある。Wikipediaでは1954年6月生まれ。早大の紹介によると1976年一橋大学卒業。それだと1976年3月時点で21歳。計算が合わないので何らの情報が間違っている。本稿では須賀晃一を1954年生まれと紹介。
友田明美(Akemi Tomoda、1961年頃生、神経科学・小児育成学)福井大学が査読者の橋本謙二(Kenji Hashimoto、遅れなしで1959年頃生まれ)千葉大学と協力して査読偽装を行った疑いが報じられた[1]。査読偽装は2012年にムン・ヒュンインの事件が最初に発覚してから世界的によく行われ、学術誌が大量の論文を一度に撤回したり、偽の査読者をあっせんするブローカーがいるなど国際的に問題視された不正行為だ。日本でもいつか出るだろうと思っていた。捕食出版や大量訂正による隠蔽など学術界の悪い不正の流行が日本でも行われている。改善しないといけない。
エルゼビアが不正と認定、友田明美らに撤回勧告[1]。福井大と千葉大が調査委員会を設置して調査中。毎日新聞によると論文の作成に加わった男性研究者は友田明美の圧力で査読コメントの作成指示に従わざるを得なかったという[2]。友田明美は児童虐待と脳の発達の研究で有名でNHKプロフェッショナル 仕事の流儀にも出ていた[1]。不正を部下に強要するのは上司として完全に失格。追放すべきである。部下はたまったものではない。
毎日新聞によると日本で査読偽装が発覚したのは初の例だという[1]。2017年4月にシュプリンガーが査読偽装でTumor Biologyに掲載された107論文を撤回。大部分は中国の医学系の論文であったが、愛知医科大学の所属員の論文も査読偽装で撤回された。日本の研究機関に所属していた者の論文が査読偽装で撤回されたのは、たぶんこれが最初の例。日本の研究機関に所属していた者の不正だったのかは不明。
研究公正に関心のない人は査読偽装(Fake peer review)を初めて聞いたという人もいるかもしれないが、この分野では10年前から国際的に大問題になっている事で全く新しい事件ではない。日本も悪に染まってしまったのかもしれないが、必ず改善が必要。リトラクションウォッチが査読偽装の防止策を出していたような気もするが執筆時点で文献を見つけられなかった。たぶんあると思うので、そういうものを参考にして改善してほしい。
査読の公正さが問題視されているかもしれないが、日本計画行政学会が論文著者の岡川梓(国立環境研究所)、伴金美(大阪大学)とぐるになって意図的虚偽記載の大量訂正を黙認する不正な査読を行って、出版倫理に違反して全結果や主たる結論を書き換え、捏造を隠蔽するための大量訂正を掲載した例など、前から査読の公正さが欠如した扱いが続発していた。必ず改善してほしい。
査読偽装のあった論文、
Daiki Hiraoka(平岡大樹、筆頭著者)、Akemi Tomoda(最終、責任著者) et al.
Psychoneuroendocrinology Volume 123, January 2021, 105026
これまでの査読偽装は著者が管理できるメールアドレスを使ったなりすましによるものや偽の査読者のあっせんなどの手口で、査読者の実在や所属、メールアドレスの正当性を確かめれば防げるかもしれないが、友田明美らの件は査読者とぐるになる手口。査読者は編集側が見つけるか著者が推薦する事が多いと思う。狭い分野で全く関係ない人物を査読者にするのが難しいケースもあるし、推薦の場合は大体有利な人を候補にする。悪い慣れあいも前からあるだろう。査読の過程が明らかになり透明性を確保できれば査読欺瞞を防げるかもしれないが、それも難しいのだろうか。私がやっている事も出版後査読と言われることがある。これは完全に査読過程をオープンにしている。通常の査読とはスタンスが全然違う。
いいアイデアがあれば教えてください。
参考
[1]毎日新聞、英語版、(紙面媒体含む) 2022.6.10
[2]毎日新聞、(紙面媒体含む) 2022.6.10
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(2022年6月14日追記)
末松信介文部科学相の査読偽装に対する批判的コメントの報道、
友田明美と橋本謙二は他に4論文でも査読偽装を行っていて、査読偽装が常態化していた疑いが報じられた。査読偽装の論文は合計5報。
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(2022年6月16日追記)
毎日新聞(2022年6月15日朝刊1面)によると2021年7月にワイリーの学術誌に掲載された母親の育児ストレスで引き起こされる脳内の神経活動に関する論文にも同様の手口による査読偽装がありワイリーが撤回を求めているという。査読偽装があったのは2015~2021年に国際学術誌に掲載された5本の論文。全て友田明美が責任著者。
2021年7月に掲載された論文、日本語紹介(写し)、
Nobuko Sakakibara(榊原信子、筆頭著者)、Akemi Tomoda(最終、責任著者) et al.
Hum Brain Mapp. 2021 Oct 15;42(15):4985-4995
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(2022年6月25日追記)
エルゼビアが友田明美らの以下の論文を査読偽装で強制撤回。
査読偽装のあった論文(撤回公告の写し)、
Daiki Hiraoka(平岡大樹、筆頭著者)、Akemi Tomoda(最終、責任著者) et al.
Psychoneuroendocrinology Volume 123, January 2021, 105026
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(2022年7月26日追記)
ワイリーが友田明美らの以下の論文を査読偽装で撤回。友田明美も撤回に同意。査読欺瞞を認めた。
撤回論文、日本語紹介(写し)、撤回公告、
Nobuko Sakakibara(榊原信子、筆頭著者)、Akemi Tomoda(最終、責任著者) et al.
Hum Brain Mapp. 2021 Oct 15;42(15):4985-4995
毎日、リトラクションウォッチ(本ブログの情報提供で報道)
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