世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

高校入試改革

2012-03-31 00:59:25 | 社会

前に「公立高校一般入試で合格したら必ず入学しなければならないという嘘の指導はやめろ」、「内申点を重視しない高校入試を実現すべき」という記事を書いた[1][2]。簡単に説明すると[1]は大阪府や千葉県などで一般入試にも関わらず公立高校に合格したら必ず入学しなければならないと中学校が嘘の指導をし、生徒を騙して入学させることがあるのでそれは絶対にやめろという話。

公立高校一般入試はどんな都道府県でも「合格したら必ず入学しなければならない」という規定はないし、私立に行くか公立に行くか最後まで迷って受験した人が入学辞退することは何ら責められるべきでない。本来入学辞退は自由なはずなのに、生徒を騙して入学させるのは進路選択の自由の不法な侵害であって絶対に許されない。きちんと入学辞退できることを周知しなければならない。

[2]は公立高校入試で内申点が大きなウェートがあるために、教師が生徒をコントロールするために内申点を使っている実情があるので、それは絶対にやめるべきだということ。そのために一般入試で内申点を重視しない選抜にすべきだということ。

これらはどれくらい実現してるのだろう。全く改善がないのだろうか。こういう制度は改善した方がいいだろう。

参考
[1]世界変動展望 著者:"公立高校一般入試合格者は入学強制だと嘘の指導をするのは絶対やめろ!!" 世界変動展望 2011.1.20
[2]世界変動展望 著者:"高校入試における内申点の取り扱いについて" 世界変動展望 2009.3.20


上原亜希子、やはり控訴!- 東北大学歯学研究科データ捏造事件

2012-03-30 00:03:38 | 社会

先月28日に論文のデータを流用したとして懲戒解雇された上原亜希子の解雇無効訴訟に対し仙台地裁は流用はあったとして上原亜希子の請求を棄却する判決を言い渡した[1]。彼女の大上際の悪さを考えると控訴するだろうと思っていたが、本当に控訴したようだ[2]。

河北新報(2012.2.29)より[2]

確かネットでは控訴したというニュースは出ていなかったので控訴したかどうかわからなかったが、井上明久東北大学総長の不正疑惑の追及資料を見ていたら偶然この事件のことを紹介している記事を発見し、読んだら「即日控訴した」と記載されていた[2][3]。仙台地方に関しては詳しくないのでよくわからないが、おそらく河北新報というのは名古屋でいうところの中日新聞と同じで地元紙なのだろう。仙台のニュースに関しては詳しく書いてあるようだ。ただ、先にもいったようにネットではこんな記事見なかったが、ネットに載らない記事もあるということだろう。

それはさておき、予想通りの控訴。本当に大上際が悪い。上原亜希子の代理人弁護士は「予想していない判決で納得できない。実験していないわけはなく、判決の認定は誤りだ。」弁護士も仕事上仕方ないとはいえ嘘を平気でいう。内心は予想してた判決だし、判決の認定は正しいと思っている。弁護士という仕事も辛いな。

とにかくこの問題は確定までまだ数年はかかるだろう。おそらく高裁でも請求が棄却され上告するだろうし、本当に無駄な裁判が長く続くことになる。裁判費用は上原亜希子持ちとはいえ裁判所も余計な仕事を増やされてたいへんだろう。

上原亜希子にとっては次の高裁における裁判が事実上最終的な勝負の機会となる。なぜなら、日本の民事裁判は二審までが事実審で三審は法律審であるため、捏造の有無を争えるのは高裁までだからだ。三審である最高裁は法律解釈や運用の誤り等だけを争う審理なので、ほとんどの民事裁判は事実上二審までで決着する。

上原亜希子は捏造を認めて、せめて裁判所の労力軽減に協力すべきだろう。本当にどこまでいっても大迷惑な人物だ。

参考
[1]世界変動展望 著者:"論文データ捏造の上原亜希子の請求を仙台地裁が棄却!" 世界変動展望 2012.2.29
[2]河北新報 2012.2.29
[3]井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)、文部科学省における記者会見資料 2012.3.6


東京大学分子細胞生物学研究所、加藤茂明(Shigeaki Kato)らの研究不正疑惑について

2012-03-29 01:13:51 | 社会

昨年末か今年1月初め頃から東京大学分子細胞生物学研究所の某教授の研究グループで画像流用などの不正疑惑が浮上し、ネットでかなりの注目を集めている。某教授としているが、端的にいって、加藤茂明氏のこと[1]。Science Insiderに載っているので実名でもいいかと判断した[1]。

それはさておきこの問題に関しては上で述べたとおりネットでかなり注目されていて、海外のサイトなどで報道され独自に追及しているところもあるらしい。かなり大規模な不正で東大教授の不正ということが注目を集めている理由の一つだろう。日本の報道機関ではまだ報道されていないが、おそらく告発者が東大に告発しており調査委員会ができ調査が行われている。マスメディアも報道しないだけで情報は抑えており、機会がくれば報道するに違いない。告発者はネットで内容を公開しており、今はそこそこのアクセスだが公開直後は人気ブログ並に訪問者が訪れ、昨日見たらgoogleのページランクはなんと6だった。一般人のブログとしては破格の高評価で、おそらく海外の信用あるサイトからいくつもリンクされたのだろう。開店してから3ヶ月もたたないうちにそれほどの注目を集めたのはすごい。

詳細は告発者のサイトを見ていただくとして、よくこれほどの不正疑惑を発見したと思う。おそらく大量の画像流用を見て多くの人は捏造を確信しているだろう。関連するものとして筑波大学の不正疑惑も別サイトで公開されている。おそらくこれも告発されているのだろう。慶應義塾大学や群馬大学の生物、医学系の不正まで公開されている。1月以降でかなり増えた。どうやってこれだけ不正疑惑を発見できるのかとても不思議だ。さすがにアニリール・セルカンの膨大な不正を詳細に調べて告発しただけのことはある。かなりその方面の能力が高いのだろう。

告発サイトで紹介されている不正疑惑の態様を見ると、画像を使いまわしたり一部伸縮を変えるなど加工の形跡が紹介され、これだけたくさんあると一見して組織的にデータの使い回しや改ざんをやっていたのだろうと思わされる。獨協医大のように服部元教授を人身御供にしてその他の共同研究者らが逃げ延びるというわけにはいかないように思う。公的研究費もかなり使われているようで不正が発覚したら巨額の研究費を返還することになるだろう。もっとも、東大が獨協医大のように不正に使っても科研費は返さないと開き直らない限りの話だが。東大の場合はアニリール・セルカンが不正使用した研究費をきちんと返還していたので、その点は心配ないと思う。

思えば2010年のアニリール・セルカンの事件を初めとして、獨協医大、名古屋市立大、三重大、九州大、京都府立医科大、群馬大、東大、筑波大、慶応義塾大、その他海外の研究機関と次々と不正疑惑をネットで公開する様は本当にすごいと思う。先にもいったがどうやってこれほど疑惑を見つけるのだろう。これだけ不正疑惑が見つかるということは、それだけ科学の世界では不正が蔓延しているということだろう。不正は絶対にやめなければならない。

そもそもなぜこんな画像の使い回しなどをたくさんやる必要があるのかわからない。獨協医大の服部元教授は論文数を増やし業績を向上させたかったという焦りがあったと新聞社の取材に対して答えているが、こんな致命傷になることをやるくらいならきちんと実験をやった方がよっぽどマシだと思う。本来きちんと研究やるために科研費を渡されてるんだろうし。そんなに実験をやらない手抜きの論文を発表することは生産性が上がることなのだろうか。

私なら、実験や解析計算などをやらずに論文を書いても無意味なので全く楽しくないですがね。怒られるかもしれないが、大学の研究者なんて趣味と仕事を兼ねてやってるようなところがあるし、研究をやらずに論文を書くなんて研究者をやってる意味がないと思う。

それにしても2008年に発覚した上原亜希子のデータ流用事件を契機として次々と流用による捏造事件が発覚していて収まる感じがない。研究者のみなさんはくれぐれも不正をせず適切な研究をやってください。

参考
[1]Science Insider:"Whistleblower Uses YouTube to Assert Claims of Scientific Misconduct" 2012.1.25
[2]世界変動展望 著者:"京都府立医科大学の論文改ざんなどの疑惑について" 世界変動展望 2012.3.17


東北大学は井上明久総長を即刻懲戒解雇せよ!退職金を絶対に支給するな!!

2012-03-28 23:33:09 | 社会

東北大学井上明久総長の任期が残りわずかとなり、3月末で任期満了による退任となる。予想通り自発的に辞職することはなかった。東北大学も何ら処分をするつもりはないらしい。しかし、あえて言わなければならない。東北大学は即刻井上明久総長を懲戒解雇し、退職金を絶対に支給してはならない。さらに日本学士院は井上氏に与えた学士院賞を取り消し、不正に使った高額な研究費もきちんと返還し、学士院の会員資格剥奪など、あらゆる公職から井上氏を排除しなければならない。

確かに井上氏は金属ガラスの研究で一部素晴らしい成果を出した。しかし、別な側面では数々の捏造論文を発表し科学に対する信頼を致命的に傷つけた。しかもその態様は重大な研究成果を偽るもので極めて悪質である。かなり悪質な不正と処断された同じ東北大学の上原亜希子の不正も、井上氏に比べればまだマシな方で井上氏の捏造の数々は科学史上最大の捏造といわれたベル研究所のシェーン氏に匹敵する。

現在公的な団体により井上氏の捏造が認定されたわけではない。その意味ではまだ争われている段階だが、井上氏の不正の態様の数々をみると不正がなかったではとても済まされない悪質極まりない所業があったと断じざるを得ない。捏造論文の典型例は昨年にApplied Physics Letters(APL)誌が二重投稿を理由に撤回した井上氏の論文である[2]。この論文は単なる二重投稿ではなく、でたらめばかりが記載されとてもまっとうな論文とは呼べない代物である。過去に発表したのと同じデータを再掲載しているのに適切にオリジナルを引用をしていないどころか、実験条件をキャプションで変更して別な実験であるかのように改ざんしたり、金属の機械的な性質も論文のデータから適切な方法で導出できないでたらめなものばかりが記載されており、とてもうっかりミスでは済まされない酷いあり様だ。詳しいことは[1]を見てほしい。

ここまで論文にでたらめな記載がたくさん書かれている客観的な態様は、常識的には研究が適切に遂行されなかったことを示す。一言でいえば捏造や改ざんが行われたということだ。これは至当な判断だし、丁寧な説明を聞けば誰でも簡単にわかることである。研究が適切に遂行されたなら、ここまででたらめな記載が表れるはずがない。

別な例で言えば京都府立医科大学の記事で紹介したでたらめな小学生の宿題と同じである。先生が夏休みの宿題として小学生に「自分の住んでいる都市の人口を年度ごとに20年分、公的な資料をもとに調べて提出しなさい。」という宿題を出したとしよう。しかし、提出された小学生の宿題はでたらめばかりが記載されていて、参考にしたという公的な資料を見ても全く根拠がなかった。宿題を適切にやっていれば、即ちきちんと文献を調べて書いていれば単純な転記で済むため簡単に正しいことが書けるはずなのに、でたらめばかり記載されているということは、小学生は宿題を適切にやらなかった、即ち文献をきちんと調べずにでたらめにデータを作成して提出した以外に考えられない。要するに捏造データで宿題を提出したということである。

井上氏がやったことも基本的にこれと変らない。研究を適切に遂行せず、捏造又は改ざんしたデータばかり論文に記載したからでたらめなデータばかり論文に載っているのである。しかも井上氏のAPL論文は論文の核心的なデータに捏造や改ざんがあり極めて背信的である。井上氏はこの論文を主要な業績の一つとして日本学士院賞を受賞しているが、日本学士院はなぜこんなとんでもなく悪質な捏造論文に日本学士院賞を与えたのだろう。彼らはいったい何を審査したのか。学士院賞の権威や信頼も地に落ちたというか、大変な汚点を出してしまった。

この論文に関してはAPL編集局長がTransgression(掟破り,この場合は研究者倫理違反)と発言し酷く井上氏を非難したという。こんなとんでもない捏造論文を掲載させられたら誰だって激怒するだろう。読者を騙す極めて背信的な論文を掲載させられてしまったんだから、ジャーナルの信用はがた落ちだ。「レフリーや編集局は何をやってたんだ?」と苦情が殺到するだろう。大迷惑な話だ。

井上氏の不正行為はまだ公的には認定されていないが、客観的な態様から明らかに極めて悪質な不正行為が何度も行われている。確かに井上氏は金属ガラスの研究で素晴らしい成果を出したのかもしれないが、あまりに悪質な不正行為の数々を見ると、とてもまっとうな研究者とは呼べない人物だと言わざるを得ない。井上氏の罪の重さを考えると懲戒解雇は当然であり、研究費の返還、退職金不支給、学士院賞取り消し、学士院会員資格剥奪など厳しい制裁を与えるのは当然である。

そもそも、東北大学も日本学士院も井上氏の論文を掲載したジャーナルも意図的で明白かつ極めて悪質な不正行為の数々をきちんと認定し処断しなければならなかったのにそれをしなかった。特に東北大学は井上氏の不正を握りつぶしたとしか考えられず、極めて悪質でありまともな研究機関とはいいがたい。井上氏は総長で権力者に逆らえないとか学長が不正を犯したという汚点を出したくないと思っているのかもしれない。確かに権力者には逆らうのは簡単ではなく、汚点は出したくないだろう。しかし、科学史上稀にみるほどのとんでもなく悪質な研究不正を組織ぐるみで握りつぶすことの甚大な損失に比べれば、汚名を受けてもきちんと井上氏の不正を正した方がよほどマシである。

大学は健全に研究や学問を追究する場や環境が整っていなくてはならない。端的にいって、東北大学の現在までの握りつぶしの数々は大学としての自殺行為以外の何物でもない。

思えば、井上氏の悪質な研究不正のために貴重な税金が何億円も無駄に使われ、他の研究者や企業も捏造した研究成果に騙され貴重なお金や時間を無駄にした。さらに、これほど悪質な研究者に対して退職金を1億円は支払うのだから、とんでもなくばかげている[3]。絶対に井上氏に退職金を支払わないでほしい。井上氏は学士院の会員で生涯月額25万円程度の給料を貰うらしいがこれもとんでもないことだ。

繰り返しになるが、井上明久氏を即刻懲戒解雇にし、退職金を絶対に支給せず、学士院賞取り消し、学士院会員資格の剥奪など厳しい制裁を与えなければならない。国民は黙っていてはいけませんよ。

参考
[1]井上総長の研究不正疑惑の解消を要望する会(フォーラム)
[2]A.Inoue,et all:"Ductile quasicrystalline alloys" APL, Vo.76,No.8(2000),pp.967-969
[3]確かその昔東北大学総長は事務次官と同額の年俸だったと思う。事務次官経験者の退職金が約1億円と何かの文献で見たことがあるので、井上氏の退職金もおそらくその程度だろう。東北大学総長の場合は事務次官より高齢で退職することを考えると、おそらく事務次官より高額な退職金になるだろうから、1億円を超えることも十分考えられる。つくづく、なんでこんな悪質な人物に税金から1億円以上も支払わなければならないのかと怒りを禁じえない。


ルートが生まれたわけ

2012-03-28 23:00:56 | 物理学・数学

中学生になると√2などの平方根を学ぶ。どうしてルートが生まれたのか、その歴史はよくわからないが、おそらく次のようなことであろう。ルートが生まれる前の時代はすべての数が分数で表せると考えられていた。つまり、数はすべて有理数だと考えられていた。しかし、ピタゴラスの定理の発見後直角三角形の斜辺が有理数で表せないことが判明した。

例えば直角二等辺三角形は斜辺以外の辺の長さを1とすると、斜辺の長さは二乗して2になる正の数となる。高等学校で学ぶようにこの数は有理数で表せないことが証明される([1])ので、仕方なくルートという概念を作り出し、この数を√2としたのだろう。無理数の概念が誕生した瞬間である。

ピタゴラスの定理はピタゴラスによって発見されたわけだから、正確な年代はわからないものの彼が生きていた紀元前500年頃に発見されたものだろう。従って、約2500年前に無理数の概念が誕生したといえる。自然数、整数、有理数、実数、複素数と数の範囲は時代が進むごとにより広くなっていくが、数の範囲は数学の発展とともにどんどん広くなっていくものだ。ずっと先の時代に現在知られていない全く新しい数の概念が生み出されることはきっとあるだろう。

参考
[1]√2が無理数であることの証明は、次のとおり。

[証明]

√2は有理数であると仮定し、

√2 = p/q (p,qは互いに素な自然数)

とする。

p2 = 2 q2  ・・・(1)

p2は偶数であるから、pも偶数となる。(∵対偶命題 "pが偶数でない⇒p2が偶数でない"が成立)
従ってp2は4の倍数であり、(1)からq2は偶数となる。よって、qは偶数。

以上より、p,qは2を公約数にもち、互いに素であることに反する。従って√2は無理数である。

[証明終了]


NHKと将棋連盟の交渉には難点があるのか?

2012-03-28 22:50:55 | 囲碁・将棋

25日のNHK杯女流棋士出場者決定戦を見たら鈴木真里が聞き手で将棋連盟所属の女流棋士は対局者以外出演しなかった。連盟所属の女流棋士を出演させる条件などで折り合いがつかないのか。NHKが連盟と交渉することに難点を抱えているという前の推察が当たっているのだろうか。すると、来期の司会は鈴木環那等連盟所属の女流棋士でなくタレント等を採用しているのかもしれない。


研究不正の第三者調査機関はできるか?

2012-03-27 22:39:38 | 社会

東北大学井上明久総長の研究不正を東北大学が握りつぶそうとしていることを受けて、ネイチャー誌や大村泉氏らは日本にもアメリカのThe Office of Research Integrity(ORI)のような機関の設置を訴えている。日本学術会議にそのような権限と予算を与えるべきだと主張しているようだ。

東北大学、琉球大学、獨協医大など数々の不公正な調査裁定の現状を鑑みて、本ブログも繰り返しこのような機関の設置の必要性を訴えてきた。仲間内で庇いあう現状の調査裁定制度では不当な結果が出る可能性が高く、本来罰されるべき悪い研究者がのうのうと給料を貰って仕事を続けたり、本来返還されるべき研究費が不返還になったりするというとんでもないことが起きる。

東北大学の井上総長事件を契機として、公平な調査裁定を行う第三者機関を設置しなければならない。


研究不正関係の記事について

2012-03-25 00:37:17 | Weblog

最近研究不正関係の記事がよく読まれている。特に京都府立医科大学の不正疑惑に関する記事はそこそこ人気で医療関係者の目にとまっているようだ。「Doctors Community」という医療従事者の人だけが利用できるサイトで京都府立医科大学関係の記事が紹介されたようで、どんな紹介かわからないものの閲覧者はよくきている。私は医療関係者ではないので同サイトは見れないが、いったいどんな紹介なのだろうか。

思えば本ブログは「上原亜希子」「井上明久」と入力してgoogle、yahooで検索すると上位表示されるから、不正関係の情報を探している人には目に付きやすいのだろう。「二重投稿」「京都府立医科大学 不正」で検索しても上位表示だ。本ブログで紹介すると認知されやすいかもしれない。

私のブログの一番人気は学術関係の記事だと思う。当初は時事問題を扱っていたが、残念ながら人気がなく、2009年頃から物理・数学などの学術関係の記事を扱うようになって人気が上昇した。以前も記事で書いたことがあるが、普通の会話では全くニーズがない学術関係の記事にこれほど人気が出るとは思っていなかったので、人気が出たことは意外だった。私のブログの学術関係の記事を読んで、そんなに役に立つのだろうか。

おそらく検索サイトは私のブログを学術のブログだと思っており、学術関係の記事では上位表示される仕組みになっているようだ。学術関係の記事は物理・数学を中心として自分が読者に興味を持ってもらえると思う内容を紹介してきた。具体的には「太陽の質量の求め方」「万有引力の導出」「恒星までの距離、質量の求め方」「塩酸や硫酸の作り方」「tan1°は有理数か.」「π>3.05を示せ。」「和算に挑戦の解答とヒント」「マジックミラーの原理と構造」「電子のスピンは自転に起因するものではないことについて」など学術的な解説や有名な大学入試問題の解説などを載せていた。研究不正に関する記事はそんなに扱っていないが、学術のブログと検索サイトに認識されている関係でその情報を探す人たちの間ではよく読まれているようだ。

ただ、海外のRetraction Watchのように論文の撤回、訂正、研究不正などを中心に伝えるサイトではなく、あくまで発覚した疑惑について見解を述べているに過ぎない。こういう内容を扱うようになったのは、研究不正が社会に与える害悪さを考えると絶対に改善しなければならないという必要性を強く感じることや現在の研究不正の調査制度が適切でなく、あまりに不公正な調査裁定が平気で行われることが珍しくないことが理由である。

現在の研究機関は不正を平気で握りつぶし、悪いことに使っても研究費は返さないなど、とんでもないことが平気でまかり通っている。こうしたことは絶対に改善しなければならない。もともと不正を犯した研究者が所属する機関が不正の調査裁定を行うなど構造的に不公正な調査裁定が行われる可能性が高いことが原因の一つであり、必ず改善した方がよい。

最近はRetraction Watchや東北大学井上明久総長の不正を追及するフォーラムなどネット上で研究不正を紹介するサイトが増えている。おそらく少なくない人が「不必要に疑惑をネットで晒して名誉毀損している悪いサイト」と白眼視しているだろう。確かにそういう見解はあるだろう。私もそう思っていた時期がある。ただ、東北大学の井上総長の事例などを見てネットで不正の問題を公表していくことは不正の改善のために必要なことだと思うようになった。

井上総長の研究不正に関する名誉毀損裁判でもネットで疑惑を公表することが名誉毀損だと井上氏側は主張しているが、ネットや書籍などで不正疑惑を公表することなしに不正を正すことができただろうか。大村泉氏らがネットなどを通じて世の中に不正の証拠をいくつも訴えることでネイチャー誌やマスメディア、多くの研究者らが不正を認識し改善を促す世論を形成するに至った。明らかに不正の証拠があるにも関わらず、研究機関が組織ぐるみで不正を隠蔽しようとするなら、ネットなどを通じて世間に問題を訴えていくこと以外に不正を改善する方法があるのだろうか。

もともと研究機関の調査裁定など身内を守るとか研究費を返したくないとか、研究機関の名誉を下げたくないとか色々な利害関係で不適切に調査裁定されることが珍しくない。学長や学部長、外部の偉い研究者などを形式的に委員にして調査委員会の結論に権威を持たせているが、実態的には利害関係のために不公正極まりない内容になることは結構あり、最近では獨協医大の調査や井上氏の二重投稿に関する東北大学有馬委員会の調査など形式的には委員を偉い人で構成して権威があるかのように装っても内容的にはどうしよもないものもある。研究機関が不適切に調査裁定するおそれのある現状の制度ではネット公開など表現の自由を保障した仕組みが不正改善のために必要だと思う。

私のブログでは今後も何か不正が報道されたら紹介することがあると思うが、関心があれば読んでほしい。


中川大輔が理事を辞めた理由

2012-03-24 23:00:51 | 囲碁・将棋

将棋連盟の中川大輔八段は昨年12月に一身上の都合で常務理事を辞めた。理由は公式には明らかにされていないが、おそらく米長邦雄会長との軋轢が原因だろう。一言でいえばこれ以上米長氏についていけないというのが理由だろう。中川は米長の弟子で本来は仲間同士のはずで、おそらく当初は米長のやり方に中川は忠実に従っていたのだろう。

しかし、米長はかなりワンマンで瀬川の四段編入、金銭面を優先して名人戦のスポンサーを毎日から朝日に変える、コンピューター将棋、里見の広告利用、LPSAへの嫌がらせなど、とにかく金銭優先で何でもやる姿勢に多くの敵を作ったのも確かだろう。最近セクハラやパワハラ疑惑が報じられたが、いかに米長が師匠といえどもうこれ以上協力してやっていけないと判断したに違いない。思えばNHKの将棋講座も女流棋士ではなくそれ以外のタレントなどを起用することが多くなっているし、米長氏のやり方には他の団体も嫌さを感じているのかもしれない。

将棋連盟のように狭い世界では一旦人間関係が悪くなると一生逃れられないのは辛い。


米長邦雄の運営方針について

2012-03-23 23:17:11 | 囲碁・将棋

NHKの将棋テキスト4月号を読んだら、来期のNHK将棋講座の聞き手は岩崎ひろみが担当するという。現在に引き続いてタレントが務めることになった。今までは女流棋士が聞き手を務めることが多かったが、ここへきて2期連続でタレントの起用、思えば今年度の前期聞き手も鈴木真里だったので女流棋士でない人が3期連続で務めることになる。

少し前に本ブログへのコメントで「米長邦雄会長との交渉が難しいので女流棋士の起用は難しい」という趣旨のことを書いた人がいたが、案外そういう裏事情があるのかもしれない。思えばNHK杯戦の司会も矢内は女流棋士だがタレントだし、矢内の前の中倉宏美もLPSA所属だ。米長との交渉を回避したいという意図はあるのかもしれない。全くの憶測であるが。

そういえば米長といえば週刊誌にセクハラやパワハラ疑惑、弟子の中川八段との軋轢が掲載され、真相はどうなのかまるでわからないものの、運営方針で一部から注目を集めているのは確かのようだ。

少し前にも書いたが宣伝のために特定の棋士だけを優遇するような形で昇段規定を変更する等の差別的な運営や女流棋士のアイドル化などの商業的な運営について記事を書いたが、これだけでなく名人戦主催に関しても金銭目的で主催を毎日から朝日に変えようとしてトラブルを引き起こすなど、とにかく金目当ての運営方針は目立つように思うし、その方面ではかなりうるさいのだろう。


LPSAの経営の苦しさ、将棋連盟との軋轢、経営破たんについて

2012-03-22 23:35:13 | 囲碁・将棋

日本女子プロ将棋協会(LPSA)に関するニュースをしばらく全く見ないので存在を忘れていた。そういえばこの団体はどうなっているのだろうか。LPSAは2007年に将棋連盟に所属していた一部の女流棋士が独立し、設立した団体。当初は「女流棋士は独立する」という趣旨の記者会見が女流棋士によって行われたので、てっきり女流棋士全部が独立するのかと思ったが、過半数は連盟への残留を希望し、少数による独立となった。特に清水市代や里見香奈といった看板強豪女流棋士が連盟への残留を表明したことはLPSAにとって痛かっただろう。

おそらく経済的な面でうまくやっていけないと思った女流棋士が多かったので連盟に残留したのだろう。確か独立に際して連盟が主催する棋戦に参加できなくする案がLPSAの執行部に通知されたらしい。先立つものやスポンサーがなく理想だけ掲げて独立してもうまくいかないのは誰でもわかるので、そう考えた女流棋士の大部分は残留を希望したのだろう。

もともと将棋の世界は実力トップの棋士を広告塔にして商売をしているところである。男性棋士なら羽生や渡辺、女流棋士なら連盟側は里見や清水といった人たちだ。女流棋士の場合はさらにルックスを売り物にする人気女流棋士も広告塔になっている。連盟の人でいえば鈴木環那や中村桃子といった人である。

LPSAもこの点に関しては例外ではなく強豪棋士やルックスのいい棋士を広告塔にしている。しかし、残念なことにLPSAには看板としてはいまいちな人しかおらず苦しい印象がある。LPSA所属の強豪棋士というと、中井広恵や石橋幸緒しか思い浮かばない。しかもかつては強豪だったかもしれないが、今や実力は完全に落ち目で女流棋士の中では実力的に二流である。ルックスのいい人というと、よくわからないもののホームページを見るところ中倉姉妹を売り出しているような印象がある。私は彼女らを美人というのはかなり違和感があるものの、姉妹女流棋士ということで目立つ要素があるため広告に使っているのかもしれない。正直30過ぎの彼女らをルックスの関係で見ている人など今や極めてマイナーであろう。もともと20代のときだってそんなタイプの女性ではない。

このようにLPSAは広告塔になる女流棋士が皆無であるため経営的に苦しい。独立とは名ばかりで現在でも連盟主催の女流棋戦に参加しており中途半端な立場でしか活動せざるを得ないのが実態である。もともと清水や里見といった金儲けの主力になる女流棋士が離れないように「独立するんだったらウチの女流棋戦には参加させないからな!」と連盟が女流棋士を脅した([1])ために、多くの女流棋士が残留を選択したという事情があったのだろうから、彼女らの残留が決定した時点で目的達成ということでLPSA所属棋士の連盟主催棋戦への参加を認めたのだろう。

例えば実力やルックスの関係で現在も広告塔の一人であろう矢内理絵子は当時独立準備委員でLPSAの公式ファンクラブMinerva勧誘を行っていたが、裏切って連盟に残留した。連盟としては脅しが効いた形になった。ちなみに、現在矢内はタレント事務所に所属し、連盟の広告塔として活躍している。2012年度は4年連続NHK杯戦司会を務めるという異例の事態が起きた[3]。日本将棋連盟でも棋士会副会長となった。連盟のブロマイド販売でも矢内のものが宣伝された。矢内は裏切って連盟に所属したことで、それなりにうまみのある地位を得たようだ。連盟は単に脅すだけでなく、残留すればタイトル戦の聞き手役を任せるなど、それなりにアメも用意して残留工作した。

「主力となる客寄せパンダの女流棋士は自分達が抑えているし、イニシアチィブは確保している。LPSAが商売敵になるといっても、連盟主催棋戦への参加という経済面を人質にとっておけばいざというときには脅しでどうにでもなるし、たかだか女十数人でやる団体の運営などたかがしれている。」と連盟になめられている部分がある。独立のときも「誠意をもって対応する」「独立したい人には独立を勧める」と公式見解を出したり、LPSAが発足したときには連盟から祝辞を述べる使者を出したりなど表面上はうまくやっていく姿勢を見せている。しかし、実態には軋轢があり例えば第4回日レス杯に関する紛争でも連盟とLPSAの仲の悪さが伝わってくる[2]。この事件は連盟所属の3人の女流棋士(鈴木環那、中村桃子、渡辺弥生)がLPSA主催の独自棋戦・日レスインビテーションカップ(日レス杯)に参加することをめぐって起きたもので、連盟の主張によればLPSA側が彼女ら3人が参加すると勝手に決めてネット上に名前を載せたとしている。

『弊社団に属する女流棋士3名は、本人達に全く事前了解も無くインターネット上に名前をさらされました。一人は泣き、一人は理事会に一任し、一人は口頭にて断りました。罪も無い か弱い女性へのこのような仕打ちは今後は止めて下さいますようお願い申し上げます。[2]』

要するに中村や鈴木といった人は上でもいったようにルックスがよいと(一部で)思われており、その面で連盟の広告塔になっているため、LPSAとしてもそれをぜひ利用したかったのだろう。ただそれでは商売敵を有利にしてしまうので連盟との交渉は難航し決裂したということ。連盟によれば泣いた女流棋士までいたらしいが、事実はさておき、こんなことで名前がネットに出たからといって泣くほどのことだろうか。連盟がこの件でかなり怒っているのは文面を見てわかるが、「女を泣かせた。罪もない、か弱い女性へのこんな仕打ちは止めろ!」という文章は「弱い生き物の女を酷くいじめたお前達はとても卑劣な悪いやつらなんだ!」と酷く相手の人格を非難する文章で、連盟が正式に出す文章としては大げさというか品格がない文章に思える。事情を知っているなら、「米長会長、何の罪もないか弱い女性をいじめているのはあなたじゃないですか!」と誰かさんならいいそうだ。こういう問題は彼ら同士で解決すべきことでいちいちこんなことをネットで公開してまで争うこともないと思う。

いずれにせよ経営面でもLPSAは非常に厳しいことは間違いない。今まで一人も四段になった棋士がいないことや男性棋士との対戦成績を見てもわかるように、もともと女流棋士は実力的にはアマチュアのレベルで大したことないというのが通説的な見解であり、プロとしての実力的には商売として人を惹き付けられるほど彼女らの将棋に魅力がないのは予想していたし、LPSA側もプライドとして認めないだろうが、実力的には将棋連盟の羽生や渡辺のように高度な将棋で人を惹きつけられないことはうすうすわかっていただろう。つまり、腕前の点で商売が苦しいことはわかっていたはずだ。どういう計画で経営を軌道に乗せるつもりだったのかよくわからないが、このままいくと経営破たんするだろう。

中原誠との不倫や失踪、自己破産など数々のトラブルで将棋界を永久追放された林葉直子を日レス杯で参加させるなど、大変なお騒がせ女を参加させないと話題がとれないくらい注目されていないLPSAの棋戦は今のままならどうしよもないであろう。

正直いって、女性が自分の理想などを掲げて将棋を続けていくことには多いに賛成するし、ぜひ実現してほしいと思う。だからLPSAには経営的にもきちんと成功してほしいと思っている。現在の経営状態は非常に厳しいであろうが、なんとかがんばってほしい。将棋の世界は基本的に上でも述べたように強い棋士の誕生が注目の的となる。LPSAには女性の棋力向上によって男性に勝る強い棋士を何人も誕生させて将棋ファンを魅了してほしいと思う。

参考
[1]LPSA側には弱みをつかれた部分はあるだろうが、独立するとは連盟には依存しないということであるから、連盟主催の棋戦に参加させないと言われても仕方ない。
[2]第4回日レス杯に関する見解 日本将棋連盟 2010.5.17
[3]世界変動展望 著者:"NHK杯戦司会は矢内理絵子が異例の続投!将棋連盟とNHKとの交渉に難点があったのか?" 世界変動展望 2012.4.8


渡辺明ブログのトラックバック停止について

2012-03-21 23:39:07 | 囲碁・将棋

今月18日頃から渡辺明ブログのトラックバックの受付が停止になった。渡辺によると「トラックバックですが、留守中に溜まることが多くなったのと選定が大変になったので(将棋に関係があるか見に行っていた)受付を停止させてもらいます。ご了承下さい。[1]」

選定が難しくなったこと等が理由のようだ。ただ、渡辺が竜王で将棋界を代表する棋士の一人のため書けない本音の理由もおそらくあるだろう。有名人だけあって渡辺のブログはすごい人気で私を含めてトラックバックを送ったことのある人ならわかるだろうが、掲載されるとかなりの人がリンクをたどってやってくる。私のブログもアクセス数の面で彼のブログにずいぶん助けられたと思う。その意味では感謝している。

おそらくアクセス数向上を目指して将棋に関係あろうとなかろうと彼のブログにトラックバックを送る人は多かったのだろう。選定は確かに大変そうだ。「将棋に関係ないトラックバックはご遠慮ください。」という注意書きがあったので、私のブログは将棋に関係あることでしかトラックバックを送ったことはなかった。もう2年以上はトラックバックを送っていたと思う。ほとんどすべて掲載されていたので特に問題ないのかと思っていた。

しかし、最近「NHK杯戦決勝の結果が事前に漏れている」「最年少九段誕生などの将棋連盟の運営について」など将棋の世界の話ではあっても連盟にはあまり好ましくない内容を発表してしまったことがトラックバック停止に繋がったのではないかと少し心配している。これらの記事は確かに連盟にはあまり言われたくないことかもしれない。しかし、守秘義務のはずのNHK杯戦の対局結果を連盟のHP上の記録から推測できるように情報を公開したり、金儲けのために特定の棋士だけを優遇するようにわざと昇段規定を変更する等の不平等な運営方針はあまり感心しないという見解は変わりなく、記事として公開したことも問題と思っていない。

ただ、将棋界の代表である渡辺が自分のブログでそういった内容のトラックバックを許可し続けることは難しいのかもしれない。そのあたりに関してはトラックバックの送信に配慮が欠けていたかもしれない。もし私の記事のトラックバックで受付停止に繋がったのなら、申し訳なかったと思う。真相はわからないが。

思えば渡辺はトラックバックが将棋と関係あるかチェックしてから載せていたらしいので、私の記事が問題なら私のものだけ拒否していただろうし、私の考えすぎだろう。ただ、連盟や特定の棋士に批判的な記事のトラックバックを送るようになったとたんに停止になったので、ひょっとしたら影響があったのかもと心配になっただけである。私のような一般人に渡辺が左右されるはずあるまい。

参考
[1]渡辺明:"北九州将棋フェスティバル。" 渡辺明ブログ 2012.3.19


NHK杯決勝戦の結果が事前に漏洩していることについて

2012-03-20 23:29:35 | 囲碁・将棋

第61回将棋NHK杯戦の決勝は羽生が勝ち史上初の4連覇、名誉NHK杯の称号を獲得した。名誉NHK杯とは通算10回優勝した者に与えられる称号でタイトル戦の永世称号に相当する。タイトル戦の方が格上だから名誉NHK杯より永世棋聖などの方が評価が高いのだろうが、60年以上のNHK杯戦で誰も獲得したことのなかった称号だから難易度の点ではタイトル戦の永世称号に匹敵するかそれ以上だろう。

タイトル戦の場合は保持者は決勝だけ戦うのだからNHK杯戦に比べれば優勝しやすいといえるかもしれない。その点が名誉NHK杯の誕生が60年以上もなかった原因の一つだろう。無論、10回優勝という条件がかなりきついことも原因である。羽生はこれで永世称号が7つになった。永世七冠といっていいのだろうか。あと竜王を1期獲得したら永世八冠で、現在永世制度がある棋戦ですべての永世称号を獲得することになる。いわゆる永世全冠である。すごいことだ。

ところで、このNHK杯戦決勝の結果は2月末にネットで洩れてしまっていた。本ブログにも情報提供があったが、どうも将棋連盟の記録のページにNHK杯戦決勝の結果が2月末に反映されてしまって、決勝の対局者である羽生が1勝、渡辺が1敗増えていたため、決勝が羽生-渡辺戦で羽生が勝ったと推測できたらしい。

NHK杯戦はテレビ対局だから放送日前に収録するため実際の対局は放送日前である。そのため結果は関係者にはわかっている。しかし、結果を放送開始前に伝えたらテレビを見る視聴者の楽しみが害されてしまうため秘密にされている。正式な対局日も放送日だったと思う。だから、関係者は結果を世間に知られないように厳重に秘密を守る義務があるのだろうが、ばれてしまっている。

これは端的にいって将棋連盟の責任。米長邦雄をはじめとして将棋連盟は否定するかもしれないが、少なくとも彼らは自分たちのことだから真相をわかっているだろう。結果は放送終了まで漏洩しないようにするという義務を彼らの不手際で守れていなかったのだからNHKから苦情を言われても仕方ないし、むしろ言われなければならないだろう。もともとテレビ棋戦の正式対局日は放送日なのだろうから、放送終了後に対局結果を記録ページ等に反映させればいいだけだし、そうすべきであろう。それをやっていなかったのだし文句をいわれても仕方ない。

それにしてもネットの住民にはいろんな人がいる。連盟の記録ページなどをかなり注意深く調べないと事前に対局結果を知れないと思う。かなり細かいところまで見て情報を暴こうとする人たちもいるのだから、やはりネットでは小さな情報すら出すと危険ということだろう。


名古屋市立大学、教授らの論文データ改ざん等を断定

2012-03-19 00:35:17 | 社会

『名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授(58)と原田直明准教授(44)らの学術論文にデータの改ざんがあると学外から指摘された問題で、名市大が設けた調査委員会は、発表された論文にデータの流用や捏造(ねつぞう)があったと断定した。大学は近く結果を公表し、2人を懲戒処分にする。

 関係者によると、2人は共同研究者。岡嶋教授は委員会の調査に「指摘は不適切」と反論。原田准教授は「仮作成した画像を誤って使った」などと訴えている。[1]』

こんなの当たり前。岡嶋氏や原田氏がいっているのは嘘である。これだから被疑者の弁明など信用できないし、客観的な証拠もなく信用すると不当な結果を招く。

この件は約1年前に告発された事件で今頃ようやく調査結果の公表となった。一時は調査結果を公表しないのではないかとも思ったがきちんと調査結果が出てよかった。過去の記事で紹介したことがあるが、「学会発表の練習用に画像を貼り付けてデータを作成し、正しいものとの交換を忘れて論文を発表してしまった」と創作的な嘘の弁明をして論文の訂正を行った事件。誰も本当だと思っていなかったし、その通りの調査結果となった。

京都府立医大の記事でも述べたが、意味もなく画像を回転させる等恣意的な変更をして何度もデータを載せたら誰だって同一データであることを隠すために偽装していると判断する。よほどのバカでない限り誰も騙されやしない。騙されるのはよほどのバカか独協医大のように不正を握りつぶそうと考える腐った研究機関だけだ。「学会発表の練習用の資料を訂正し忘れた。」等の創作的な弁明ならいくらでもできる。

ジャーナルの編集局の場合、本当にこんな創作的な弁明ですら受け入れて訂正で済ましていたが、京都府立医科大学教授の不正を告発した米国心臓協会と比べるとこのジャーナルは全く倫理意識等がないということだろう。捏造、改ざんのデータを掲載させられてよく平気でいられるものだ。ジャーナルとしてのプライドはないのだろう。

基本的にジャーナルの編集局は不正の認定なんてやらないから、せいぜい論文を撤回することで済ますことが多い。東北大学総長の井上明久氏が米国物理学協会のアプライドフィジックスレターズ(APL)誌で発表した論文が会議プロシーディングスと本質的な内容が重複していたため二重投稿として取り下げられた事件も、単に二重投稿だけでなく同じデータなのに実験条件等をキャプションで変更して伝えるなど偽装工作まがいの発表がなされ、改ざんの疑いが持たれている。その点をAPL誌編集局がどう認定したのかわからないが、少なくとも公的には改ざんを認定しておらず、編集局長は"transgression(掟破り)"と声明を出すにとどまった。これが改ざん等を含めて井上氏の不正行為を非難したのか、それとも単に二重投稿だけを研究倫理違反として非難したのかはわからないが、態様から考えておそらく編集局側も改ざんだと思っているだろう。

告発者の大村泉教授らがいうように、実験条件を変更、論文のタイトルを変更、著者名を少し変更、画像の回転などの加工、オリジナル論文の出展欠落など、いくつも二重投稿を隠すための偽装工作まがいの細工が加えられている様を見たら、誰でも「著者は二重投稿を隠したいのだろう」と判断する。APL誌がそういう常識的な判断ができなかったとは思えない。

ただ、APL誌のようなインパクトファクターの高い一流誌ですら改ざん等の認定はやらない。自分達の発行する雑誌に捏造、改ざんのような学術に対する信頼を致命的に傷つけるデータが掲載されたのだから、学会の責任としてきちんと追及しなければならないと思うが、なぜかやらない。

思えば、岡嶋氏や原田氏の捏造、改ざん疑惑は海外のブログなどでも紹介され、訂正等の理由からあくまで過失で処理しようとしている様が伺えたので、不正を否定し争っているのだろうと思っていたが予想通りだった。現在でも不正を否定しているようだが、大学の裁定は至当だと思う。懲戒処分がなされるとのことなので、処分はおそらく懲戒解雇か諭旨解雇だろう。全然反省していないこと、不正の態様が大規模であることなどを考慮すると懲戒解雇が当然であろう。

調査結果が出た今でも不正を否定しているところをみると、おそらく東北大学の上原亜希子元助教と同じように2人とも裁判で争うのだろう。勝てっこないのに戦い続ける異常な上原亜希子と同じように、これだけ決定的な証拠をいくつも突きつけられながらも裁判で争い続ける理解不能かつ無意味な行為が何年も続くのだろうか。

上原亜希子といい、どうしてそんなに諦めが悪く、反省がないのだろう。

参考
[1]中日新聞 2012.3.17