和久井信(Shin Wakui)麻布大学准教授が捏造、改ざん、自己盗用、不適切なオーサーシップを行った。19報で捏造、改ざん。大量に捏造、改ざんを行った。
調査結果によると「和久井氏本人は不正行為を行ったことを全く認めておらず、またそれに対して一度も反省の弁はなく、研究データの適正・公正な使用方法、ならびに論文執筆に関する研究倫理の認識の欠如が、不正行為の主たる発生要因」「対外的な業績(論文数、科研費取得状況)を維持することに執着していた傾向があり、研究の科学的目的から社会的評価へと研究の動機づけが変化したことが今回の背景」
「研究倫理の誤認識、倫理規定の改定などの認識の欠如も含め、不注意以外のものは故意性があるものとして調査委員会で不正として認定した」という。これはよい。研究不正の故意性とは客観的・外形的な研究不正に対する認識をいい、詐害意思などを含まない。よく悪いと知らなかったなどと弁明して不正責任を逃れようとするが、それは不適切である。こんな主張を認めたら、悪いと知らなかったと主張したら、ほぼ不正が認定されなくなってあまりに不条理だ。
岡川梓、伴金美は何度も異なる条件で分析した結果に一部だけ差し替えて分析結果を公表した。これは分析条件の違いを認識しながら公表したことから故意の捏造、改ざんである。これは小保方晴子のSTAP論文における電気泳動画像の一部切り貼りと同様の改ざんで、小保方晴子は悪意のない誤りなので不正ではないと主張したが、不服申し立ての調査委員会は研究不正の故意性について上記の基準を示して、小保方晴子の主張を退けた。
日本では国立環境研究所や阪大経済系などのように意図的に研究不正の基準を無視する悪質な団体の他に研究不正の規程をきちんと守れていない団体がいくつも存在する。麻布大学は研究不正の故意性については適切に扱ったかもしれない。
研究公正の専門家が必要だ。