上嶋浩順(Hironobu Ueshima、遅れなしなら1979年頃生、経歴1、経歴2、麻酔科学)昭和大学病院講師(2018年頃)、大嶽浩司(Hiroshi Otake、1972年頃生、経歴、麻酔科学)昭和大学病院教授(2018年頃)らの捏造、改ざん、不適切なオーサーシップが認定された。上嶋浩順は懲戒解雇、大嶽浩司は降格。
また原詠子(Eiko Hara、経歴、遅れなしなら1985年頃生まれ)、善山栄俊(Sakatoshi Yoshiyama、経歴、遅れなしなら1983年頃生まれ)の不適切なオーサシップが認定された。原詠子は譴責、学位取消し。膳山栄俊は学位取消し、退職していたため処分はなく不正行為が現所属機関に通知された。
岡川梓(国立環境研)、伴金美(大阪大)などの捏造や大量訂正による隠蔽など悪質な事件は数多くあったが、これほど膨大な分量の捏造等は極めて悪質。
昭和大公式公表、トップ(写し1、写し2)、調査結果概要(写し)、
「公正な研究諸活動の促進を目指して」トップメッセージ、昭和大学におけるオーサーシップ・ポリシー、
日本麻酔科学会公式公表、トップ(写し)、調査報告書(写し)、調査報告書(英語、写し)
本ブログ関連記事、
(私の情報提供後の報道)
読売、朝日、毎日、日経(共同からの配信)、共同、リトラクションウォッチ(私への謝辞あり、Daily、ツイッター)、日テレnews24(後追い)、東京新聞(共同からの配信)、NHK(後追い)、TBS NEWS(後追い)、テレ朝 NEWS(後追い)、文部科学大臣の会見、
(解説文献)
Yahoo Japanニュース(本ブログの記事が紹介、写し)
昭和大調査結果によると認定された不正行為は
原著論文
捏造 9 改ざん 1 不適切なオーサーシップ 12
症例報告
捏造 5 改ざん 2 不適切なオーサーシップ 9
関連領域と話題
捏造 1 不適切なオーサーシップ 1
Letter to the editor
捏造 93 改ざん 2 不適切なオーサーシップ 105
出版前
捏造 4 不適切なオーサーシップ 4
合計 捏造 112報、改ざん 5報、不適切なオーサーシップ 131報
ここまで大規模なのは170報以上の論文を捏造した世界記録捏造の藤井善隆、斎藤祐司、佐藤能啓(本ブログが通報、サイエンスは科学史上最大の不正と報道)、岩本潤、ヨアヒム・ボルドなど。
1 藤井善隆 183
2 ヨアヒム・ボルド 155
3 佐藤能啓 103
4 岩本潤 79
7 斎藤祐司 53
トップ10のうち4人が日本人医師で、藤井、ヨアヒム・ボルド、斎藤は麻酔科医。麻酔科医の不正が多いのは前から指摘されていた。今回の事件も大量不正なので、また不名誉な記録に日本人麻酔科医が名を連ねるのだろう。
本件の発生原因は調査結果によると上嶋浩順の研究倫理意識の欠如などが原因とされた。上記の他の事件も全て倫理意識の欠如が原因だ。上嶋浩順の高圧的な指導や大嶽浩司の確認懈怠、論文の作成・発表に関する責任意識の欠如なども認定された。麻酔科学会の調査報告書によると「昭和大学の成果主義に対する圧迫感が上嶋氏を不正へと導」いたと認定。
「業績に基づく組織運営体制
多くの大学と同様に、昭和大学においても、診療科や個人の評価には、臨床業務実績や研究業績が用いられている。上嶋浩順氏は、自身の昇進だけでなく、医局員の任期更新や医局員のリクルートのため、共著者としての論文提供が必要であった。そのため、研究への関与なく、筆頭著者、共著者となる習慣が医局内に認められた。麻酔科内の組織運営の責任者である大嶽浩司氏は、このような体制を知りつつ、その体制改善の努力を怠っていたことは、今回の研究不正が継続的に行われてしまった背景要因として大きいと考える。」(同調査報告書)
「他の共著者に関しては、研究倫理に関する教育を十分受けていなかった事実はあるにせよ、上司である上嶋浩順氏や大嶽浩司氏に意見を言える立場や職場環境ではなかった。したがって、たとえ、これら共著者が不適切なオーサーシップに気付いたとしても、それを組織内で自己矯正できた可能性は低く、研究不正防止に対する組織構造上の欠陥が存在したと考える。ただし、出版された論文を、その後の自身の昭和大学の任期更新時や本学会の専門医更新申請時に記載していたものも認められた。このことは社会通念上不適切な行為であり、それぞれ昭和大学、本学会で調査を継続し、再発防止策を含めた対応を検討すべきであると考える。」(同調査報告書)
不正の背景として業績主義の悪さが言及された。岡川梓(国立環境研)、伴金美(大阪大)などの捏造や大量訂正による隠蔽など悪質な事件は成果を出さないと学位やポストが取れないため捏造し、ばれそうになると大量訂正で隠蔽。業績主義の弊害は他にも数多くある。
また上に逆らえない構造的問題も不正も東大分生研事件など他の事件でもあった。
結局、昭和大麻酔科事件も今までの研究不正事件と大して違わない事が原因で同じ不正が繰り返されているのが実態だ。問題を指摘しても改善されず、このような大量不正事件が続発するのは、日本の研究公正が全然改善していない事も証なのかもしれない。
岡川梓(国立環境研)、伴金美(大阪大)などの捏造や大量訂正による隠蔽など悪質な事件に代表されるように研究機関に任せていと腐っていて改善しないのが実態である。
第三者調査機関や拘束力のある規則を作る、業績主義などの見直しなど必ず改善してほしい。
--
(2021年6月18日追記)