世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

光と街並みの美しさ

2012-12-27 00:30:00 | 絵画

図1 笹倉鉄平の絵画1

笹倉鉄平は以前も紹介した人気画家で、この間百貨店で絵を見たが、本画ではなかったがとてもよかった。こういう絵をみるのはよいですね。笹倉といえば夜の港町の絵が人気があります。

図2 笹倉鉄平の絵画2

光の描き方がとてもよいと思いますね。私は幻想的な感じを受け、そこが気に入ってます。

みなさんはどう思いますか?


国立環境研究所30代女性研究者らの捏造疑惑について

2012-12-26 23:31:01 | 社会

岡川梓と立石幸代の件についての公表。

岡川梓(Azusa Okagawa)国立環境研究所研究員らの研究発表に捏造、改ざん、業績水増し、その隠蔽などの疑義が指摘されていますPDF写し

岡川梓らは疑義の質問に対しReraction Watch上での反論を放棄。質問への反論も放棄。(写し)

岡川梓らは学会から誤りを指摘されても論文の訂正すらせず放置。

岡川梓らの不正なメガコレクション写し1写し2)、研究機関の不当な扱い、メガコレクション公告、白楽ロックビル お茶の水女子大学名誉教授の公式サイトに掲載された文献1不正行為者リスト写し、リンク先表の上の検索で「岡川梓」と入力すると表示)

訂正公告でさえ定性的結論が破綻。岡川梓が「約5年間に発表したほぼ全ての研究発表である博士論文・論文等10報以上に結論・主旨・大部分の分析結果の破綻が生じ、撤回相当」リンク先より写し1写し2トップジャーナルに掲載された別の研究論文などで定性的結論が否定されている。

捏造の隠蔽のために極めて基本的情報である削減率を意図的に虚偽記載し、政策の定量評価が主旨なのに全分析結果、主旨、結論の一部を訂正。

詳しくはリンク先写し1写し2

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以下の件は立石幸代の件で2014年3月31日に調査結果が公表されました。下の最初の論文(MCB 2006 Nov;26(21):7966-76)の改ざんが認定されました。柳澤純柳沢純)筑波大教授と村山明子同大元講師(写し1写し2村山明子柳澤明子柳沢明子柳沢ファミリークリニック医院長写し))の責任が認定され、両氏は退職。下の論文の不正実行者は共著者の学生のうちの誰か。立石幸代写し1写し2)、Raku Sonooの関与は不明。セル論文の不正実行者は村山明子と認定。立石幸代とRaku Sonooは調査委員会のメールでの聴取に回答しませんでした。不正実行者という指摘への反論を放棄したと言われても仕方ないです。しかし立石幸代らは不正論文の責任を負う者(筆頭著者)と公式に認定されました。今後、筑波大学や国立環境研究所が柳澤純、村山明子、立石幸代らをどのように処分するのか注目されます。立石幸代の博士論文はどうなるのでしょうか。

筑波大学の公表トップ写し)、報告書(概要)写し1写し2)、報告書写し1写し2)、毎日新聞日本経済新聞ニッカンスポーツ(オリジナルは共同)NHKニュースその他)、テレ朝newsTBS News

なお、柳澤純柳沢純)と村山明子写し1写し2村山明子柳澤明子柳沢明子柳沢ファミリークリニック医院長写し))は夫婦。

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2014年7月22日に懲戒処分相当が公表されました(写し写し2)。村山明子氏が諭旨解雇相当、柳澤純氏が停職6月相当。国立環境研究所は立石幸代氏に対する懲戒処分相当を公表しませんし、懲戒処分を検討している様子さえありません。公式に不正実行者と認定されているのは村山明子だけで、下の論文の不正は共著者の学生のうち誰かが行ったものとされています。村山明子はセル論文の不正実行者です。共著者の村山明子が諭旨解雇相当、責任著者だった柳澤純氏は停職6月相当。特に村山明子は不正に関与していないが意図的加工のあったEMBO論文の筆頭著者としての責任を重く判断され懲戒処分の要因になりました。にも関わらず不正論文の筆頭著者だった立石幸代氏がなぜお咎めなしで済むのでしょうか?筑波大学の調査結果においても立石幸代は不正論文の責任を負う者(筆頭著者)と公式認定されています。立石幸代氏は研究者番号を持っておらずすでに国立環境研究所を雇い止め(事実上の解雇)になったと推測されますが、村山明子氏と柳澤純氏は辞職後に懲戒処分相当を受けました。彼らが処分を受けたのに国立環境研究所が立石幸代氏を何の処分もしないのは道理が通らないのではないでしょうか。

また筑波大学は立石幸代氏の博士論文と博士号をどうするつもりでしょうか?このまま何もしないまま幕引きとなるのでしょうか。もっというと村山明子氏と柳澤純氏は東大分生研事件の被疑者でもあり、同事件はまだ最終結果と処分が出ていません。両氏は不正実行者という疑いもあります。現段階で村山氏、柳澤氏をこの程度の懲戒処分相当で済ませた筑波大学はさらなる不正が判明した時に両氏をきちんと懲戒解雇相当にするのでしょうか?東大分生研事件は告発から2年半以上経過しており、とっくに懲戒処分が出ていなければならない時期です。「東大の調査が遅かったから両氏に対する懲戒解雇は行わない」などという弁明は処分の不当逃れであり許されないと思います。

読売新聞

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最近筑波大学生命環境科学研究科の柳澤純のグループが発表したMCB論文に訂正が公表された。

『original article: Tateishi et al:Mol Cell Biol. 2006 Nov;26(21):7966-76. Epub 2006 Aug 28.

Turning Off Estrogen Receptor β-Mediated Transcription Requires Estrogen-Dependent Receptor Proteolysis

    Yukiyo Tateishi (筆頭著者),
    Raku Sonoo (筆頭著者),
    Yu-ichi Sekiya,
    Nanae Sunahara,
    Miwako Kawano,
    Mitsutoshi Wayama,
    Ryuichi Hirota,
    Yoh-ichi Kawabe,
    Akiko Murayama,
    Shigeaki Kato,
    Keiji Kimura and
    Junn Yanagisawa (責任著者)

+ Author Affiliations

    Graduate School of Life and Environmental Sciences, University of Tsukuba, Tsukuba Science City, Ibaraki, Japan; Ankhs Incorporated, Tsukuba Industrial Liaison and Cooperative Research Center, University of Tsukuba, Tsukuba Science City, Ibaraki, Japan; Institute of Molecular and Cellular Biosciences, University of Tokyo, Bunkyo-ku, Tokyo, Japan

AUTHOR'S CORRECTION

Volume 26, no. 21, p. 7966–7976, 2006. Some GAPDH (glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase) panels of Western blots were duplicated inFig. 1E, 5A, 6A, and 6B. In Fig. 2A, panels for estrogen receptor β(K4A) [ERβ(K4A)] and GAPDH were duplicates of those for ERβ and GAPDH. Since we could not identify the original GAPDH panels which were set with ER panels, we have repeated the experiments and now provide corrected panels. None of these corrections change any of the results or conclusions of the paper. We apologize for any confusion these errors might have caused.

Page 7968, Fig. 1E: The ERα and associated GAPDH panels should appear as shown below.

[3]』

論文の筆頭著者は立石幸代(国立環境研究所環境健康研究センター写し、[1])とRaku Sonoo。Raku Sonooに関してはネットで調べても所属等の情報が見つけられなかったので現所属は不明。立石は現在はどうだかわからないが、2011年11月頃は国立環境研究所に所属していたようだ[1]。2012年3月21日受付、6月8日受理の論文でも同所属になっている[1]。現在所属している可能性もある。少なくともネットで確認できる直近の立石の所属は環境研だし、[4][6][7]で不正が指摘されたときの立石の所属は環境研なので本稿では立石は環境研の所属と扱う。

立石は2005年3月に筑波大で博士(学術)を取得し、ポスドクになったようだ[1][2]。年齢は30代。実験の主たる実行者で最大の責任があるのは筆頭著者だから、この件で不正があれば立石らの責任は免れないだろう。

著者は他にも村山明子(筑波大講師)、柳澤純(筑波大教授)、加藤茂明(東大元教授)がいる。柳澤純が責任著者。彼らの名前を聞いてピンとくる人もいるだろう。村山は加藤茂明事件の共犯者と疑われている人物だ[4]。加藤茂明に関してはいうまでもない。

さて、この件は表向きは画像がいくつか重複してしまったので訂正したということになっている。それが故意か過失かは言及されていない。捏造等の不正があれば通常訂正ではなく撤回になる([5])から、訂正で済んだところをみると過失だったと思う人は多いかもしれない。確かにこれだけをみれば過失と思うだろう。

しかし、この論文に関しては捏造疑惑が指摘されている[6]。[6]-その1をみると、6,7件データ流用があったと指摘されている。捏造の真偽はどうだろうか?その判断のために重要なことが、訂正公告中に述べられている。

「Since we could not identify the original GAPDH panels which were set with ER panels, we have repeated the experiments and now provide corrected panels.」(参考訳- ERパネルで使用したオリジナルのGAPDHパネルを確認できなかったので、実験をやり直して修正したパネルを提供した。)

要するに生データが不存在ということ。これは重大な欠点。捏造が事実でなくても、懲戒処分を受けても仕方ない。文科省のガイドライン等では生データの不存在で不正の疑いを覆せない場合は不正と認定されるというルールなので、捏造を認定されても仕方ない。生データがないのはおそらく捏造したのでデータがないということだろう。

この件については、どういう経緯で訂正が公告されたのか不明。加藤茂明事件に関する東大の調査で訂正が出たのかもしれない。又は上でもいったように加藤茂明事件の共犯者と目される人物が共著者になっているので、加藤事件の調査が筑波大でも行われていて、その過程で訂正が出たという推測があり得る。ただ、この論文は告発者のページを見る限り加藤事件の告発論文に含まれていないので、東大や筑波大の調査で訂正が行われなかった可能性も否定できない。

[7]のサイトの運営者は2012年2月に柳澤純らの不正を筑波大に通報して予備調査が開始されたと言及しているので、この件で筑波大で調査が進んだという可能性も考えられる。

もともと文科省のガイドラインでは著者の所属機関と旧所属機関の合同で調査されるということになっているから、立石の現所属機関である環境研で調査が行われ、訂正が出たということかもしれない。

加藤茂明事件と関係があるのか、どういう経緯で訂正が出たのかなど詳しいことは不明だが、不正の調査の過程で訂正が出たのだろう。

訂正が出たところをみると、ひょっとして著者やその所属機関はこれで済んだつもりなのかもしれない。仮にそうならば、不適切だ。訂正で済ませたところをみると著者は不正を否定するつもりだろうが、この件は6,7件もデータを使いまわしたのだから、故意を認定するのが自然だし、生データが存在しないのだから規定どおり捏造を認定しなければならない。少なくとも生データが存在しなことに対して著者の責任を問わないことは不適切だ。少なくとも主たる実験の実行者で最大の責任者である立石、Sonooや責任著者の柳澤純は本件について責任をとらなければならない。

国立環境研究所や筑波大学から本件について懲戒処分が出たという公表はないから、懲戒処分はまだ出ていないのだろうが、懲戒処分が出ないという著しく不適切な対応がないとよい。

立石らに対してはさらに別の論文で捏造が指摘されている[6]。[6]-その2をみると以下の論文に捏造が指摘されている。

EMBO J. 2004 Dec 8;23(24):4813-23. Epub 2004 Nov 11.
Ligand-dependent switching of ubiquitin-proteasome pathways for estrogen receptor.
Tateishi Y (筆頭著者), Kawabe Y (筆頭著者), Chiba T, Murata S, Ichikawa K, Murayama A, Tanaka K, Baba T, Kato S, Yanagisawa J (責任著者).

立石らが筆頭著者、柳澤純は責任著者、加藤、村山も著者になっている。[6]その1の捏造指摘の一部はこの論文のデータとの重複を指摘しているので、[6]その2の指摘と一部重なるが、[6]その2の上から3番目の指摘は独立のもの。画像張り付けの痕跡と思われる不自然な切れ目が存在する。こういうのは意図的に画像操作したと考えるのが自然で言い分けは通じないだろう。

この論文には訂正は出されていない。2004年11月発行で立石の博士号取得が2005年3月だから、おそらくこの論文は立石の博士論文の審査対象の一部だ。その論文が撤回されたら立石の博士号は取り消しということもあるかもしれない。もっとも、対処するとしても立石の博士号に影響を出さないためにもMCB論文と同じくわざと訂正で済ませるのだろうが。

論文2編でこれだけたくさん捏造疑惑を指摘され、筆頭著者が不正の責任をとらされなかったら著しく道理に反する。責任著者も同様である。柳澤純は他の論文でも不正疑惑がある。

立石らの事件や加藤茂明事件は不正疑惑が発覚してから十分な期間たっても未だに調査結果や懲戒処分が公表されない。日本分子生物学会が迅速な調査結果の開示を求めたように、多くの人が調査機関や所属機関の対応に厳しい目線を向けている。

国立環境研究所などは国民からそういう目線で見られていることを忘れないでほしい。くれぐれも不正の隠蔽や激甘処分をしないでほしい。

参考
[1]立石幸代の紹介国立環境研究所写し1写し2写し3)。環境研のページによると立石は2011年頃は国立環境研究所環境健康研究センターに所属していたことがわかった。ただ、現在公開されている名簿等をみても立石の名前がないので、辞職していたり別機関に所属している可能性はある。少なくとも懲戒処分を受けて解雇されたという公表はないので、国立環境研究所を解雇されたということではないようだ。念のためにいうと、2012年12月26日現在に環境研の懲戒処分公表をみると、2009年12月に減給処分が出たという公表だけだった。

2011年11月の口頭発表の案内で立石が国立環境研究所環境健康研究センターに所属しているという記載がある、さらに2012年3月21日受付、6月8日受理の論文では同所属なので、本件について告発を受けた時の所属は環境研だと考えられる。文科省の規定によれば告発を受けた時の現所属機関等に調査義務がある。

[2]立石幸代の博士論文 国立国会図書館 2005.3.25
[3]MCB論文の訂正 2012.12.26閲覧
[4]加藤茂明事件の告発ページと村山明子が筆頭著者となっている論文の捏造疑惑
[5]捏造等の不正があれば撤回されるのが通常というのはあくまで私の主観。私が見た多くの論文は不正があれば撤回されていた。ただ、最近加藤茂明事件で日本分子生物学会が論文の撤回だけでなく訂正を要求していたことを考えると、不正があっても論文の結論を毀損しないなら訂正で済ませるのも許されるという考えもあるのかもしれない。その場合は捏造等があっても訂正で済むのだろう。
[6]立石らの論文への捏造指摘-その1。別の論文への捏造指摘-その2
[7]柳澤純グループの不正疑惑を筑波大に指摘したというネット情報。2012.2

(発表日 2012-12-26 23:31:01)

(2013.12.27追記)

加藤茂明事件の中間報告が出ました。この記事で言及した2論文は中間報告で発表された不正論文に含まれていません。しかし、それは不正がなかったからではなく調査対象から外れていたためです。中間報告によると加藤茂明が責任著者になっているか加藤研の人が筆頭著者になっている論文で加藤の東大在籍以降のすべての論文を調査したと言及されているので、この記事の2論文は調査対象外です。筑波大に質問したところ柳澤研独自の不正疑惑については同大で調査されているそうです。


筑波大は2000年に藤井善隆の不正疑惑を本当に知らなかったのか?

2012-12-26 23:30:50 | 社会

『論文60本に不正確認 筑波大、講師の在職中
2012.12.26 14:30

 東邦大の藤井善隆元准教授=麻酔科医=の論文多数にデータ捏造があったとされる問題で、筑波大は26日、藤井氏が講師として在職中に発表した論文60本に不正があったことを確認したと発表した。

 日本麻酔科学会のこれまでの調査では、藤井氏の論文212本のうち、少なくとも171本に不正があったとしている。

 筑波大によると、藤井氏は1997~2005年に在職。発表した論文103本のうち臨床研究に関する60本に、実際には得ていない倫理委員会の承認を得たと記載するなどの虚偽があった。

 不正がなかったのは動物実験に関する5本で、残りは不正の有無を判定できなかった。藤井氏は2本について改ざんを認めたが、その他は認めていないという。[1]』

藤井善隆が筑波大に所属していた時の論文でも大量の不正が確認された。しかし私が問題にしたいのはそれではない。藤井の不正が明るみになったとき、『米国の専門誌が00年にも不正の疑いを指摘していたのに、藤井医師が97~05年に講師で在籍した筑波大は疑惑について調査していなかったことが分かった[3]』と報じられ、同記事で筑波大は『現在、大学内で00年当時の対応を含めて調査を進めている。調査が終わったらきちんと結果を公表する[3]』と回答した。

しかし、[2]をみても2000年に不正の指摘を受けたのに調査をしなかったことについては何ら言及されていない。この件については毎日の取材に対し「当時の上司が口頭で注意したのみで、大学側は関知していなかった。もし把握できていたら調査していた[6]」と回答した。

大学側が関知していなかったというのは嘘くさい。[3]では『海外の専門家が、不正を疑う文章を00年4月発行の米専門誌「アネステジア&アナルジジア(麻酔学と無痛学)」に投稿した。・・・ 筑波大の関係者によると、この投稿がきっかけとなって藤井医師への疑惑が学内に広がったというが、大学によると、学内で調査は行われなかった。』

学内中に疑惑が広まったのに大学が疑惑を関知していなかったということはないだろう。上司も口頭注意しただけだったので、不十分な対応だったといえる。不正疑惑を認知したのだから、監督責任としてもっと上に報告して調査を促す等の行動をしなければならなかったのにしなかった。やはり問題をわざと避けていたという印象を受ける。

この問題は不正を指摘されても調査しなかったことなど不正の問題をわざと避けてきた筑波大や研究者等の悪い体質が重大な問題だ。[2]では過去に比べれば規定ができているから不正の防止が実現できるという趣旨の記載がある。これも今では不十分な対処だと思う。東北大や東邦大のように規定があっても不正を認めなかった事例もいくつか存在する[4]。規定を作るだけでは実効性が担保されないのは過去の事例から明らかだが、筑波大はそれについてどう考えているのか。

この質問をすれば筑波大は「他大はそうかもしれないが、本学ではそういうことは決してない」と答えるかもしれない。しかし、それは同じことを東邦大や東北大に尋ねても同じ返事をするだろう。それでも都合が悪ければ規定を守らない。2000年に不正が指摘され学内中に疑惑が広まっていたにも関わらず大学は知らなかったなどと不合理な説明した筑波大の対応をみると、都合が悪いので嘘の弁明をしている印象を受け、規定ができても東北大や東邦大と同じではないかと感じる。そもそも大学が当事者となっている問題を自分たちで判断させても構造的に適切な判断を期待できない。被告発者が自分で不正の判断をするようなものだ。前から何度もいっているが、こうした問題はきちんと第三者機関が判断しなければならない。

規定は単に作るだけでなく実効性が担保される仕組みもあわせて作らなければだめだ。

そのためには監督機関である文科省や資金配分機関である日本学術振興会が積極的に動かなければならない。違反に対しては予算停止、返還要求など何か罰則を与える仕組みや強制的に調査する仕組みを作るのは一つの方法として考えられるだろう。少なくとも今のように被疑者の所属機関に丸投げして何もしない態度では絶対にだめだ。

[2]の防止策もお決まりの防止策を述べているだけという印象を受け、根本的な問題改善になっていないと思う。結局同じことが繰り返されるということか。その都度不正の問題をわざと避けたり、「自分たちには責任はない」といって責任逃れをするのだろう。何も変らない。

次回は筑波大が抱えるもう一つの不正問題について紹介する。筑波大としては不正防止の十分な対応策を出した直後に、仮に不正の隠蔽や激甘処分などが行われたら大笑いだ。決してそういうことがないといい。

参考
[1]msn 産経ニュース 2012.12.26
[2]筑波大学の調査結果ページ資料 2012.12.26
[3]毎日新聞 2012.6.25
[4]東北大学の井上明久前総長の事件は不正行為の対応規定があっても、告発が何度も不受理となり、受理の段階で特別の対応委員会で調査されるなど規定が全く守られなかった。

藤井の当時の所属機関・東邦大でも文科省のガイドライン等では生データ等の不存在で不正の疑いを覆せないときは不正と認定するという規定がありながら、生データの不存在が立証されても捏造を認定しなかった。
[5]世界変動展望 著者:"筑波大学、藤井善隆への不正告発を握りつぶし!" 世界変動展望 2012.6.26
[6]毎日新聞の記事 2012.12.26

『論文捏造:元東邦大准教授 筑波大が60本「不正」と認定

毎日新聞 2012年12月26日 20時05分

 元東邦大准教授の藤井善隆医師(52)が書いた麻酔学の論文の大半が捏造(ねつぞう)だった問題で、筑波大は26日、藤井医師が在籍していた97~05年の論文103本のうち60本を「不正」と認定したと発表した。藤井医師はすでに退職しているため、処分は見送るという。

 この問題は今年4月、国内外の専門誌の編集長が連名で疑問を表明したことから表面化。藤井医師が所属していた日本麻酔科学会が6月、「論文212本のうち172本に捏造があった」と認定した。212本のうち筑波大時代のものが最多で、同大の調査委員会が不正の有無を調べた。

 その結果、患者対象の臨床研究を基にした60本は、事前に義務づけられた実施の承認を得ていなかったのに、得たように記載していた。5本は、藤井医師とは別の研究者が責任著者で、不正がないことを確認した。残り38本については「データが本物と証明できない」と判断を保留した。

 藤井医師は調査に対し、不正認定された60本のうち2本についてのみデータの改ざんなどを認めたが、承認をめぐる虚偽記載は認めず、38本についても不正を否定している。

 「不正なし」と認定された5本は、同大が責任著者から実験ノートの提出を受けて調べたところ、実験で使った動物の数が、同大が提供した頭数の記録と一致したという。

 同大在籍中の00年、米国の専門誌が藤井氏の論文に疑義を呈していたが、調査されなかった。これについて同大は26日、「当時の上司が口頭で注意したのみで、大学側は関知していなかった。もし把握できていたら調査していた」と述べた。【久野華代】』


女性向け恋愛シミュレーションゲームのキャラのかっこよさと女性の人気が高いことについて

2012-12-26 00:30:00 | スポーツ・芸能・文芸

図 女性向け恋愛シミュレーションゲームの男性たち [2]

図は女性向け恋愛シミュレーションゲームの男性たち。かっこいいですね~。最近調べてみると、携帯用の女性向け恋愛シミュレーションゲームが人気らしい。MMD研究所の2011年5月頃の調査によると、女性携帯ユーザーの35.5%が「恋愛シミューションゲームで課金経験あり」と回答した[1]。携帯恋愛シミューレーションゲームの利用経験は10代、20代で7割以上、30代でも5割だった[1]。20代、30代の女性は4割以上が課金したことがあるという[1]。

『課金した理由について調査したところ、「レアアイテム・コラボアイテム・特典アイテム」と回答したユーザーが43.7%と最も多く、次いで「キャラクターやデザインが気にったから」と回答したユーザーが35.1%、「利用時間を短縮したいから」と回答したユーザーが31.5%という結果となった。[1]』

私はこれほど女性に恋愛シミュレーションゲームがうけるとは思わなかったので少し驚いた。ゲームに登場する男性はとてもかっこよく、うっとりしてしまいます。中には美形すぎる人もいますが・・・。

いくつかネットで画像を調べてみると、どの人も本当にイケメンですね。関心のある読者さんは一度プレイしてみてはいかがですか?

参考
[1]MMD研究所の調査 2011.5.19
[2]株式会社サイバード:イケメン王宮真夜中のシンデレラ 2012.9.26


ツイッターやろうかな~

2012-12-24 00:08:35 | Weblog

最近いろいろなブログでツイッターも併設しているところを見る。人気向上にはそういうのもいいのかもしれない。幸い私のブログはずいぶん前から軌道に乗り、一般人の匿名ブログとしてはよいアクセス数を頂いているので、欲張ることはない思いつつも、さらなる人気向上のためツイッターの利用を検討しています。


信じることはとても大切

2012-12-23 00:35:13 | 合唱・音楽

画像1 believe - 「Believe」(作詞・作曲:杉本竜一)

Believe(作詞・作曲:杉本竜一)は1998年に作曲され、NHKの「生きもの地球紀行」の3代目エンディングテーマとして使用されました。編曲は富澤裕で、混声三部合唱です。

信じることはとても大切です。歌詞も好感が持てます。

「例えば君が傷ついてくじけそうになったときは必ず僕がそばにいて支えてあげるよその肩を。」

みなさんもこういう気持ちを大切にしてください。


来春A級棋士の三浦らがコンピューターと公式対戦

2012-12-22 00:21:53 | 囲碁・将棋

『A級棋士、将棋プログラムと対戦 来春「電王戦」

 【村瀬信也】コンピューターの将棋プログラム五つとプロ棋士5人が戦う「第2回電王戦」の対戦カードが15日、発表された。トップ棋士の1人、三浦弘行八段(38)も出場する。

 ほかに出場するのは、阿部光瑠(こうる)四段(18)、佐藤慎一四段(30)、船江恒平五段(25)、塚田泰明九段(48)。東京の将棋会館で、来年3月23日から毎週土曜日に1局ずつ、計5局行う。持ち時間は各4時間。現役棋士が公の場で将棋プログラムに敗れたことはない。

 三浦八段は、名人への挑戦権を争う10人のリーグ戦「A級順位戦」に所属し、「棋聖」のタイトル獲得経験もある。5月の世界コンピュータ将棋選手権で優勝した「GPS将棋」と当たることが決まり、この日の会見で「A級の誰かが出ないといけないと思った。力を出し切りたい」と話した。

 ほかの4人は、同選手権の2~5位だったソフトと対戦する。対局は動画サイト「ニコニコ生放送」で中継される。

 将棋プログラムの発展は目覚ましい。今年1月の第1回電王戦では、既に引退している米長邦雄元名人(69)がプログラムと1対1で戦い、敗れた。[1]』

今度はいろいろなプロ棋士がコンピューターと対局するようだ。米長や清水市代がこれまで対戦していずれも敗れた。ウチにコメントをくれた人がコンピューターはすごく強いという趣旨を述べたが、現役のプロ棋士にどれだけ通用するか?将棋ファンとしては注目している。

一方でコンピューターと対戦する棋士たちはどういう気持ちなのだろう。前に米長へのインタビューでボナンザとの公開対局を佐藤康光に持ちかけたとき、佐藤はとても引き受けられないという感じで断ったらしい。経営が苦しい将棋連盟がお金のために仕方なく引き受けているだけなのか、それともそれほど嫌ではないのか。実際のところはどうなのだろう。

私はコンピューターがどれだけ人間の力に迫れるか、超えられるかということは学術的には重要だと思うので、プロ棋士がそれに協力してくれることはよいことだと思っているし、プロ棋士はよいことをしていると思う。

参考
[1]asahi.com 2012.12.15


今期の名人挑戦者はまた羽生か?降級は高橋道雄、橋本か?

2012-12-18 00:19:01 | 囲碁・将棋

A級順位戦は6回戦までで羽生が全勝、1敗がいなく渡辺、三浦、屋敷らが2敗で追っている。例年挑戦ラインは7勝か8勝なので、羽生の残りの対戦相手(三浦、渡辺、橋本)を考えると、今の時点で挑戦者になるのが有力だと思う。渡辺にはわずかに負け越しているが、三浦と橋本に対しては勝率がよい。8回戦で渡辺に勝てばほぼ決定ではないか。2年連続の全勝での名人挑戦は史上初なので、それも期待している。

一方一番成績が悪いのは高橋道雄と橋本で1勝5敗。深浦も10位で2勝なので危ない。谷川も2勝で、順位は4位。たぶん順位や成績を考えると高橋道雄、橋本、深浦のうち2人が降級するだろう。特に実力や後の対戦相手を考えると高橋道雄と橋本が降級の最有力だと思う。

前もいったが深浦は今度こそ残留してほしい。


数学のよさについて

2012-12-17 00:30:30 | 物理学・数学

最近報道で小中学生の数学や理科の学力が上がったが、数学や理科を使う仕事にはつきたくないという人が依然として多いことを見た。数学や理科はあまり好きでない人は依然として多いのだろうか。今回は数学のよさについてお話したい。私が数学を学習してよいと思った点は以下のこと。

(1)重要なことや要点が明確、演習を通して応用力を身につけやすい

例えば小学校の算数で「長方形の面積=縦の長さ×横の長さ」と重要事項は太枠で強調されている。何が重要か非常に明確だ。そしてその後に必ず例題がある。

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例題 縦の長さが3cm、横の長さが2cm の長方形の面積を求めなさい。

解 3 × 2 = 6 cm^2 ・・・ (答)
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上のように取得した重要事項の運用法も明確に書かれている。そしてそれを身につければ、問題を変えられても単純な応用問題なら容易に解ける。例えば「縦の長さが5cm,横の長さが6cmの長方形の面積を求めなさい。」という問題は簡単に解ける。最初はこのレベルでもきちんとテストで出題される。勿論難しい問題は最初から解けないが、数学は徐々に問題のレベルを上げていくことで難しい応用までわりと自然に道が続いている。

私は数学は重要事項や要点が明確で取得すべきことがはっきりとわかる点がとてもよいと思う。さらに、演習を通じて、当初は簡単なことに限られるかもしれないが、学んだことをきちんと応用できる。重要事項を取得した、未知の問題でも応用できるという実感を持てる。私はこの実感こそ、数学を理解できる、好きになる、という点でとても重要なことだと思う。

この数学の利点は特に国語と比すとよくわかる。国語の教科書は文章が載っており、脚注に語彙や注意すべき点が記載され、最後に検討事項がいくつか載っている。数学の公式のように重要事項は明示されず、わかりにくい。さらに脚注の注意点や最後の検討事項を学習しても全くといっていいほど応用できない。国語の場合は文章を変えられてしまったらおしまいだ。最後の検討事項等を学んでも、それが使えるのはせいぜい定期試験のときだけで、未知の問題を解く場合は全くといっていいほど役に立たない。国語は上で紹介した例題と単純な応用問題のような関係で問題を作れない。国語は重要事項の取得とその応用ができるという実感を持ちにくい。国語が嫌いな人の中には、このように「重要な点がわからない。授業で学んだことを応用できない。」と抵抗感を持つ人が多いと思う。

一言でいえば、数学は要点がわかればきちんとできるようになる。それはとてもよい点だとおもう。

(2)答に至るまでの道筋が非常に明確で客観的

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問 Aさんは最初の2時間は時速3kmで歩きました、その後の3時間は時速4kmで歩きました。Aさんの歩いた距離を求めなさい。

解 2×3 + 3×4 = 6 + 12 = 18 km ・・・ (答)
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上は単純な問題だが、どの数学の問題も答に至るまでの道筋は非常に明確で疑念の余地がない。誰でも正しいと明確にわかるし、答と論理が正当ならテストで満点をもらえる。これは非常によい点だと思う。

このよさも国語と比すとよくわかる。国語の問題は文章があり、その中の特定の文に傍線が引いてあり、「これはどういうことか、わかりやすく書け。」等と問われる。答をみると、解答の根拠や解答文が載っている。しかし、解答の根拠や解答文は出題者の主観的なものであって、それ以外の根拠や解答文がなぜ不正解になるのかはよくわからない。解答も数学の答のようにどの人でも同じになるということはまずない。国語の論述の問題は数学の問題と違って満点をとるのは難しい。

以上、私は(1)(2)はとてもよい点だと思うし、国語に比べればはるかに学力を伸ばしやすいと思うのだが、数学が好きでない人はこの点をどう思いますか?


研究者、研究機関の業績水増しを改善すべき

2012-12-16 00:17:00 | 社会

これも前に同じことを主張したが、研究者や研究機関は発表論文数が一つの評価対象で、昇進や予算獲得で有利になるために、不正行為で見かけ上の発表論文数を高く見せかけようとすることがどの研究機関でも常態的に行われている。具体的には二重投稿、サラミ出版、ギフトオーサーシップなどである。

一番顕著な事例は井上明久東北大前総長であろう。2012年12月12日に東北大学の井上の紹介を閲覧したところ、なんと論文を2844編も発表したという[1]。普通の研究者なら生涯の発表論文数はずっと少なく、勤続40年の研究者でも数十篇~100編程度だろう。それに比べれば超人的発表数だ。

無論井上の発表論文数は不正行為に基づく見かけ上の業績数であって、日野、大村、齋藤、矢崎らによって二重投稿が指摘され、1月の東北大学有馬委員会、JSTの御園生委員会で正式に二重投稿が不適切と認定された。御園生委員会によるとERATOから研究費が出た井上の研究は報告書中の748 編のうち、60 編以上が重複していたという[2]。

注意すべきは、井上の発表論文数2844編というのは多すぎるので少なからず不正行為に基づく見かけ上の発表数だと常識的にほとんどの人がわかるにも関わらず、こうした問題がずっと放置されてきたということだ。東北大学も研究費の審査をした資金配分機関も井上の発表論文数に不正があることはわかっていただろう。にも関わらず水増しされた業績をもとに審査し、巨額の研究費やポストを与えてきた。

一番注意しなければならないのは、こうした不正はどの研究機関でも程度の差はあるが常態的に行われているということだ。井上ほど顕著に業績数を水増ししているのは例外かもしれないが、二重投稿、サラミ出版、ギフトオーサーシップなどで発表論文数を見かけ上高く見せかける研究機関や研究者は山のようにいるのだ[3]。

さらに致命的なのは、こうした不正を不正と認めない驚くべき研究機関さえ存在していることだ。二重投稿、サラミ出版、ギフトオーサーシップによって見かけ上の業績数を高くみせ、それにより業績評価を受けるのは水増しであり不適切だ。あまりに当たり前だ。おそらく競争に勝つためだろうが、こうした不正行為を平気で認めている研究機関を絶対に改善しなければならない。

このような不公正な方法で業績評価するのは、過大評価のおそれがあり、本来支給すべきところに研究費等がいかず、国民にとって甚大な損害となる。井上事件のときと同じく、各研究機関は都合が悪いので指摘されても自浄作用を発揮しないし、監督する省庁等、資金配分機関の学振に指摘しても「研究機関に任せる」といって無責任な態度をとる。

現在の学界は不公正なことがいろいろあり、致命的なことに研究機関が自浄作用を発揮できなければ、それを改善する方法がない。

参考
[1]東北大学の井上明久の論文についてのページ 2012.12.12閲覧
[2]JST御園生委員会の報告書 2012.1.18
[3]世界変動展望 著者:"毎日新聞の論文捏造問題の記事について" 世界変動展望 2012.8.16

例えば今年の6月に藤井善隆事件が起きたとき、毎日の記事で「見せかけの業績で教授になった人なんていっぱいいる。」と発言した人がいた。