世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

電王戦FINAL第3局、やねうら王が勝利

2015-03-30 03:17:38 | 囲碁・将棋

電王戦FINAL第3局が28日に開催されやねうら王が勝利。相手の稲葉陽七段は若手の強豪で、このレベルの人が負けたし昨年までの成績を考えると、コンピューターがプロの強豪ともいい勝負又はそれ以上なのは明確といえる。これから先はタイトルホルダー等の実力者が出ないといけないかもしれない。


研究不正における立証責任について

2015-03-29 20:35:11 | 社会

研究不正における立証責任はガイドラインが改定される前から被告発者が負うと定められている。つまり、被告発者が自己の説明で不正の疑いを覆せない時は不正と見なされるのがルールだ。改定ガイドラインもそれは変わっていない。一方で、裁判では研究不正の立証責任は告発者又は調査機関が負担し、高度の蓋然性の証明が要求される。学術界のルールと裁判のルールが逆転している事は問題ではないかと指摘されている。

研究界ではなぜこのようなルールになっているかというと、学術会議の不正に関する議論を見ると不正の疑いを覆せない時は不正と見なされるのが研究者の常識という見解があった。つまり、研究者は基本的注意義務をはらって正しい方法で研究遂行し正しい研究成果を公表する義務があり、正しい方法で正しい結果が得られた事を証明し説明する義務があるという事だろう。例えば小保方晴子のように「STAP細胞はあります!200回以上作製できました。実験は確実に行われており、テラトーマの画像などは捏造ではありません!」と涙ながらに感情的に訴えても、それを立証する客観的証拠を一切出さず、実験ノートもポエムのような内容で実験が行われた裏付けができない場合は不正と見なされても仕方がない。現に研究者は誰も小保方晴子の見解を信じなかった。多比良和誠、川崎広明の不正事件も東大は「生データ、実験ノート等がなく再現性も得られない研究は捏造と言われても仕方ない。」と断じている。研究者が証拠提示や説明をせず、正しい方法、正しい結果だったと主張するのは科学ではない

これは私の推測だが、被告発者に立証責任をかす実質的理由は不正のごまかしや証拠隠滅を防止する事だと思う。ガイドラインができる前から研究不正の問題が起きると被告発者が生データや実験ノート等を破棄して、適当な理由をでっちあげて過失を主張又はだんまりを決め込んで不正をごまかす事が多かった。現在でもよく起きる。小保方晴子の事件、多比良・川崎事件、井上明久事件、シェーン事件など多くの例がある。告発側に立証責任をかし、高度の蓋然性の証明を要求すると、必ずといっていいほど被告発者は生データ等を破棄して追跡を不可能にし、調査や質問では適当な理由をいって過失を主張するかだんまりを決め込んで不正をごまかそうとする。こういうやり方を認めると、多くの場合で黒が白になるという不条理な結果になるので、それを防止するのが被告発者に立証責任をかす必要性だと思う。特に研究不正は証拠が被告発者側に偏在し任意調査で行われるので、被告発者が不正の疑いを覆す必要性を作らないと公正な調査にならない。日本の調査はアメリカ等と違ってラボを閉鎖したり、強制調査権を持つ機関が調査するわけではなく、警察のように強制的に証拠物を捜索、差し押さえできない。そのような捜査側の立証責任と同様に考えるのは不適当だ。

では、調査側が不当に研究不正を認定し被告発者が濡れ衣をきせられる心配はないのか、という見解もある。これは研究者が基本的な注意義務を守って、正当な研究を遂行していればほぼ防げるだろう。まず、存在しないデータ等を作る、恣意的にデータを変更、選択削除するという事は故意に行わなければまず起きないし、研究者が適切な研究遂行をしていればほぼ防止できるし、疑いをかけられても実験ノート等の提示で潔白を証明できる。証拠は被告発者に偏在しているのが通常だから、被告発者に立証責任の負担をかしても大丈夫だという許容性もあるのかもしれない。もっといってしまうと、調査側は被告発者の所属機関なので不正を認めると自分たちの信用や評価が下がるため、通常は不正を認めたがらないし、被告発者に濡れ衣をきせてまで不正を認定した例を知らない。井上明久事件や琉球大学の岩政輝男元学長の不正論文の件、Kyoto Heart Studyのお手盛り予備調査、生データ等の提出がなかったのに不正を認めなかった藤井善隆事件の東邦大の調査や小保方晴子の桂勲委員会の調査など、黒を白とした例はいくつもある。ガイドラインは蔑ろにされているといっても過言ではない。だから、Nature等をはじめとして多くの研究者がORIのような研究調査機関を作れと何年も前から主張しているが、全然実現していない。

話を立証責任の問題に戻すと、欧米でそれがどのようなルールになっているかは正確な文献を見たことがないので不明だが、少なくとも日本の裁判のように告発者側に立証責任を負担させ、高度の蓋然性の証明を要求すると、上で述べたような証拠の隠滅、だんまり、ごまかしという立証妨害が必ず起きて、およそ研究不正が認定されなくなるだろう。多くの黒が白となる極めて不条理な事が発生する。桂勲委員会のように小保方晴子が生データや実験ノートを提示しなかったのに不正を認定せず、理研が「実験は行われていた」と認定して研究費の返還を論文投稿に限った約60万円程度にした事は不正責任を不当に免れさせているので、非常に不条理だ。

立証責任の原則は解釈や法律で変更できる。例えば名誉棄損の違法性阻却事由の立証責任は検察官が立証責任を負担するという原則が修正され被告人側が負担する事になっている。井上明久事件は最高裁に上告されたので、最高裁がガイドラインに合わせた立証責任を判示してほしいと思う。


博士号に対する東大と早大の対応の違い

2015-03-28 02:50:00 | 社会

先日、東大が3名の博士号を不正を理由として取り消した。博士論文の捏造、改ざんが理由。この問題は小保方晴子の博士論文に大量の盗用等があったのに博士号を取り消さなかった早稲田大学の対応と比較したツイート等をよく見た。早大はなぜ小保方晴子の博士号を取り消さないのかという意見が多かった。昨年に早大調査委員会が下書きを提出したという信じ難い弁明を信用して、大量の盗用を認定しながらも学位維持を決めた時に犯罪の容認ともいえる等と言われ、猛烈な批判が起きた。さすがに鎌田総長が取り消しを発表したが、執行猶予がついた。不公正な対応で早稲田大学は大きく名や信用を落とした。

忘れているかもしれないが、早大は他にも大量のコピペ博士論文を抱えており調査中。小保方晴子と同等、それ以上の剽窃博士論文がある。早大は小保方晴子の対応と合わせると述べたが、それは今後も同様の対応を繰り返すという事で早稲田大学の名や信用がどうなっていくのか想像もつかない。

博士号をたくさん取り消すと大学の信用が大きく落ちるので避けたいと思うのかもしれないが、不公正な対応をするともっと損失を被る。それは昨年の理研や早大の対応が明確に証明した。東大は当たり前とはいえ明らかに早大よりよい対応をしたと思う。皆さんはどう思いますか。


藤木亮次、金美善、古谷崇が論文捏造、改ざんで博士号取り消し!

2015-03-27 17:05:05 | 社会

東大が藤木亮次(ふじき りょうじ、かずさDNA研究所特別研究員として在籍経験あり、元東大助教、2013年東大辞職)、金美善(きむ みそん)、古谷崇(ふるたに たかし アステラス製薬)が博士論文で自ら論文捏造、改ざんしたとして博士号を取り消した。東大分生研事件の不正の関連事件で、博士論文の基礎になっていた論文に捏造等があり、博士論文にも不正があった。東大の学位取り消しはアニリール・セルカン安藤理に続き3例目。複数人が同時に取り消されるのは初。東大は早大と違って不正の博士論文で博士を取り消したのでよいと思う。東大は「不正な図や関係する記述が学位論文の内容に重要な意味を持ち、削除すると論文の結論が成り立たなくなるなど評価に影響が出る」(北海道新聞、2015年3月27日)と判断。取り消しは仕方ないだろう。


上司が不正を指示する場合は関わらないようにするしかないのか?

2015-03-26 00:27:12 | 社会

先日の記事で上司が不正を指示する場合について記載した。この場合の対処は一番困るケースで、上司に逆らうとハラスメント、時には学界から追放となり、研究不正をするとばれた時に大きな損失を被ってしまう。上司から不正を指示され断ったために学界から去った人は以前に報道された井上明久の共同研究者で部下だった横山嘉彦東北大学金属材料研究所准教授は再現性を確認する論文を発表したが取り下げた論文を発表したのは当時井上から業績の少なさを理由に辞職を促され、精神的に追い詰められたからだというリンク先の(6)で書いた通り、非常に理不尽な目にあう事がある

一方、ボスの命令に従って研究不正をやってしまったらどうなるのか。富田真理子は森直樹の指示で研究不正を実行し停職3月、ハラスメントを受け、不正のために現在まで科研費を受けられず、2013年以降の論文発表を確認できない。准教授になれても不正以降は研究者として死んだも同然の状態が続いていて、今後も昇進や他機関への移転が難しいだろう。甚大な損失だ。

相談しても無駄で、上司から不正を指示される場合はどうしよもないという人もいる。だとすると、尚更こういう研究室とは関わらず、不幸にも関わってしまったら、一刻も早く研究室から出て行った方がいい。こんな研究室と関わっていても不幸になっていくだけだ。当然相手は不正をしている又は指示しているとは言わないので、不正をする研究者かどうかを見抜く方法は重要かもしれないが、私はその方法を知らない。研究室を選ぶときに、いちいち過去の論文を遡って不正がないか調べたりしないだろう。

運に頼るしかないのか。前も述べたとおり、個人で解決するのは難しいので研究機関が解決できる仕組みを作らないといけない


研究不正をしない、巻き込まれないためには?

2015-03-25 01:30:36 | 社会

昨年のSTAP細胞事件等の影響で学術界では不公正な研究遂行や調査が珍しくない事が暴露され世間の目が厳しくなった。研究不正をすると昇進、採用、予算獲得、論文掲載が難しくなり、下手をすると研究者生命を絶たれる。そうならないためにはどうしたらよいか。

(1)研究倫理を学び、研究不正をしないように努める

日本学術会議等が出す研究倫理の資料を読んだり、倫理研究に参加して研究倫理を学び、不正をしないように努める。多くの不正行為者は悪意で不正を行うので倫理を学んでもそういう人には効果はないが、少なくとも正当な研究手順や作法を知らなくて研究不正をしてしまう事は防げる。そういうのは不正ではないのでは、と思う人もいるかもしれないが、昨年の小保方晴子の電気泳動画像の切り貼りが改ざんと判断された例はそういう弁明が通用しない典型だ。研究不正の故意は悪意ではなく単に事情を知っているという程度の意味で、悪いと知らずにやった行為でも不正となる。小保方晴子は悪意はなかったと言っても改ざんが認定された。ネイチャーの画像規程に反していたし、悪意はなかった、ルールを知らなかったといても通用しない。研究倫理や正当な研究手順を学ぶ事は重要である。

ただ、これはあくまで正当な研究をするつもりの人に効果がある事で、悪意で研究不正をする人には効果がなく罰則など別な対応が必要になる。

(2)上司が研究不正を指示する場合は拒否し、必ず誰かに相談する、研究機関は解決できる仕組みを必ず作る

研究者に不正の意思はなくても、研究室のボス等から不正を指示される事がある。このケースが一番困るかもしれない。森直樹事件がこの例で、教授だった森が助手や学生に捏造、改ざんを指示し研究室ぐるみで不正を常態的に実行していた。当時助手だった富田真理子は不正に疑問を抱いていて他の人に相談したが、教授に逆らうと不利益を受けるので困ったという。結局学会から告発されて森直樹らの捏造が認定された。実行者は森、富田だけでなく学生もいたらしいが、不正実行者と認定されたのは森、富田だけで二人とも停職処分になった。

富田真理子の立場からは森の要求は非常に困ったものだろう。森の要求を拒むとどんなハラスメントを受けるかわからないし、不正をすると自分も不正行為者になってしまう。進退窮まった状態。富田は森の要求を拒むことができず、捏造実行者として停職3月を受け、現在まで科研費を受けられず、論文も出せなくなった。

一番いいのは、こういう研究室とは関わらない事だ。不幸にも関わってしまったら、必ず誰かに相談して一刻も早く研究室から出て行った方がいい。不正をするのはまずいし、ばれると富田真理子と同じ目にあう。これは個人の努力で解決するのが難しいので、研究機関でこういう問題を解決する仕組みを作らないといけない。

(3)共同研究者が不正をする場合は、データや文章のチェックをきちんと行って訂正を求める、訂正や説明をしない又は酷ければ共同研究を止める

共同研究者が不正をする場合は、論文のデータや文章をきちんとチェックする事が重要。本来であれば共著者はみなそれをしなければならない。研究室のボスでギフトオーサーとして著者になっている人もたくさんいるが、本来それは不正でまずく論文のチェックをしない事の言い分にならない。小保方晴子のように都合のいいデータをいくつも捏造、改ざんしてもってくるタイプもいるので、特に都合のいいデータをいくつも持ってくる人は気を付けた方がいい。一般に研究はうまくいく事は続かない。共同研究には信頼が重要だから、限界があるかもしれない。しかし、研究不正の実行者は必ずといっていいほど過失を主張して不正をごまかそうとするので、少なくとも性善説で研究を進めるとこれまでの研究不正の二の舞になるので、きちんとチェックをしないといけない。現在は剽窃チェックソフトがあるので、活用すれば剽窃を防げる確率は上がる。

不自然、不適切な点はデータ等の作成者にきちんと指摘しないといけない。不正行為者は不正を認めずごまかすものだが、不正を認めるかはともかくデータ等は訂正しないといけない。説明をしない、訂正すらしない、不正の態様が酷いというなら共同研究を止めるしかないだろう。そういう人と共同研究をするのは無理だ。できれば不正をする人と共同研究をしない方がいい。

若山照彦は不正をやっていなくても論文のチェック等を怠ったため、理研から出勤停止相当、山梨大から職務停止3月を受けた。共同研究者に小保方晴子のような人物がいると大きな損害を受け非常に困ったことになる事がある。責任のある者は不正実行者でなくても公的研究費の罰則を受ける規程で、近年は罰則が重くなった。不利益を受けないためにも適切な対応が必要。

(その他)不正やそれを指示する研究者を見抜くには?

(2)や(3)を書いていて思ったが、不正やそれを指示する研究者と関わらないというのは、そういう人だとわかっていれば多くの研究者が最初から関わらないだろうが、問題はどうやってそれを見抜くかという事。当然、そういう人は不正をやってる、指示しているとは言わないし必ずごまかす。見抜く方法は私もよくわからない。(3)で述べたようにボスが都合のいいデータをよく持ってくる部下や学生に気を付けるのは一つの方法だと思うが、他の方法は不明。共同研究者の過去の発表を見て疑義が多いなら気を付けた方がいいのかもしれないが、よい方法はわからない。わかる人がいれば教えてほしい。

以上。


岐阜大学はなぜ規定に反して研究不正行為者の氏名、所属などを公表しなかったのか?

2015-03-24 00:50:01 | 社会

岐阜大学の研究不正に関する規程第21条によると不正行為者の所属と氏名、不正行為の内容等を公表しなければならないと定められている。しかし、岐阜大学は「個人の特定につながる情報は開示できない」として論文のテーマや科学雑誌の名前、不正行為者の氏名、所属も公表しなかった[1]。これは明確な規程違反だ。岐阜大学の規程違反は許されない。昨年のSTAP細胞事件で理研が非常に大きく批判され、予算の大幅削減なのの甚大な損失を被ったのは研究不正よりも規定に違反して不正調査をしない等と公言したり、肝心な事の調査を先送りした等の不公正な態度による所が大きい。文科省ガイドラインが改定され、来月から適用される。研究不正に対する研究機関の不公正な態度に厳しい目が向けられており、日本学術会議を筆頭として信頼回復に努めているのに、規程を蔑ろにする態度は非常にまずい。結局研究機関は改善しないのか。以前に述べたとおり高橋孝夫たかはし たかお経歴1経歴2関連)岐阜大学病院講師の論文改ざんがORIにより既に認定され、その内容も公表され、不利益対応を約束して示談した。ORIの方がずっと公正に行動している。それに高橋孝夫は論文4編、12か所で改ざんを実行したので停職6月ではなく解雇が相当と考える人もいて、岐阜大の処分は軽すぎると批判されるかもしれない

岐阜大学はORIを見習って規程に従った公正な対応をしなければならない。不都合だからといって適当な理由をつけて規程を無視して不公正な対応をしたら、STAP事件と同じ事が繰り返される。全然反省がなく、進歩がないといえる。

参考
[1]m3の記事、2015年3月24日


電王戦FINAL第2局はコンピューターが王手放置の反則負け!

2015-03-22 01:36:16 | 囲碁・将棋

21日に電王戦FINAL第2局が行われ、「Selene(セレネ)」が89手で王手放置による反則負けし、永瀬拓矢六段(22)が勝った。


王手放置の反則負け、説明51:10頃から、2015年3月21日

ハプニングが起きたのは終盤戦の88手目。永瀬六段は、成れる角をあえて成らずに△2七角不成という奇手で王手した。ソフトは「成らず」に対応していない欠陥があり、この手を認識できず、王手を放置する別の手を示して反則となった。  成らずはルール上は問題のない手で、永瀬六段は事前の練習でソフトの欠陥を承知していた。』(読売新聞 2015年3月21日)

CPUとの対戦は独特の弱点をつく戦いが有効な事がある。テレビゲームをやった事のある人なら、CPUのクセや特性、欠陥を利用した攻略をよくやっただろう。格闘ゲームのハメ技は典型だ。


ハメ技の例 はじめの一歩 PSP - ハメ技は2:18頃から

リンク先の言及の通り、ハメ技はほとんどの場合バグや調整不足から発生する。人間対CPUの戦いはこういう戦略がある。今回の対局はそれを見た気がした。

終盤、永瀬六段が王手で「2七角不成」という手を指したことで解説陣やニコニコ生放送の視聴者から大きなどよめきが。成ることで明らかに駒が強力になる「飛車・角・歩」は、「打ち歩詰め」という反則を避けたいというごく一部の例外を除き、実戦ではまず登場しない異例の手。そのためSeleneにはこの3駒の「成らず」がプログラムされておらず、別の指し手を入力してしまったため、「王手放置」で反則負けと判断したとのことです。』(ねとらぼ 2015年3月21日)

永瀬はよく研究していた。CPUの欠陥をついた戦い方だったといえる。ただ、普通に戦っても永瀬の勝ちの局面だったという。公式戦で反則負け自体がめったになく、一番多いのは二歩だと思う。先日NHK杯戦でハッシーが二歩で反則負けになったのは話題になった。私が他に見たのは時間切れ反則負けと駒を動かせない所に動かす反則負けだけで、王手放置の反則負けを公式戦で見たのははじめて。王手放置は公式戦でまずなく、発生するのは素人の子供同士の対局でたまに発生するくらいだ。私が最初に見た王手放置の反則負けがCPUになるとは思わなかった。

プロ棋士は2連勝。ファイナルでようやく勝ち越しが近づいてきた。がんばってほしい。


NHK全国音楽コンクール2015年度課題曲

2015-03-21 23:23:16 | 合唱・音楽

今年もNHK全国音楽コンクールの課題曲が発表されました。テーマは「ピース♪」。

小学校の部  「地球をつつむ歌声」(同声二部合唱) 作詞:日野原 重明 作曲:加藤 昌則


同声二部

中学校の部  「プレゼント」(混声三部)(女声三部) 作詞:Saori(SEKAI NO OWARI) 作曲:Nakajin (SEKAI NO OWARI) 編曲 太田 桜子


混声三部

女声三部

高等学校の部 「メイプルシロップ」(混声四部)(女声三部)(男声三部) 作詞:穂村 弘 作曲:松本 望


混声四部

女声三部

男声三部はリンク先で視聴してください


高橋孝夫(Takao Takahashi)岐阜大病院講師が論文4編の改ざんで停職6月!

2015-03-21 01:33:37 | 社会

岐阜大学病院の40代男性講師が論文4編の改ざんで停職6月になったと公表された。研究不正があった場合に実名や概要を公表するのがルールだがそれに反している。毎日新聞によると

『岐阜大は20日、医学部付属病院の40代の男性講師が論文4本の計12カ所で画像の改ざんを行っていたと発表した。同大はこの4論文を取り下げ、19日付で講師を停職6カ月の懲戒処分にした。

 同大によると、改ざんが確認されたのは2004~10年に海外の科学雑誌に発表した論文4本。細胞の中の遺伝子の量を示す画像をひそかに切り張りして使い回していた。

 12年8月に、講師がかつて留学していた米国の大学から、データの不正使用の指摘があり、岐阜大が調査していた。大学側の聞き取り調査に講師は「研究成果を出さなければとのプレッシャーがあり、時間に追われて改ざんしてしまった」などと釈明しているという。』(毎日新聞 2015年3月20日、関連-メ~テレ

この講師は端的に言って高橋孝夫たかはし たかお経歴1経歴2関連)。以前に岐阜大学病院講師の論文不正で高橋孝夫研究不正を紹介した。この不正は高橋がテキサス大サウスウェスタン医療センターのAdi F. Gazdarグループに所属していた時の不正で、論文の撤回公告でも改ざんが公表された。この論文は2004年5月1日発表なので時期も重なる。ORIがすでに2004~2010年に発表した高橋の論文4編に改ざんを認定した。これも共通する。高橋は岐阜大学附属病院第2外科講師岐阜高校の同窓会資料で昭和60年(1985年)卒とあるので、1966年4月2日~1967年4月1日生まれ、現在は48歳の可能性が高い。4月1日まで誕生日がこないなら47歳丙午生まれか平成3年(1991年)岐阜大学医学部医学科卒業この資料のp72参照)、平成13年(2001年)1月7日に岐阜大学で博士(医学)取得、論文博士

またNHKの報道と高橋の論文を照合すると、停職6月となったのは高橋孝夫と断定できる。同色枠の画像が類似する他、放送された同一画像の切り貼り、上下反転の態様も同じ。論文画像の黄緑枠は論文画像の紫枠を上下反転させると類似、論文画像の青枠は論文画像の紫枠の1~5、10~14レーンを切り貼りすると類似。ここまで放送の内容と論文の特徴が一致するのは同一と考えないと不合理。従って、岐阜大学が認定した研究不正はORIの認定とほぼ同じと推測する。



上がNHK岐阜の放送(2015年3月20日)、下はリンク先。紫枠が類似。


上がNHK岐阜の放送(2015年3月20日)、下は論文1論文2。黄緑枠が類似。



上がNHK岐阜の放送(2015年3月20日)、下はリンク先。青枠が類似。

岐阜大の規定第21条を見ると研究不正が判明した時は不正行為者の所属と氏名、研究不正の内容を公表する事になっているが守っていない。高橋孝夫は2005年に岐阜大学病院助手、2008年に同講師となったので改ざん論文が人事の根拠の一部になった可能性がある。

Gazdarグループの研究不正は高橋だけでなく鈴木実熊本大学教授や重松久之愛媛大学講師らの論文も撤回公告で公式に不正が認定された。熊本大や愛媛大学がこれらの件を調査し処分を行ったのかは不明。ORIはすでに高橋孝夫だけでなく鈴木実の研究不正を認定している。高橋の件鈴木の件リトラクションウォッチの記事高橋孝夫は2014年8月26日から3年間の不利益対処で米国機関と示談した鈴木実も同様の示談をした

報道の情報を考えると、テキサス大学が2012年8月に高橋の留学時の不正の調査を岐阜大学に依頼した事になる。鈴木実も同じグループに属した時の不正がORIで認定されたので、テキサス大学が同時期に鈴木実の不正を熊本大学か旧所属機関の千葉大学に調査依頼した可能性はある。両大学から何の公表もない。もし調査依頼されたなら、公正に調査結果を公表してほしい。


小保方晴子の自家蛍光に関する嘘について

2015-03-21 00:57:11 | 社会

小保方晴子氏が弱酸につけて緑色に光る細胞をSTAP細胞としたが、これは自家蛍光だったと判明した。NHKの報道で小保方晴子が自家蛍光である事の確認をやっていない、不十分だったと調査委員に対して回答した事が明らかになった。昨年4月の会見で小保方氏は自家蛍光でない事を確認したと発言したが嘘だった事になる。小保方氏が「STAP細胞はあります!200回以上作製しました。」と自信を持って述べた事を一つの根拠として小保方氏による検証が始まったが、その根拠の一つが嘘だったのだから嘘で無駄な検証を実施して税金約1500万円を浪費させた責任として少なくとも一部の返還は求めるべきだ。論文投稿に関する費用約60万円の返還だけで済むと報じられたが、少なすぎる

また、小保方氏の自家蛍光に関する供述は氏のES細胞によるSTAP細胞捏造を裏付ける点で重要だと思う。細胞がストレス等に晒されて死にかかった時に緑や赤などの蛍光を出す自家蛍光は広く知られており、小保方氏も当然わかっていた。だから、STAP細胞の作製過程からいって自家蛍光と区別する事は必須だ。200回以上という回数はともかく小保方氏がたくさんSTAP細胞の作製を試みたのは間違いなく、確認しなかった、不十分だったという理由で作製できた細胞が自家蛍光である事を小保方氏が全く気づかなかったというのは考え難い。昨年の丹羽仁史氏らによる検証中間報告によれば緑色蛍光細胞の再現さえできなかったので、客観的には小保方氏が作製した緑色蛍光細胞の全部又はほとんどは自家蛍光だった。自家蛍光との区別は必須だし簡単に区別できるから、小保方氏がそれを毎回のように怠って自家蛍光に気づかなかったというのは不自然だ。

小保方晴子氏は自家蛍光に気づいていて故意に見逃したのではないか。無論その理由はSTAP細胞を捏造したかったからだ。だから、小保方氏の自家蛍光に関する供述は氏のSTAP細胞捏造を裏付ける点で重要だと思う。理研はこれらの点に関する詳細を明らかにしなければならない。

以上の点も含め、小保方晴子氏の数々の行動は氏がES細胞を混入してSTAP細胞を捏造したのでないと考えるには不自然すぎる。皆さんはどう思いますか。


熊本大、大阪市立大が光山勝慶らの研究不正を認定!

2015-03-20 21:30:56 | 社会

20日、熊本大、大阪市立大が光山勝慶Shokei Kim-Mitsuyama)熊本大学教授らの論文9編に捏造、改ざんがある事を公式に認めた。他の関与者は

山本英一郎 (やまもと えいいちろう、熊本大学付属病院循環器内科助教、元熊本大学大学院生)、この写真の前から2列目右から2番目の人物は、この写真の人物と同じ。画像の説明からいって山本英一郎。関連
和氣亮太郎 (わけ りょうたろう、現民間病院勤務、特定医療法人三栄会 ツカザキ病院で勤務経験確認、不正当時、大阪市立大学医学系大学院生)、
吉田華央留 (現所属なし、不正当時、大阪市立大学医学系大学院生)、
泉家 康宏いずみや やすひろ 熊本大学助教、不正当時、大阪市立大学医学系大学院生、左側関連)、
河野 仁美 (かわの ひとみ、現民間病院勤務、医療法人 新生会 総合病院 高の原中央病院で勤務経験確認)、
泉 康雄 (いずみ やすかつ、大阪市立大学医学系分子病態薬理学准教授、不正当時、大阪市立大学医学系大学院生、一番右関連)、
矢野 昌彦 (民間企業勤務、不正当時、大阪市立大学医学系研究員)

熊本大学の公表 - トップ調査概要. 2015年3月20日発表
大阪市立大学の公表 - トップ報道資料. 2015年3月20日発表

毎日新聞朝日新聞NHK.

この事件はディオバン事件で騒がれていた2013年5月頃にディオバンの販促に関わっていた日本高血圧学会の理事たちの研究不正が2chで匿名A氏によって指摘され同月頃に11jigen氏がまとめブログを作成、2013年5月28日付で熊本大学に告発したもの。日本高血圧学会の理事で基礎研究の不正が認定されたのは松原弘明氏に続き2人目。高血圧学会の理事がノバルティスファーマー社からお金をもらってディオバンの臨床結果を褒めちぎった販促に批判が出て、光山氏だけでなく小室一成氏、松原弘明氏など同学会幹部の基礎研究に不正疑義が次々指摘されたのは偶然といえるのか疑問が出た。自分の利益のためには不正も構わないと考える松原弘明氏のような研究遂行のために不正が起きたと考える人がいるが、今回光山氏の不正が認定された事はディオバンの販促に携わった高血圧学会の理事たちに次々と不正疑義が指摘されたのは偶然でなく彼らのモラルに欠けた考えのためだという批判が強くなるかもしれない。

またこの事件は山中伸弥氏が不正論文2編の共著者になっていた事も指摘されていた。大学は共著者は不正に関与しなかったと公式に認定し、山中氏は「今回の事案に直接関与した事実はなく、調査結果でもそのように認定いただいたものと理解しております。光山先生には大学院生時代からお世話になり、今回の調査結果を大変残念に思っております」(朝日新聞 2015年3月20日)とコメントを発表した。

今回の熊本大学、大阪市立大学の調査は責任著者だけでなく他の筆頭著者の研究不正関与者の責任を公式認定し、著しい注意義務違反や生データがあっても流用を合理的に説明できない場合に不正を認定した点が文科省ガイドラインに従っているので評価できる。これまでは琉球大学の森直樹の事件のように学生の不正行為者がいても不正が認定されず逃げのびたり、理研の小保方晴子の不正に関する桂勲委員会の調査のように生データや実験ノートを示さず、大量に誤りがあってもガイドラインに反して不正を認定しなかった等、不公正でガイドラインを蔑ろにした調査が珍しくなかった。当時学生でも不正行為の関与者が公式に認定されるべきなのは当たり前だが、ようやく当たり前の判断ができるようになってきたのかもしれない。

筆頭著者の多くは当時熊本大学と大阪市立大学の大学院生だったので、学位がどうなるのか。不正論文が学位論文の基礎になっていれば学位剥奪も仕方ないだろう。厳正に対応して頂きたい。