なぜ国会議員の平均所得は2580万円か？

　30日に発表された国会議員の０７年分所得報告書では、対象となった国会議員一人当たりの平均所得は２５８０万円だった[1]。前から思っていたが、なぜ国会議員はこれほど高収入なのか疑問だった[2]。しかし、以前桝添要一氏がTVで国会議員の収入について話をしたときに、自分の給料は月収44万円であるといっていた。おそらく手取りの収入なのだろう。所得が多くても、国会議員の職務運営資金で多額のお金が必要だということだろうか。
　正直、他人の給料の話などにいろいろと触れるのは、いやしく俗的で嫌だ。しかし、国民の税金で賄っている以上全く無関心というわけにもいかないだろう。詳しい分析は、公務員研究の専門家の方に任せるとしよう。

参考
[1]国会議員の平均所得は"asahi.com(2008.6.30)"によった。
[2]誤解のないように言っておくが、給料が不相当に高いといっているわけではない。年収2580万円は一般人の所得と比すれば、十分に高額だろうが、高額であることと給料が職務相当額かは別問題である。

大学院進学率

　10年くらい前から大学院重点化で大学院進学率が上がっている。特に理系は大学院進学率が高い。しかし、学生が大学院に進学する理由を考えると、果たして本当に大学院に進学すべきなのか疑問なことも多い。

国債返済のため増税がありそうだ

　10年前に比べて倍増した国の借金である国債額。国の唯一の収入源が税金であることを考えると、増税によって将来の国民の負担は大きくなるだろう。
　たまに、国債は国が国民から借りているお金で、国民一人当たりにすると数百万円のプラスの財産があると勘違いする人がいる。お金を貸していない人が返金されるわけがないのである。銀行など国債を買っている人に対して、国、ひいては背後にいる国民が借金を返済しなければならないのである。プラスどころがマイナスの財産だ。
　どうにかならないものか。赤字国債。

責任能力と遺族感情

　刑法では責任能力がないものは罰しないことになっている。責任能力とは行為者が自己の行為の法律上の責任を弁別しうる能力だ。責任無能力者が罰されないのは、規範の問題に直面したときに反対動機が形成可能でないからだ。
　しかし、責任無能力で無罪になったとしても、遺族にはそんなこと関係ないだろう。罰されないことが正義でないと思うに違いない。ただ、勘違いしてほしくないのは、「自分が辛い目にあったので、相手も辛い目に遭うべきだ」という論理で刑罰があるのではない。それは全く正義でない。遺族でたまに正義を勘違いする人がいるが、そのような独善的正義など振りかざさないでほしい。

オバマ氏、世論リード

　米大統領選は民主党のオバマ氏が現在の世論調査でマケイン氏に差をつけているようだ。クリントン氏との死闘で、メディアの注目が大きかったのが効いているのだろうか。

秋葉原の事件

　秋葉原無差別殺傷事件以来、秋葉原で事件が起きている。触発されるものが多い。

過剰反応だ！-全国犯罪被害者の会、朝日新聞に抗議

　「全国犯罪被害者の会（あすの会）」は25日、13人の死刑執行命令を行った鳩山法相を死神と表現した朝日新聞に対して、「死刑執行を望む犯罪被害者遺族も死に神ということになる。侮辱的で感情を逆なでされた」とする抗議文を、同日付で朝日新聞に送ったことを明らかにした[1]。
　この件を見て思ったのは、全国犯罪被害者の会は少し気にしすぎではないか。朝日新聞が記事の対象としたのは鳩山法相であって、全国犯罪被害者の会ではない。抗議文で同会は「法律に従って執行を命じたにすぎない法相を非難することは、法治国家を否定することになる」と批判しているが、法に触れなければよいという問題ではないと思う。

　私見だが、死刑執行命令が法に触れないとしても、人の命を奪う命令を下すのは躊躇するし、できれば避けたいと思うのが人情ではないか。だから、これまでの多くの法相は在任中の死刑執行命令に消極的だった。鳩山法相の死刑執行命令が波紋を呼んでいるのは、おそらく多くの人にとって避けたい死刑執行命令を積極的に行っていることが、一般人の人情からすると奇異にうつるということだろう。鳩山法相は確かに法律には触れていないが、人の命を奪う命令を積極的に行うのが道義的にどうなのかと考えると、否定的な考えを持つ人の気持もわかる気がする。

　全国犯罪被害者の会は光市母子殺害事件の遺族で有名な本村洋氏や妻を殺害された岡村勲代表(弁護士)が所属する会だが、新聞やテレビでの岡村氏や本村氏の言動を見ると、少なくともこの二人の行動の根底にあるのは加害者に対する復讐心であると思う。復讐心が彼らのイデオロギーとなっていて、厳罰化や加害者死刑などを求めていく活動をしているように思える。私の主観的意見だが、復讐で人生を歩んでいくとは本当に気の毒な人たちだ。自分の能力を伸ばしたり、夢を実現したり、愛情を育んだり、これからの人生でいくらでもすばらしい生き方ができると思うのに、それを犠牲にして復讐に生きることはもったいない。もっとも、遺族が殺されると、そのようになるもの無理ないのだろうが。

　全国犯罪被害者の会はおそらく、復讐心からの死刑を隠し「法律で死刑が規定されている」ことを手段として死刑執行を正当化しようとしているのだろう。しかし、はっきりいって復讐は正義ではない。だからこそ、復讐は刑罰や不法行為の損害賠償の目的から排除されているのである。
　復讐心での死刑求刑は人を殺して猛烈に非難している相手と同じ事を自分も行うという愚かな行為に思えてならない。

参考
[1]全国犯罪被害者の会の朝日新聞に対する抗議文については"時事通信社のHP(2008.6.25)"によった。

資生堂、商標権侵害で中国企業を提訴

　25日資生堂は中国で模倣品販売により商標権を侵害されたとして中国企業3社などを訴えたことを明らかにした[1]。上海晶典化粧品など3社とその代表者2人を「資生堂」と酷似した商標を使ったとして、上海市第二中級人民裁判所に提訴した[1]。
　中国の商標類似の多さを考えると、こうした提訴は今後も続くだろう。中国側は国際的信用を向上するためにも、きちんとコンプライアンスを遵守しなければならない。

参考
[1]資生堂への商標権侵害による提訴は"NIKKEI NET(2008.6.25頃)"によった。

人工ブラックホール、高エネルギー実験で出現可能性

　スイス・フランスの国境沿いで今秋にも運転が始まる大型円形加速器「ＬＨＣ」で行われる陽子の超高速衝突実験で、小さなブラックホールができてしまうかも知れないという[1]。高エネルギーで陽子-陽子衝突をさせると、理論計算では極微の人工ブラックホールができる可能性があるそうだ。
　有名なホーキング輻射により人工ブラックホールはすぐさま消滅するので安全だそうだ。安全性があるのは絶対条件だが、極微だったとしてもブラックホールが作れるという事実に驚いた。

参考
[1]陽子の高速衝突実験による人工ブラックホールについては"asahi.com(2008.6.25)"によった。

民主党、公務員の無駄遣い減らせるか？

　最近民主党代議士の討論を見ていると、公共事業費を減らし社会保障費に国の予算をまわそうとか、財源を消費税増税ではなく、公務員の無駄使いを減らすことでなんとかしようという主張を聞く。
　TVによく出る原口議員は、官僚の無駄遣いがかなり多く、節約に努めれば社会保障費も賄えると発言していた。無駄使いが非常に多くあるという印象を受けるが、本当に無駄使いを抑えることで社会保障費を賄えるなら、ぜひやっていただきたい。
　正直なところ、民主党が政権を担当しても、どれほど無駄使いがなくなるのかはわからないし、民主党の主張も証拠を見ていないので半信半疑だ。もし、彼らが今度の衆議院選挙で与党になったら、彼らの主張する公務員の無駄遣いをどれだけ財源にまわせるのかお手並み拝見だ。
　もっとも、公務員に限らず、年金、医療費など、すべての財源は少なからず無駄遣いがあるのではないかと思う。

音、においも商標の対象に-特許庁、2010年法改正検討

　特許庁が従来目に見えるものだけに認めていた商標を音、においにまで拡張することを検討すると発表した[1]。2010年の法改正での実現を目指す。
　これは、インターネットの普及などで、自社の製品、サービスを他社と区別する方法が多様化し、新しい権利の保護が必要になっているためである。
　社会もそれだけ複雑化したということだが、においや音の権利性をどう判断するのか興味深い。

参考
[1]音、においの商標を認める検討は"NIKKEI NET(2008.6.24頃)"によった。

経産省、海外独禁法向け手引策定

　経済産業省が日本企業向けに海外の独占禁止法に抵触しない行動のあり方を示した「手引き」を策定する[1]。海外では独禁法が厳罰化傾向にあり、日本企業が価格カルテルなどで摘発され、巨額の制裁金を科されるケースが増えているため。
　企業のコンプライアンスとして、重要である。国がガイドラインを検討して企業に指針を示すのは評価できる。

参考
[1]経済産業省の海外独禁法に対する行動手引き検討については"日本経済新聞 朝刊(2008.6.24)"によった。

携帯用OS、世界共通化目指す

　NTTドコモやノキアなど世界の携帯電話会社と端末メーカー１０社は２４日、携帯端末の基本ソフトＯＳなどのソフトウエアを共通化するための推進団体を０９年に設立すると発表した[1]。
　これまでは、各社が個別に基本ソフトウェアなどを開発してきたが、これが共通化すれば各社はサービスだけ開発すればよくなり、開発期間、コストなどが改善される。
　世界標準が決まるまでに、いくつか候補がでるだろうが、どの会社のものが勝ち残るのか少し興味深い。

参考
[1]世界共通の携帯用OS開発団体設立については"asahi.com(2008.6.25)"によった。

北朝鮮、26日テロ支援国家指定解除

　米政府は23日、北朝鮮が核計画の申告を２６日にすることを明らかにした。同時に同国へのテロ支援国家指定を解除する方針だ[1]。拉致問題の進展がない限り、指定解除すべきではないという米国に対する日本政府の要望は通らなかった。拉致問題は米国にとって重要でないのは、前からわかっていたが、日本は拉致問題を米国に頼らず独力でなんとかするしかないだろう。

参考
[1]北朝鮮のテロ支援国家解除については"asahi.com(2008.6.24)"によった。

民主党、小沢一郎代表の討論力と政治家資質

　民主党の代表の小沢一郎氏は口下手で討論が苦手だといわれることがある。昨年の7月頃に、参議院選に向けて当時の安部首相と小沢代表で公開党首討論会が開かれたことがある。その時の小沢氏の討論ぶりは安部氏に比べると、演説下手な印象を受けた。安部前首相の方が流暢であったし、演説が上手い印象だった。
　確かに、小沢氏が口下手で討論が苦手だという一面を見たような気がする。しかし、それが政治家の資質として致命的でないことは言うまでもない。小沢氏は岩手県奥州市の出身だが、岩手県の選挙区では彼の存在でかなり賑わっているという。岩手選挙区での小沢氏の人気は大変なものである。民主党という大規模政党の党首ともなると、はなはだ人気があるようだ。
　要するに、討論上手、話上手ということは政治家として有利な一要素ではあるが、あくまで一要素にすぎず、他の能力で高い政治家としての資質を備えることができるということだ。そのよい例が小沢一郎氏といえよう。