宇宙はどんな形をしているのか?おそらく子供の頃から誰でも一度は考えたことがある疑問で、多くの人がその答えを知らないだろう。宇宙がどんな形か想像できないからだ。
その疑問に数学的な立場から迫ったものにポアンカレ予想というものがある。ポアンカレ予想とは「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」というものだが、簡単にいえば、丸いボールの内側の空間を想像してほしい。ポアンカレ予想を別な言葉でいえば、空間の任意の部分で紐をぐるりと繋げた後、空間に穴がないために、紐をたぐりよせて回収できるというものだ。空間に穴があるとそこで紐がひっかかってしまい紐が回収できなくなる。単連結な3次元多様体がすべて丸いボールの内側の空間と同じだということである。”穴”がある空間とは、例えばドーナッツ型浮輪の内側のような空間を想像してほしい。この空間は例えば浮輪を一周するように紐を繋ぐと、紐をたぐりよせた時に内側の"穴"にひっかかって、紐を回収できない。
この予想は1904年にポアンカレによって提出され、2002,3年頃にロシアの数学者ペレリマンによって証明された。両者ともに天才数学者なのであるが、宇宙の構造というものが純粋数学の立場から追究できるのはすごいことだ。
ただ、これはあくまで数学者の頭の中で考えた3次元空間についていえることであって、宇宙の構造を解き明かす手がかりとはなっても、私たちの住む宇宙について当てはまるとは限らない。宇宙がどのような構造であるかは、ポアンカレ予想とは必ずしもつながらない。ポアンカレ予想が証明されたからといって、宇宙が単連結な3次元閉多様体だと証明されたと思ってはいけない。宇宙の構造がどのようなものであるかは、必ず実験的証拠に基づかねばならない。
現在宇宙がどのような形なのかははっきりとわかっていない。有限の空間なのか、それとも無限の空間なのか、はっきりしていない。ポアンカレ予想のような単連結な3次元閉多様体なのかもしれないし、空間に穴があるようなものなのかもしれない。もっとも、穴があるとしてそれはいったい何なのかという疑問もある。今のところ宇宙に穴のようなものがあるという実験的根拠はない。
しかし、仮に宇宙が無限の空間であろうと、果てしなく遠い時空は私たちにとって意味がないようにも思える。そのような永遠の時空の事象は私たちに何ら影響を及ぼさないのではと思えるからだ。光よりも速く進むものにとってはそうでないかもしれないが、光速を超えるものはあまり現実的なものではない。
「科学とは観測可能なもののみを対象とする。」と量子力学で名高いディラックが自分の名著「量子力学」で述べているように、科学とは観測にかからないものは論ずるべきではない。宇宙の広がりが仮に無限であるとしても、実質的に有限であるということはあり得るのである。
その疑問に数学的な立場から迫ったものにポアンカレ予想というものがある。ポアンカレ予想とは「単連結な3次元閉多様体は3次元球面S3に同相である」というものだが、簡単にいえば、丸いボールの内側の空間を想像してほしい。ポアンカレ予想を別な言葉でいえば、空間の任意の部分で紐をぐるりと繋げた後、空間に穴がないために、紐をたぐりよせて回収できるというものだ。空間に穴があるとそこで紐がひっかかってしまい紐が回収できなくなる。単連結な3次元多様体がすべて丸いボールの内側の空間と同じだということである。”穴”がある空間とは、例えばドーナッツ型浮輪の内側のような空間を想像してほしい。この空間は例えば浮輪を一周するように紐を繋ぐと、紐をたぐりよせた時に内側の"穴"にひっかかって、紐を回収できない。
この予想は1904年にポアンカレによって提出され、2002,3年頃にロシアの数学者ペレリマンによって証明された。両者ともに天才数学者なのであるが、宇宙の構造というものが純粋数学の立場から追究できるのはすごいことだ。
ただ、これはあくまで数学者の頭の中で考えた3次元空間についていえることであって、宇宙の構造を解き明かす手がかりとはなっても、私たちの住む宇宙について当てはまるとは限らない。宇宙がどのような構造であるかは、ポアンカレ予想とは必ずしもつながらない。ポアンカレ予想が証明されたからといって、宇宙が単連結な3次元閉多様体だと証明されたと思ってはいけない。宇宙の構造がどのようなものであるかは、必ず実験的証拠に基づかねばならない。
現在宇宙がどのような形なのかははっきりとわかっていない。有限の空間なのか、それとも無限の空間なのか、はっきりしていない。ポアンカレ予想のような単連結な3次元閉多様体なのかもしれないし、空間に穴があるようなものなのかもしれない。もっとも、穴があるとしてそれはいったい何なのかという疑問もある。今のところ宇宙に穴のようなものがあるという実験的根拠はない。
しかし、仮に宇宙が無限の空間であろうと、果てしなく遠い時空は私たちにとって意味がないようにも思える。そのような永遠の時空の事象は私たちに何ら影響を及ぼさないのではと思えるからだ。光よりも速く進むものにとってはそうでないかもしれないが、光速を超えるものはあまり現実的なものではない。
「科学とは観測可能なもののみを対象とする。」と量子力学で名高いディラックが自分の名著「量子力学」で述べているように、科学とは観測にかからないものは論ずるべきではない。宇宙の広がりが仮に無限であるとしても、実質的に有限であるということはあり得るのである。