世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

久保利明、棋王位奪取、初タイトル獲得!

2009-03-31 16:25:37 | 囲碁・将棋
第34期棋王戦第5局は久保利明が勝って棋王位を奪取した。久保は初タイトル獲得。敗れた佐藤康光は2002年に王将を獲得して以来7年ぶりに無冠に陥落した。久々に「佐藤康光九段」の呼称が復活する。

久保はタイトル5度目の挑戦でタイトル獲得となった。嬉しいだろう。初タイトルの獲得は2007年に王位を獲得した深浦康市以来だ。久保は1期だけのタイトル在位とならないよう、来期も防衛にむけてがんばってほしい。

民主党への逆風

2009-03-31 01:05:22 | 政治・行政
西松献金事件に端を発する民主党への逆風は次期衆議院選での選挙対策の見直しを余儀なくするものだ。これまでは世論をバックに政権への批判で攻勢を強めていたが、現在は劣勢になりつつある。先日の千葉県知事選で民主党推薦候補が敗れ、自民党系の森田健作氏が当選したことも現在の民主党の危機を物語っている。

政権交代の見込みは予測困難になりそうだ。

明治大学の演劇学専攻

2009-03-30 01:18:53 | 社会
大学は法律や経済、数学や物理ばかりを研究するところではなく演劇やCMについて教授しているところもある。例えば日本大学や明治大学には演劇学専攻があり、女優の井上真央は明治大学文学部の演劇学専攻をつい最近卒業したらしい。

このような学部は通常の国立大学にはなく、演劇学専攻があるのは私立大学の特徴だろう。明治大学というと東京六大学の一つでビートたけしが卒業するなど芸能人の著名人の卒業生も何人かいることで知られる有名大学だ。

残念ながら演劇学専攻がどれほどの評判かはわからないが、ウェブ上のあるページによれば脚本家や俳優、映画監督などを多数輩出しているらしい。演劇の高等教育がどのようなものか興味深いが、どのようなことを教授するのだろう。

きっとそこそこ面白いのだろう。

森田健作氏、千葉県知事に初当選確実

2009-03-29 21:20:55 | 政治・行政
元自民党議員、現在は無所属の森田健作氏が千葉県知事選で当選確実となった。民主党推薦の候補は落選した。西松献金事件での小沢氏進退論が影響したのだろう。森田健作氏は前回の千葉県知事選では落選したが、今回は当選となった。かつて俳優であったことによる知名度の高さなどが有利に働いた。民主党は逆風だ。

内閣支持率上昇

2009-03-29 15:29:28 | 政治・行政
西松建設事件で民主党代表・小沢一郎氏の秘書が起訴されて、内閣支持率が少し上昇した。麻生氏と小沢氏でどちらが首相にふさわしいかという世論調査も麻生氏が小沢氏を逆転した。小沢氏は代表を辞任すべきだという意見が過半数であることが世論調査結果明らかになった。攻勢が続いた民主党もついに逆風だ。

ルパン三世VS名探偵コナンの感想

2009-03-28 00:18:22 | スポーツ・芸能・文芸
「ルパン三世VS名探偵コナン」を見たが、面白くなかった。ルパンは大人にも子供にも幅広く人気でクールでかっこいいのがよいところだ。コナンは子供に人気で頭のよさでかっこよく推理して犯人を追いつめるのがよいところだ。それぞれのよさを同じ舞台で両立させるのは無理のようだ。作成側は何とかがんばったのだろうが、結果はよくない。違う作品を同じ舞台でやることには無理がある。

ルパン三世VSコナンで話題をよんだかもしれないが、今回の共演は互いのよさをつぶしあっている。

ルパンとコナンの対決といっても決着はつかないのは放送前から予想できたし、そもそも対決自体が描かれるのかも放送前から疑わしかった。案の定、ルパンとコナンの対決シーンなどなく、共通の敵をともに捕まえる内容となった。

作中では推理シーンでコナンのよさを演出し、ラストの桜の木の前での回想と王女との会話でクールでかっこいいルパンのよさを演出した。それぞれ通常の「名探偵コナン」と「ルパン三世」のクライマックスだが、同じ舞台で質の異なるクライマックスが2度あるのは視聴する側には感動が少なく違和感がある。やはり、質の違う2作品を同じ舞台で演出するのが、そもそも無理がある。

もう今後共演はないだろうが、「ルパン三世」、「名探偵コナン」の両方とも面白いと思う私にとっては、もう今後は共演作品がなく、いつもどおり全く次元の違う世界で活躍してくれた方が面白い2作品を楽しめると思う。

7の2009乗の1の位は?

2009-03-27 16:54:20 | 物理学・数学
問題
自然数nの一の位を[n]で表す。例えば[7]=7、[15]=5である。次の値を求めよ。
①[7の4乗] ②[7の8乗] ③[7の2009乗]

解答
①[7]=7、[7^2]=9、[7^3]=3、[7^4]=1より、[7^4]=1 ・・・(答)
②[7^5]=7、[7^6]=9、[7^7]=3、[7^8]=1より、[7^8]=1 ・・・(答)
③①②より[7^m]は7,9,3,1,7,9,3,1,...と(7,9,3,1)が循環する。
2009=502×4+1より、[7^2009]=7 ・・・(答)
--
よくある問題である。n^mの1の位には規則性があることをきちんと見抜きたい。
①②はその規則性に気づかせるための誘導だ。①②の解答のようにきちんと7^1~7^8まで実際に求めた人は規則性に気がつくだろう。

③の指数部分は大きく手計算ができない数なら何でもよく、今年が2009年なので2009乗とした。

この問題は中学生は勿論のこと、指数表記の意味さえわかれば小学生でも解ける問題だ。
高校生になると「2^100の最高位の数字を求めよ。」といった問題も出題される。ちなみに答えは1である。

大学入試レベルでも本問の類似問題が出るのできちんと演習しておくべきである。

1000!は3で何回割り切れるか?

2009-03-27 15:35:09 | 物理学・数学
問題
1×2×3×・・・×1000は3で何回割り切れるか?

解答(小学生向け)
1000/3=333.33・・・、よって1~1000までに3の倍数は333個ある。・・・①
1000/(3×3)=111.11・・・、 よって1~1000までに3×3=9の倍数は111個ある。・・・②
1000/(3×3×3)=37.03・・・、よって1~1000までに3×3×3=27の倍数は37個ある。・・・③
1000/(3×3×3×3)=12.34・・・、よって1~1000までに3×3×3×3=81の倍数は12個ある。・・・④
1000/(3×3×3×3×3)=4.11・・・、よって1~1000までに3×3×3×3×3=243の倍数は4個ある。・・・⑤
1000/(3×3×3×3×3×3)=1.37・・・、よって1~1000までに3×3×3×3×3×3=729の倍数は1個ある。・・・⑥
1~1000までに7つ以上の3だけの積から構成される数の倍数はない[1]。・・・⑦

1~1000までに3の倍数は333個あるので、まず333回3で割り切れる。(∵①)
上述の3の倍数のうち9の倍数は111個あるので、さらに111回3で割り切れる。(∵②)
上述の9の倍数のうち27の倍数は37個あるので、さらに37回3で割り切れる。(∵③)
上述の27の倍数のうち81の倍数は12個あるので、さらに12回3で割り切れる。(∵④)
上述の81の倍数のうち243の倍数は4個あるので、さらに4回3で割り切れる。(∵⑤)
上述の243の倍数のうち729の倍数は1個あるので、さらに1回3で割り切れる。(∵⑥)
上述の729の倍数のうち3×3×3×3×3×3×3、3×3×3×3×3×3×3×3、・・・の倍数はないので、これ以上3で割り切れない[2]。(∵⑦)

よって、333+111+37+12+4+1=498回3で割り切れる。・・・(答)
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注意
解答は小学生でもわかるように書いているので3の2乗(3^2)といった指数表記を避けている。[1][2]を中学生以降の読者向けの表現にすると次のようになる。
[1]1~1000までに3^n(n≧7の自然数)の倍数はない。
[2]上述の729の倍数のうち3^n(n≧7の自然数)の倍数はないので、これ以上3で割り切れない。
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本問は小学生向けの少し難しい問題を紹介するために私が創作した問題だ。小学生向けの問題のため問題や解答の記述は小学生向けにしてある。例えば、問題文は『1000!は何回3で割り切れるか?』と同じだが、小学生への説明のため上述のような記述にした。

本問の土台になった問題は「教えてgoo」の質問にあったもので、

「1×2×3×・・・×15が3で何回割り切れるか答えなさない。-質問、この問題の意味がわかりません。」

という質問を参考にした。「問題の意味がわかりません。」と質問されても、「文章どおりの意味だ。」としか答えようがなく、このような質問をされると困る。数学力の問題というより日本語力の問題だ。珍しい質問なので印象に残った。

それはさておき、この問題の答えは勿論「6」だ。この問題は15!を素因数分解した時の3の指数部分を求めればよい。
15!くらいなら1~15をそれぞれ素因数分解して3の指数部分を求めるかもしれないが、それを問題にしては考える力が試されない。

そこで問題は1000!にした。1~1000までの数をすべて素因数分解して3の指数部分を求めようとすると非常に煩雑なので普通の人は、そのような方針をとらないだろう。ではどうやって3の指数部分を求めるのか。そこが知恵を働かせるべきところだ。

最終的には解答のようなになる。この問題を一般的に「n!は3で何回割り切れるか?」とすれば、ガウス記号を[x]として、

[n!/3]+[n!/3^2]+[n!/3^3]+・・・+[n!/3^k]+・・・

となる。[x]はxを超えない最大の整数である。例えば[3.14]=3である。

小学生には少し難しく計算がめんどくさいかもしれないが、きちんと本問を理解して解答してほしい。

問題を作成していて偶然気がついたが、
1000÷81=12.3456790123456790123456790123456・・・
となる。8を除いて1から順に規則的に数が循環する数となるのは面白い特徴だ。

羽生善治、王将位防衛!-第58期王将戦第7局

2009-03-27 00:37:21 | 囲碁・将棋
第58期王将戦第7局は羽生善治が勝って王将位を防衛した。羽生キラー深浦との対戦らしく最終局までもつれ込んだ決着は羽生が制した。一昨年、昨年の王位戦と2回続けて深浦にフルセットで負けているだけに、3連続敗退は許されなかった。最近のWBCのイチロー流に言えば「(深浦相手に)3連続タイトル獲得失敗はできませんよ。それはプライドの問題なんで。」という状況に近かった。

羽生はこれで王将通算12期、5連覇だ。タイトル獲得数も72期に伸ばし、大山康晴のタイトル80期更新に近づいている。今年はタイトルのトップ記録更新はないだろうが、来年、遅くとも再来年にはタイトル獲得トップ記録が更新されるだろう。

朝青龍八百長報道で講談社に4300万円の賠償命令

2009-03-27 00:37:07 | 社会
『大相撲の八百長疑惑を報じた「週刊現代」の記事で名誉を傷付けられたとして、日本相撲協会と横綱朝青龍関ら力士30人が発行元の講談社などに計約6億1000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、東京地裁であった。中村也寸志裁判長は「取材は極めてずさんだ」として講談社側に計約4300万円の支払いと記事を取り消す広告の掲載を命じた。[1]』『同誌は「横綱・朝青龍の八百長を告発する!」と題した平成19年2月3日号から3回連続で、朝青龍関を中心に相撲界に八百長が横行していると報じた。中村裁判長は、判決理由で「八百長の合意や現金授受の具体的内容が明らかでない」と指摘。「(記事は)社会の注目を集めたが、力士生命にかかわる。具体性や迫真性があり、一般読者が真実だと受け取りやすい」として、高額な慰謝料支払いを命じた。[1]』

朝青龍の八百長疑惑が報じられたときはやたらとメディアが取り上げ、週刊誌側がいかにも自信ありげに朝青龍の八百長を報じていたので何か確かな証拠があるのかと思っていたら、ずさんな取材で証拠などなかった。これだから週刊誌の記事は信用できない。

この判決による賠償金の内訳は朝青龍関1100万円、相撲協会660万円、栃東関ら6人各220万円、琴欧州関ら8人に各110万円、豊ノ島ら15人に各22万円だという。週刊誌の売り上げによる利益を考えれば4300万円など安い負担だろう。

確かに名誉毀損の損害賠償では一般人では100万円いけばいいほうで、有名人であることを考えても一般の名誉毀損の損害賠償金と比べれば朝青龍への賠償金1100万円は高い。

しかし、こういう賠償金では出版社側が「敗訴しても記事が売れればトータルで利益が出る」と考えて不法な出版を続ける危険がある。不法行為の抑止という観点を考えれば賠償金はもう少し高くていいかもしれない。

それにしても週刊誌は本当に信用性がない出版物だ。真実かどうかわからない内容を世間に発表し人々を欺いたり、名誉を傷つけるのは許されない。だから私は週刊誌を読まないし、内容を信用していない。

しかし、世間の人は有名人のトラブルとか恋愛事情といったスキャンダラスな内容に興味があるため、そのような内容がある週刊誌を面白半分で読み続けるのだろう。出版社側も内容を大げさに書いたり、ありもしないことをでっち上げたりしてスキャンダラスに記事を書く。
 
週刊誌を読む人々にとっては記事の真実性はたいした問題ではなく、読んで面白いかどうかが重要なのだ。週刊誌を読むのは娯楽の一種と変わらないのだろう。週刊誌を読むことがフィクションドラマを見ることとたいして変わらないことなのだ。

嘘や信用性がない内容を読んで面白いのかもしれないが、少なくともその内容を基にした言論は無価値である。

参考
[1]産経新聞(Web) 2009.3.26

小沢氏の続投について

2009-03-26 01:30:02 | 政治・行政
小沢氏の公設秘書が逮捕・起訴された件で小沢一郎氏は民主党の代表を続投する考えを示した。党内には自主的な辞任を求める声もあったようだが、続投の結論だった。法廷では徹底して争うつもりなので辞任しないという理屈だろう。

衆議院選挙はどうなるのだろう。

女流棋士の実力について

2009-03-25 00:18:12 | 囲碁・将棋
将棋を知らない人と女流棋士の話をすると、「普通の六段と女流六段って同じ実力なんでしょ?」「将棋って知能勝負なのに男女別に戦ってるのはおかしくない?知能には体力みたいに男女差はないでしょ。どうして女流棋士制度があるの?」といったことを述べる人がいる。

女流棋士と一般プロ棋士(以下、一般棋士と略す)の実力差についてこのような誤解ないし疑問を持つ人のほとんどは将棋界についてほとんど知らない人だろう。

以下に述べることは男女平等思想が広まっている現代においては否定的にうつり批判を招くかもしれないが現実であるため端的に述べる。

はっきりいって女流棋士は一般棋士より圧倒的に実力が劣っているのが現実で、「女流棋士は一般棋士より弱い。」というのは将棋を知る人には常識である

女流棋士の一般棋士との対戦勝率は女流のトップですら3割にとどかないのが現実で、他の女流棋士にいたっては2割にとどくかどうかだ。最強の女流棋士・清水市代の全盛時代ですら、一般棋士と戦うと「弱い」というのが通説的見解である。女流棋士のトップの実力は奨励会初段程度で、それ以外の女流棋士は初段に満たない実力しかないのが現実である。

しかし、人によっては「最近の奨励会初段はすごい。一般棋士と戦ってもそこそこに勝つ人がいる。女流トップはそのレベルの高い奨励会初段と同程度の実力なのだからすごい。一般棋士と10回戦って2,3回勝てるんだから実力は思いのほか高い。」と評することがある。

しかし、私に言わせてもらえばこうした評価は客観的見解とは程遠いもので、女流棋士の実力を高く評したい又は女流棋士の実力が低いというのを否定したいという偏った見解に基づくものだと思う。

プロの世界では勝率は5割で互角だ。勝率が4割というだけでも、かなり負け越していおり対戦相手との相性が悪いと評する人もいるかもしれないが、実力に差があると見なす人もいる。それなのに、勝率が2、3割しかないという状態は相性が悪いという問題ではく明らかに実力が劣っている証拠である。「一般棋士相手に10回中2,3回勝てるから実力が高い。」というのは不当な評価であって「一般棋士相手に10回中2,3回しか勝てないから実力が劣っている。」とするのが正当な評価である。

当然の事ながら上に述べた一般棋士の六段と女流六段とは同じ実力ではなく、圧倒的に女流六段の方が弱い。それに上記の質問はプロの段位を勘違いしている。プロの段位は実力の指標というより、肩書きや地位である。低段の人間でも強い棋士はいるし、高段でもそれほど強い棋士といえない人もいる。例えば、郷田真隆はデビューしたての四段で王位のタイトルホルダーになった。

しかし、段位が棋士の地位だったとしても一般棋士の六段と女流六段は同等ではなく、女流六段の方がずっと低い地位である。そもそも女流棋士は日本将棋連盟の正会員ではなくプロの最低位である新人の四段より地位が低い。それを示す一つの例を述べると、将棋のタイトル戦の一つ王座戦の予選一回戦では女流棋士トップ4名と新人の四段が戦う機会があるが、上座に座るのは新人の四段棋士だということが挙げられる。

また、上記の質問にある「なぜ将棋は男女別にしているのか?」「なぜ女流棋士制度が存在するのか?」という問いに対しては女流棋士制度の設立経緯から回答する必要がある。

もともと一般棋士になる正規のルート(奨励会→四段昇段)は男女別の制限をしているわけでなく男女平等である。女性だからといって一般棋士になる上で制度上の制約があるわけでない

むしろ女性は男性よりも優遇されていて、女性は女流棋士ルート、一般棋士への正規ルート、プロ棋士編入試験ルートの三つの道を自由に選べるのだ。それに対し、男性がプロになるには正規ルート又は新たに設けられたプロ棋士編入試験ルートしかない。

しかし、男女平等で進めてきた一般棋士への正規ルートを通過したのは現在まですべて男性であり、女性は現在まで一人も通過していない

女流棋士制度ができる以前は女性がプロ棋士になるためには正規ルートを通過するしかなかったが、男女平等の正規ルートでは現実問題としてあまりにも女性がプロになれず、女性への将棋普及が遅れる等不都合が生じた。そのため、女性への将棋普及等を目的として女流棋士制度が誕生したのである。

「知性は男女差がないはずなのになぜ男女で実力差があるのか?」という問い対しては多くの人が様々な意見を述べている。

「将棋人口1500万人のうちの女性人口は0.2%に過ぎず、数が圧倒的に違うのだからプロ棋士選抜の過程で男性の方が質の高い人が集まり実力差が生じる。」「男性の方が論理的思考、空間認知能力に長けた脳を持っているため女性よりも実力が高い。」「将棋は純然たる知性の勝負ではなく対局時間が丸1日近くなるなど長時間で体力を使う。そのため体力的に劣る女性が男性よりも不利になる。」

女流棋士が一般棋士よりも実力が劣る原因については上述のように様々なことが言われているが、どれも決定的な理由ではない。

この原因をきちんと突き止め真実を明らかにすることは将来的には合理的な制度運営のために必要だ。仮に男女に生来的な将棋の実力差があるなら男性と女性を同じ土俵で戦わせることは合理的でない。きちんと男女を区別しプロ棋士の選抜や棋戦を運営すべきである。それは、陸上競技で男女を分けるのと同じだ。ひょっとすると女流棋士が男性棋士に勝てない原因は100m走トップの男子に女子が勝てないのと同じことかもしれない。

男女に生来的な将棋の実力差がないなら、将棋が女性にきちんと普及したら女流棋士制度を廃止した方が合理的である。実力が平等なのに男女の形式的な区別だけで違った制度を設けるのは合理的でないし、実力差がないなら女性はいつか男性と同等の実績を残せるはずだ。

女性が女流棋士ルートと一般棋士正規ルート等を自由に選べる現行の制度は女性への将棋普及といった効果があるだけでなく、女性と男性に生来的な実力差がある場合とない場合の両方に対応できる点もよいと思う。現在では男女の実力差の原因についてはっきりとわかっていないのだから専門家の人がそれを明らかにするまで、専門家以外の人は実力差の原因について深く考えず現行の制度を維持するのがよい。専門家が原因を明らかにしたときに制度を改善すればよいのである。

女流棋士が圧倒的に一般棋士の実力に劣る現状で男女の知力差にその原因はないかという検討をするのは、下手をすると「女性は男性よりも知性が劣っている。」という結論になって周りから猛烈に批判されることになりかねない。多くの人は、特に女性は男女の能力は平等であると信じ、女性が男性に劣っているということを否定したがるが、科学的な真実と思想とは全く関係がない。中世の暗黒時代のように思想で真実を否定するようなことにならないでほしいし、真実から目を背けては合理的な制度は生まれない。

将来的には男女の将棋の実力差についてきちんと真実を明らかにし、適切な制度を運営しなければならない。しかし、真実を発見する作業は一般人が行っても憶測の域を出ないので専門家である学者に任せておけばよいだろう。

現状では女流棋士が男性棋士の実力に圧倒的に劣るのが現実だが、その原因や男女の生来的な実力差についてはいずれ明らかになるだろう。

脳トレーニングに対する漢字と数学について

2009-03-24 00:43:49 | 社会
クイズ番組などで漢字の読み書きを出題することが多いせいか、最近は漢字ブームである。高齢者の脳トレーニングによいとされ漢字を覚えることがはやっているようだ。

しかし、脳を鍛えるなら漢字よりも数学の方がよいと思う。クイズを見ると難しい漢字の読みを思考力や想像力で答えることがあるが、基本的に漢字の読み書き力で重要なのは記憶力である。ほとんどの場合知っているか知らないかが漢字の読み書きができるかを左右する。

覚える能力と考える能力は後者の方がずっと高度である。考える力とは何もないところから独力で問題を解決する能力であり、独創性こそが思考力の本質である。単に覚えていることを吐き出す記憶力とは質が異なるし、ずっと高度である。

記憶力がある人より考える力がある人の方がずっと高度なのは、受験秀才やクイズ王が束になってかかってもニュートンやアインシュタインに勝てないのと同じである。どちらが高度か一目瞭然だ。

クイズ番組は視聴率獲得のため簡単に説明できる難しい漢字等を出題するが、真に考える力を上げたいなら、記憶力を問う漢字力よりも数学の方がよい。数学は漢字に比べて覚えることは少ないが、覚えたからといって問題が解けるようにはならない。学校で学ぶ科目のうち、考える力が最も試される試験はおそらく数学の試験だろう。

記憶力要請か思考力要請か。目的に合わせて能力トレーニングするとよいだろう。