米研究者がアメリカの小・中・高の生徒を対象にした数学試験で男女差がなかったと発表した[引用参照]。「男性は女性より数学能力が高い。」とする見解は多いが、この結果はそれを否定するものだ。
しかし本当に正しいのだろうか。調査対象となったのはアメリカの生徒だけだ。OECDの行った調査によれば、2回の調査とも男子と女子の数学能力には統計上優位な差があった[1][2]。しかし日本に限れば優位な差はなかった[1][2]。
この結果は米研究者の調査結果が「男と女の数学能力に差はない。」と結論付けるには不十分であるか、誤りである可能性を示唆するものだ。米研究者の調査は単にアメリカだけで統計上の優位差がなかったというだけで、世界全体でみれば優位な差があるのかもしれない。
ただ、能力とは関係なくアメリカも日本も女性の方が数学や理科をやりたがらないのは間違いないと思う[3][4]。
--47NEWS(2008.7.25)
「女性は数学苦手」は俗説 全国試験解析で米研究者
【ワシントン24日共同】全米の小、中、高校生を対象に実施された数学の試験の成績を解析したところ、男女差はなかったとの結果を米ウィスコンシン大の研究チームが25日付の米科学誌サイエンスに発表した。
チームは「女性は数学の能力に劣るとの固定観念が親や教師にあるが、認識を改めないといけない」と指摘している。
チームによると、2002年以降に義務化された全米一斉試験で、日本では小学校2年生から高校2年生に相当する児童・生徒約700万人分の数学の成績を10州から入手し解析。その結果、女性が勝っている学年の方が多かったが、男女差は極めて小さく、統計上有意な差はなかった。
男性の方がばらつきが大きい傾向にあったが、トップレベルの成績についても男女差は認められなかった。
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参考
[1]
文部科学省のHP
[2]
文部科学省のHP
[3]
文部科学省のHP
[4]
文部科学省のHP