ハーバード大学のブリガム&ウィメンズ病院が研究不正の申立て解決に1000万ドルの支出を行うという。米国は研究不正の対応でも日本よりずっと進歩的だ。
そういえばピラミッドはどうやって作ったのだろう?紀元前2000年以上前の時代にどうやってあんな巨大な物を作ったのか不思議だなあ。
米国のデューク大学は捏造したデータで総額2億ドルの研究費を得た事で訴えられた。最高で6億ドルの返還の可能性があるという。米国は厳しい。日本でも研究不正による成果や撤回すべき成果で公的研究費を得ると不正になり罰則がくだされるだろう。日本ではおそらくやっちゃってる人や団体があると思う。
日本は米国ほど厳しくないが、日本でも不正な方法で研究費を獲得すると訴えられるのだろうか。刑事的には詐欺罪などになるかもしれない。補助金適正化法などの特別法はよくわかないが、広島大学の人工心臓捏造事件で「広島県警捜査二課は、・・・文部省の科学研究費申請に捏造データを使用していれば、補助金適正化法に違反するとして、七日から調べを始めた。」(読売新聞 1983年12月17日 夕刊 1面)と報じられたので、刑事罰になり得るのだろう。もっとも警察や検察が研究不正の問題を捜査して、どれほど適切な捜査ができるのかよくわからない。ディオバン事件では特捜がよく捜査したと思うので、学術問題でも十分な捜査ができるのかもしれない。ディオバン事件などの例から警察が調査した方がいいという主張もある。
公正な活動が必要である。
中国の107報の論文が査読欺瞞で撤回された。前に中国人の学位取り消しが多い事を紹介した事がある。博士の審査前にコピペを調べる業者に調べてもらって通過したものだけを審査する事があり、そういうサービスがビジネスとして成り立つほど中国では盗用学位論文が多いという推測がある。学術論文がスーパーのようによりどりみどりで、売買されているという報道もある。
前にも中国の論文の査読欺瞞による大量撤回が報じられた。
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今年3月、英国出版社は43件の論文を撤回。うち中国のが41件だった。さらに8月にはドイツの学術誌が64件の論文を撤回し、大部分が中国のものだった。10月には「ランセット」「セル」といった学術誌を発行している国際的な出版社「エルゼビア」が9件の論文を撤回。全て中国のものだった。論文撤回の理由についてこれらの出版社は、「第3者機関の評価に不正があった」と述べている。
なぜ中国の論文が相次ぎ撤回されるのか、中国の関連機関は、代筆や同業者による評価などで不正が横行していると明らかにした。
同業者による評価は論文掲載の重要な判断基準になるが、中国の関連機関の調査によると、中国の論文では第3者機関が偽りの評価を提供していることが判明。論文に対して肯定的な評価を行い、関連の資料と共に学術誌に投稿しているという。撤回された論文の大多数ではこうした不正が見られ、中には論文の執筆代行を行う不正も確認された。中国の関連機関はこうした不正の取り締まりを強化し、関連の規定にのっとり処理するとしている。
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(レコードチャイナ 2015.11.14)
ロシアの学術界は腐敗しているが、中国の学術界も腐敗しているのかもしれない。
新潟薬科大教授が研究業績を偽り補助金240万円を不正受給し、諭旨解雇になった。諭旨解雇は3月31日付。研究業績を偽って公的研究費を不正受給すると、数年間の応募禁止などの罰則があるが、それだけでなく解雇等の重い懲戒処分もある。
不正論文を申告したり、撤回すべき論文を撤回せずに業績申告したり、著者でないのに著者として名を記載して業績申告する等の不正を行うと、このような重い罰を受ける事がある。下手をすると詐欺罪に問われるかもしれない。
2015年に韓国人のハン・ドンピョが捏造した研究成果で巨額の研究費を詐取したとして、懲役57ヶ月、720万ドルの返還命令を受けた。
捏造論文や撤回論文の発表やそれに基づく研究費の不正取得は重い罰則だけでなく、他の研究者にも甚大な損害を出す事がある。公正な活動が必要だ。
最年少棋士となった藤井聡太四段が炎の七番勝負の最終局で羽生善治三冠に勝ち、スポーツ新聞の一面トップや他の新聞やニュースでも大きく報じられ、注目を集めた。羽生善治が藤井聡太を絶賛する報道もあった。公式戦も13連勝中で、デビューしてからの連勝記録を更新。
炎の七番勝負の対戦相手と結果は
第一戦 増田康宏四段 2016年新人王 勝ち
第二戦 永瀬拓矢六段 負け
第三戦 斎藤慎太郎六段 2015年度勝率1位 勝ち
第四戦 中村太地六段 2011年度勝率1位(0.8511) 勝ち
第五戦 深浦康市九段 A級棋士 勝ち
第六戦 佐藤康光九段 A級棋士 永世棋聖資格保持者 勝ち
第七戦 羽生善治三冠 七冠独占者、永世七冠、最多タイトル獲得、勝ち
6勝1敗。
上の棋士を相手に新人の四段がこの成績を出すのは、大相撲でいえば新十両が横綱、大関、三役3、4人と伸び盛りの強豪平幕上位2人くらいを立て続けに破ったような感じ。普通はない。なぜなら一般に新人の四段とA級棋士やタイトルホルダー等とは実力が大きく違うからだ。藤井聡太の天才ぶりが光った。だから、大きく騒がれている。
炎の七番勝負は非公式戦で、藤井聡太を持ち上げてスター化し、売り込んで金儲けするための戦略だ。将棋連盟にとっては昨年のスマホ不正などで大きく失墜した将棋界の信頼と悪い収益を回復するため、久々に現れた天才棋士の登場を絶好の金儲けのチャンスととらえ、藤井聡太を大きく売り込んで大きく儲けたいという考えだ。
連盟の目論見どおり、藤井聡太は新たに登場したスターと化しつつある。羽生善治が落ち目になってきている中で、次は藤井聡太を中心に売り出して金儲けしますよという宣言のようだ。
藤井聡太はこれからもスターとして将棋界の広告塔を担い、いろいろとメディアに登場するだろう。
近年はプロ棋士の強さをコンピューターが凌いでしまって、状況が10年前と変わっている。将棋連盟が藤井聡太を新たなスターとして売り出す戦略がどれほど金儲けにつながるのか不明だが、最近の世間の様子を見ていると藤井聡太の提灯記事の影響を受けて多くの人が藤井聡太をスターと思っているようで、日本人は本当にスターを売り込む戦略の影響を受けやすいと思った。O 女性研究者の時も同様だった。
今後の活躍を期待する。
シュプリンガーが査読欺瞞で107論文を撤回した。査読欺瞞でここまで多くの論文が撤回された事はなかったのではないか。最近は査読欺瞞が流行っているが、日本も対策が必要ではないか。主に中国の医学系の論文が大量に撤回された。リトラクションウォッチによると偽のメールアドレスを使った実在の研究者名による論文投稿や論文評価を提供する第三者編集サービスの利用があったようだ。Tumor Biology誌の107論文の撤回は学術誌が一度に撤回した論文数の最多記録。
気をつけないといけない。
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(2017.4.25追記)
日置智津子(Chizuko Hioki、経歴)近畿大学東洋医学研究所講師らの論文が重複発表で削除された。
日置智津子、新井勝彦、高士将典、新井 信.漢方医学教育における漢方生薬実習の検討.医学教育2009;40(4):271−278.
以下の論文が撤回された。撤回理由不明。栗原佑一は慶應義塾大学医学部皮膚科助教。
栗原佑一、他 "芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍の1例" 臨皮67:797-802,2013
撤回公告は臨皮 68巻3号 2014年3月に掲載。
アニメ 美味しんぼ、第1話
人気漫画「美味しんぼ」の連載は現在も続いている。この話をみると精神論や気分がいいものが美味しいという描き方になっていると感じる。例えば第1話で主人公の山岡がいう次の言葉が典型だ。
「深海の自然の中で育った健康そのもののアンコウの肝臓と人間の小賢しい悪知恵で作り出した病的な肝臓とはたしてどちらが美味いか。しかもこのあん肝は取れたばかりをその場で調理した。フランスから送ってきたフォアグラとは鮮度も天と地の差がある。」(22分10秒頃)
確かにこう言われると気分はいいが、本当に美味しいのだろうか。鮮度がいい方が美味しいのはわかる気がするけど、上の主張が本当かは全くわからない。
美味しんぼの主張だと人工的なものや化学調味料等を使ったものは全くだめなのだろう。例えば松阪牛はきれいな霜降りや美味しい肉になるように、かなり手間をかけて育てられているのを見た事がある。例えば牛をマッサージしたりビールを飲ませたりしていた。肉質のいい牛が生まれるような人工授精もやっていた。全く自然に育った牛ではなく、完全に人工的に育てられた牛だ。
美味しんぼの考えに従うと、このような牛の肉は自然で育った健康そのものの牛の肉より味が落ちるはずだが、このように育てられた最高級の松阪牛は多くの人が美味しいと認めている。実際にとても美味しいのだろう。上のアニメに出てきた食通の先生方と同様の意見が多そうだ。
私は気分がいい事と美味しい事は別な事だと思う。漫画では読者に味が伝わらないから、気分がいい考えに沿っていれば美味しいという描き方をすると人気が出るという事かもしれない。
たぶん、食材によって天然物と人工物の味は優劣が違うのだろう。たぶん天然物より人口物の方が美味しいというものもたくさんあるだろう。一方で寿司のネタは天然物の方が一般には美味しく、天然物の方がよいということもたくさんあるだろう。
美味しい料理の追求はずっと続くだろう。
ところで、美味しんぼのOPとEDは主人公の山岡士郎とヒロインの栗田ゆう子の恋愛を描いているが、美味しんぼは恋愛は重要じゃなくてグルメ漫画だから、それにあわないOPやEDではないかと前から思っているが、二人の恋愛を強調した方が人気が出るのだろうか。原作ではとっくの昔に結婚して二人は一男二女の親。数年前に確執が続いていた父 海原雄山と和解し、現実のニュースで歴史的和解と報じられた。福島の原発の鼻血に大きな批判が出た問題も報じられた。
この漫画はいつまで続くのか。