世界変動展望

私の日々思うことを書いたブログです。

モノポールについて

2009-07-30 00:57:57 | 物理学・数学

磁場に関するガウスの法則 divB(x,t) = 0 は磁気単極子(モノポール[用語1])が存在しないことを表す。磁石には必ずN極とS極があり、それを分離することはできないことを示している。

磁荷の定義は複数あるが、その中の一つに円形電流による磁荷の定義がある。円形電流による磁荷の定義に入るのに先立ってまず、円形電流が作り出す磁場について考察する。

よって、微小な円形電流が遠方につくる磁場は磁気双極子モーメントが(6)で与えられる磁気双極子が遠方につくる磁場と全く同等である。一般に平面上の閉電流Iのつくる遠方の磁場は、その平面の面積Sに電流Iをかけたものからつくられる

m=μ0SI ・・・(7)

のモーメントをもつ磁気双極子の遠方につくる磁場と同じである。つまり、円形電流のつくる磁場を磁気モーメントが(5)で与えられる磁気双極子がつくる磁場とみなすことができる。逆に、磁気双極子がつくる磁場を円形電流による磁場とみなすこともできる。

そこで、円形電流によって磁荷の絶対値がμ0Iπa2/sであたえられる正負の磁荷が共に生じていると解釈することで、正の磁荷をμ0Iπa2/sで定義する。負の磁荷の定義は無論μ0Iπa2/sである。この定義では必ず正負の2つの磁荷がともにあらわれる。円電流による磁荷の定義によれば、正負の磁極を分離できないのは当然といえる

では、本当に磁気単極子(モノポール)はないのかというと、そうともいいきれない。用語1のとおり、モノポールの存在を示す理論があり、現在探索が続けられている。大統一理論によれば、モノポールの質量は陽子の1016倍なので、加速器でつくることはできない。モノポール探索者はおそらく自然界に存在するものを探索しているのだろう。

モノポールが見つかると、マクスウェル方程式が変更されたり、円電流による磁荷の定義が撤廃される、又は見直されるだろう。マクスウェル方程式は現象にあうようにつくられた現象論的法則なので、 「divB(x,t) = 0 だからモノポールはない」のではなく、「モノポールがみつかっていないので、 divB(x,t) = 0 」とされているのだ。 divB(x,t) = 0 がモノポールの存在を否定しているわけではない。

円電流による磁荷の定義は不可避的に磁気双極子を生じるため、単極子が定義できない。だから、このような磁荷の定義は見直されることになるだろう。円電流による磁荷の定義もモノポールの存在を否定するものではなく、不合理な点がみつかれば定義の方を修正・撤廃するべきである。

つまり、モノポールが存在しないとする証明はない。昔、誰かが「磁石はわけても、必ず双極になる。物体を分割し続けるとの最終的には素粒子になる。素粒子ですら磁気双極子なんだからモノポールなんてあるわけないだろ。」といっていた。

そういうことをいう人は「現在までモノポールが観測されていない」という事実が前提となってdivB(x,t) = 0 が構築されたことをわかっていない。単に電磁気学をわかっていないだけである。

電磁気学をきちんと学べば「既知の物質ではすべて磁気双極だが、既存の法則は未発見の物体がモノポールであることを否定するものはない。」ということはわかるだろう。

もっとも、既存の法則が多くの事実と整合的なことから「既知の物体でdivB(x,t) = 0」ではなく「すべての物体でdivB(x,t) = 0」 とするのが合理的であると考えれば、論理的にモノポールを否定することになる。しかし、繰り返しになるが厳密に言えば「すべての物体でdivB(x,t) = 0」 というのは完全に証明されていることではなく、多くの人に正しいと信じられているにすぎないものである。現在では素粒子理論の立場から、モノポールの存在を信じる人たちもいるわけで、そういう人たちは「すべての物体でdivB(x,t) = 0」 という法則は将来修正されるだろうと考えているだろう。

モノポールが見つかると、工業的にも面白く有用なことができるだろう。

用語
[1]モノポール:「磁石の N 極、S 極の一方だけを単独に取り出せるとしたときの粒子。1931年のディラックの理論によるが、実験では未発見。ある種のゲージ理論ではその解にモノポールが自動的に含まれていることが知られている。」 goo国語辞典より 2009.4.21 


理屈じゃないのさ、人を信じるってことは!

2009-07-29 00:00:59 | 感動した言葉
「理屈じゃないのさ、人を信じるってことは!」

この言葉は何かで聞いたことがあるのだが、どこで出たのか思い出せない。
推理小説の名探偵のように、いつも確かな理由がないと人を信じない人もいる。

しかし、人を信じるのは理屈じゃないと言う方が人間らしくてよい気がする。

大関互助会など力士間の八百長はあるのか?

2009-07-28 00:01:41 | スポーツ・芸能・文芸
近年大相撲界の八百長疑惑が報道されている。日本相撲協会や力士は以前から八百長はないと完全否定しているが、端的にいっておそらく八百長は存在するだろう。

その一つの例が大関同士で勝ち星を譲り合う大関互助会だ。日馬富士などのまだ若く今後も実力が伸びる期待が大きい大関はそんなことをしていないと思うが、疑わしいのは千代大海や魁皇といった年々実力が衰え、大関陥落の危機にさらされている大関である。

千代大海、魁皇の2人はとっくの昔に大関から陥落してもおかしくない。彼らの相撲を見ると、序盤の格下相手の取り組みで5勝5敗となり後半の横綱・大関戦を迎えるので負け越しを想起させるのに、大関戦では不思議と勝ち最終的に8勝7敗などで場所を終えることが多い。特に彼らが角番になっている場所ではその傾向が顕著だ。

近年何度もそういう取り組みを見ている。そんな不自然さがずっと続くと大関同士が明示又は黙示に結託して勝ち星を譲り合っているのではないかと疑ってしまう。

すなわち、大関の地位を守るために自分が負け越しのピンチの時はすでに勝ち越している、又は勝ち越しが有望な相手大関から負けてもらい、逆に相手がピンチの時は見返りとして自分が負けて勝ち星を譲るといった馴れ合い相撲を取っているのではないか。

事前の金銭の授受がなかったとしても、将来的な自分の地位の安定のためにそんな八百長相撲をとる可能性はある。また、上記のようなギブアンドテイクが黙示のルールとして慣習化している可能性はあり、ギブアンドテイクを実行すべき場面に力士が直面すれば、事前に共謀がなくとも力士が自然とギブアンドテイクの不文律を守り馴れ合うことも十分考えられる。

勝ち星を譲る側からしてみれば、大関の地位さえ守れれば番付が1枚上になるか下になるかは経済的に大きな差はなくさほど重要でない。ピンチの相手に恩を売って、将来の自分の地位に保険をかけておくメリットは十分あるだろう。

この馴れ合いは大関同士にとどまらず、平幕・三役の間でも横行していると思う。平幕でも相手力士にとっては消化試合の時に、勝ち越しを賭ける側の力士があっさり勝つことは珍しくない。それだけ頻繁にギブアンドテイクに見える取り組みが続くと、全て真剣勝負ではなくいくつかは八百長相撲と考えるのが自然に思える。

本当は真剣勝負で外見的に偶然ギブアンドテイクに見えただけというのは勿論あり得るが、そんな偶然は何度も続かない。もし続くようなら、偶然ではないと考えるのが合理的だろう。

5月場所終了後に横綱審議委員会が千代大海などの大関陣の成績の悪さを叱責したのは、このことと無関係ではないだろう。現在千代大海は角番を13回、魁皇は角番を12回も経験している。無論千代大海の角番13回は史上最高回数だ。これだけ角番を経験しているのに1度も陥落しない方が不思議だ。私に限らず大関互助会の不信の念を抱く者は少なくないだろう。

もし本当に八百長相撲が横行しているのなら、大相撲界はファンがいなくなり、経済的にもたなくなるだろう。客は演劇を見に行っているわけではないのだし、真剣勝負をやっていないのなら興ざめする。

客は真剣勝負をやっているふりを見て楽しんでいるわけではない。本当の真剣勝負だからこそ相撲を見る価値があると思っているのだ。大記録も真剣勝負の結果だと思うからこそ敬意をおぼえる。それらがすべていんちきの結果だったとしたら、非常にがっかりするし、客への重大な裏切りだ。

八百長相撲は絶対にやめるべきである。

夏場所千秋楽、千代大海-把瑠都戦は八百長か?

2009-07-27 00:54:12 | スポーツ・芸能・文芸

今年の5月場所(夏場所)は千代大海にとって角番だったが、千秋楽前まで7勝7敗で最後の把瑠都戦に大関残留を賭けていた。この一番はあっさりと千代大海が把瑠都に勝って、千代大海は角番を脱出した。

しかし、この相撲は後に協会から無気力相撲と認定され両力士は注意された。5月場所はケガなのか把瑠都が珍しく調子が悪く負け越した。ここ数場所勝ち越しを続け、名古屋場所でも調子がよかった把瑠都が5月場所千秋楽では無気力相撲とはどうも怪しい。

千代大海は年齢を考えれば、いったん大関から陥落すれば復帰は絶望的だ。大関残留を賭ける大事な一番で八百長をやる動機は十分ある。

無論、明確な証拠があるわけではなく私が疑っているだけだが、大関残留を賭ける大事な相撲で無気力相撲が出れば私でなくても疑う人は多いだろう。

最近の朝青龍八百長報道の敗訴で週刊誌側も八百長記事を大っぴらに書けなくなってきたのか、5月場所千秋楽の千代大海-把瑠都戦の八百長記事は見ないが、ネット上では八百長疑惑の記事をよくみる。

八百長疑惑の取り組みを見る限り、私は必ずしも八百長とはいえないと感じた。明らかにわざと負けているとは見えなかった。しかし、彼らの内心は取り組みの態様だけからはわからないのも事実だ。

本当の八百長なら許しがたいし、大相撲をつまらないと思ってしまう。


白鵬、優勝!

2009-07-26 18:17:37 | スポーツ・芸能・文芸
大相撲名古屋場所は結びの一番で白鵬が朝青龍を降して、14勝1敗の成績で11回目の優勝を果した。今場所の白鵬の相撲は非常に安定しており、横綱らしい立派な優勝であった。優勝インタビューでは横綱・双葉山の言葉が出たが、双葉山にとどまらずその上を目指してがんばってほしい。

羽黒山のスピード昇進記録と考えられる大相撲の最短・最年少昇進記録

2009-07-26 00:02:08 | スポーツ・芸能・文芸

四股名 谷風 為右衛門

生年月日 ○年4月1日

1 □年5月場所  前相撲       3戦全勝   15歳1ヶ月
2 □年7月場所  序ノ口30枚目あたり 7戦全勝優勝 15歳3ヶ月
3 □年9月場所  序二段25枚目あたり 7戦全勝優勝 15歳5ヶ月
4 □年11月場所 三段目30枚目あたり 7戦全勝優勝 15歳7ヶ月
5 ▽年1月場所  幕下20枚目あたり  7戦全勝優勝 15歳9ヶ月
6 ▽年3月場所  幕下2枚目あたり   7戦全勝優勝 15歳11ヶ月(取的35連勝)
7 ▽年5月場所  十両8枚目あたり   15戦全勝優勝 16歳1ヶ月 (新十両)
8 ▽年7月場所  前頭15枚目あたり  15戦全勝優勝 16歳3ヶ月 (新入幕)
9 ▽年9月場所  小結        15戦全勝優勝 16歳5ヶ月 (初全勝優勝)
10 ▽年11月場所 関脇        15戦全勝優勝 16歳7ヶ月
11 △年1月場所  大関        15戦全勝優勝 16歳9ヶ月
12 △年3月場所  大関        15戦全勝優勝 16歳11ヶ月(幕内75連勝)
13 △年5月場所  横綱(正位又は張出) 15戦全勝優勝 17歳1ヶ月
14 △年7月場所 東正横綱      15戦全勝優勝 17歳3ヶ月

横綱昇進 17歳1ヶ月(16歳11ヶ月)
大関昇進 16歳9ヶ月(16歳7ヶ月)
関脇昇進 16歳7ヶ月(16歳5ヶ月)
小結昇進 16歳5ヶ月(16歳3ヶ月)
新入幕  16歳3ヶ月(16歳1ヶ月)
新十両  16歳1ヶ月(15歳11ヶ月)

※昇進時は昇進した地位での初登場場所時を基準とした。
 ()内は番付編成会議直後の年齢。

初幕内最高優勝 16歳3ヶ月
初幕内全勝優勝 16歳3ヶ月

横綱昇進までの所要時間 12場所 2年0ヶ月
大関昇進までの所要時間 10場所 1年8ヶ月
関脇昇進までの所要時間  9場所 1年6ヶ月
小結昇進までの所要時間  8場所 1年4ヶ月
新入幕までの所要時間 7場所 1年2ヶ月
新十両までの所要時間 6場所 1年0ヶ月
--
幕下通過に2場所かかるとすれば、おそらくこれが現行制度で考えられる最短・最年少昇進記録だろう。

昇進基準は調べてみると、全勝優勝すると1段昇進するらしい。ただし、幕下、大関通過は最低2場所を要する。かつて第36代横綱・羽黒山のように幕下を1場所で通過した例もあるが、現在ではほぼあり得ない記録といえる[1]。十両の定員が増加したとか、上位陣の成績が皆悪かったなど運がよければ幕下1場所通過もあり得るらしいが、それは例外と考えるべきだろう。仮に幕下を1場所通過した場合は、初土俵から最短11場所(16歳9ヶ月)で横綱に昇進する。

無論、こんな超スピード昇進記録を達成する力士は現行制度では現れないと断言できる。年6場所制が定着してから最短の昇進記録を持つ朝青龍でさえ、初土俵(前相撲)→横綱まで25場所を要している。

もっとも、年6場所制以前の年2場所制の時代も含めれば羽黒山や照國のように初土俵→横綱まで16場所と考えうる最短記録に近いスピード昇進記録を持つ力士もいる[1]。

関脇→大関の昇進基準も現在は「3場所連続三役でかつその3場所で33勝以上」で基準を満たさないが、日本相撲協会はこの基準を否定しているようだし、幕内で3場所連続全勝優勝という極めて安定した成績を残しているなら、「3場所連続三役」という基準を満たさなくても大関に昇進できるだろう。

初土俵の年齢は現在の規定では義務教育を修了しないと入門できない決まりなので、最年少でも15歳0ヶ月での入門となる。上述の生年月日は考えられる最年少生年月日を設定している。

こうして考えられる最短昇進記録を出してみると、羽黒山の初土俵→新入幕まで7場所、初土俵→横綱まで16場所という記録が、いかにスピード昇進記録かわかる。

参考
[1]第36代横綱・羽黒山は初土俵から新入幕まで7場所、横綱昇進まで16場所というスピード昇進記録、横綱在位12年の歴代最長記録、37歳2ヵ月での最年長全勝優勝記録を持つ鉄人横綱である。序ノ口、序二段、三段目、幕下、十両の各段をすべて1場所で通過し、しかもすべて優勝だった。序ノ口から幕内までのすべての優勝経験を持つ。羽黒山の取的時代の成績は資料がないので、その時代の成績や番付は上記の記述を基に昇進記録を推測し、羽黒山の主要な昇進記録をあげると、

昭和9年1月場所 初土俵-前相撲 (1)
昭和9年5月場所  前相撲 (2)
昭和10年1月場所 序ノ口 優勝 (3)
昭和10年5月場所 序二段 優勝 (4)
昭和11年1月場所 三段目 優勝 (5)
昭和11年5月場所 幕下  優勝 (6)
昭和12年1月場所 十両  優勝 (7)
昭和12年5月場所 前頭16枚目(新入幕) (8)
昭和13年5月場所 東小結 小結昇進 (10)
昭和14年5月場所 東関脇 関脇昇進 (12)
昭和15年1月場所 東大関 大関昇進 (13)
昭和16年5月場所 西大関 優勝、横綱昇進決定(16)
昭和17年1月場所 東張出横綱 新横綱 (17)
昭和19年5月場所 東正横綱 (22)

( )内の数字は初土俵から数えた場所数

羽黒山の初土俵→十両までの通過場所数は6場所で、高鐵山圭介、土佐豊祐哉が同じ6場所という最短記録を持っている。初土俵→横綱までの通過16場所という記録も照國が所持している。新十両、新入幕、小結昇進、関脇昇進、大関昇進、横綱昇進のスピード記録は私が知る限り羽黒山が最速記録を持つ。☆によれば、羽黒山の初土俵→横綱までの通過記録は歴代3位らしいので、もっと上がいる。

私は初土俵→横綱までの通過場所数が羽黒山、照國より速い人は知らなかったが、大錦卯一郎栃木山守也は15場所で横綱に昇進。これが最速記録。

年2場所制と年6場所制で分けるなら、

年2場所制  大錦卯一郎、栃木山守也 15場所
年6場所制  朝青龍    25場所

が最速の昇進記録である。

☆羽黒山の紹介


KY解答

2009-07-25 01:57:17 | 物理学・数学

質問

『230のけた数を求めよ。ただし、log10 2 ≒ 0.3010を用いてよい。』という問題が教科書にあって、先生にあてられて黒板で次のように解きました。

230 = 1073741824  よって、230のけた数は10。

しかし、先生から解答をバツにされました。いったいなぜでしょう?
--

こういう質問をネットで見た。質問者は高校生だと思うが、おそらくこういう生徒はKYだろう。『log10 2 ≒ 0.3010を用いてよい。』とあるのに、なぜ230を直接計算して解答するのか。

確かに、文章からは『log10 2 = 0.3010を使え』という指定はないから、必ずしもこれを使って解答しなくてもよいように思える。

しかし、高校で対数を学ぶと、この種の問題は必ず教科書の例題として紹介されているはずで、問題の前に解法が紹介されているはずだ。それに問題文がわざわざ『log10 2 ≒ 0.3010を用いてよい』としているのは、明らかに教科書の例題で扱った対数を用いた解法で解かせる趣旨からだ。教科書の流れや問題文を読めば普通気がつくことだ。

そういう流れを無視する又は考えずに、趣旨とは異なるやり方で解答するのは理解できない。端的にいって、この質問の解答はKY解答であり、教師からバツをもらったのは問題の趣旨を全く満たしていないからだ。最終的な答えは合っていても、こんなやり方で解いたら学習の意味がないのである。

こういうやり方で解くのは対数を知らない中学生以下までである。唯一の例外として、教科書で紹介されている同種問題の解法が全く理解できず、仕方なく最終手段としてこのような方法を使う場合はあるかもしれない。そういう場合でも、教科書の例題をもう一度読み、落ち着いて考え、わからないところは教師に質問して疑問点を解消し、問題の趣旨に沿った解答をすべきである。繰り返しになるが、質問の解答のように解いても全く意味がない。

最近小、中、高の生徒で読解力やコミュニケーション能力が不足している者が増えたと新聞などで読むが、こういう質問をみると確かにそのような生徒がいるものだと実感する。何も考えずにKYを続けていると将来的に困ることになる。日本の将来にとっても、こういう生徒が増え続けると問題だ。


皆既日食、日本各地でほとんど観測されず!

2009-07-23 00:22:43 | 社会
22日は皆既日食だったが、奄美大島北部、悪石島、屋久島など一般の観光客が訪れた所では曇りか雨で皆既日食を観測できなかった。せいぜい暗くなるのを体験できただけだった。長い時間と高いお金をかけて、わざわざ皆既日食を観測しに行った人たちは本当に運がなかった。

わざわざ仕事を休み、日本の南端近くまで出かけ、時間をすごく使った。皆既日食ということで現地の宿泊施設などから足元を見られバカ高い料金をふっかけられたというのに皆既日食が見られなかったのだから、まさにふんだりけったりだ。このツアーを断念した人は本当によかっただろう。結果的には時間とお金を大きく損しただけで、何もいいことがなかったツアーだからだ。

せいぜい昼間なのに暗くなったのを体験できただけだった。それだけで満足した客もいるようだ。アニメだとドラゴンボールを使った時に、昼間なのに暗くなる現象が起きるが、現実世界でそれが起きるのは皆既日食の時だけだろう。確かにそれは珍しい出来事といえる。

皆既日食がきれいに観測できたのは通常人が立ち入れない硫黄島と海上だけだったようだ。後に放送された録画を見た限り、NHKだけが硫黄島や海上から中継したようだ。なぜNHKだけ硫黄島に立ち入れたのか。NHKの特権なのか、まさに独占できれいな皆既日食を中継することに成功した。

中継を見た限り、リポーターもすごく感動したようだ。神秘的な自然現象は多くの人を感動させたようだ。

日本で次に皆既日食を観測できるのは26年後の2035年9月2日で、北陸・北関東などで観測できる。こんなふうに皆既日食が秒単位で正確に予測できるのは物理法則を知る恩恵である。経済学とは違って物理学は精密科学で、天体の運行など古典力学に従う物体の運動は寸分の狂いなく理論と観測が一致する。

このことから、日食の正確な予測はガリレオやニュートンの時代から可能になったことだと思う人も多いが、日食予測の歴史はもっと古く、17世紀に古典力学が登場するずっと以前から正確に予測された記録がある。

一番古い記録では紀元前585年5月28日にギリシアの哲学者・タレスが皆既日食を予言したと記録されている。これはバビロニアのカルデア人が過去の皆既日食時期の記録の蓄積から発見したサロス周期という皆既日食や皆既月食の周期を使って予測されたものである。

今から約2600年前にはすでに日食や月食を予測する方法があるのは驚くべきことだ。

本日、皆既日食!

2009-07-22 00:54:15 | 社会
本日、奄美大島北部、種子島南部、屋久島などで皆既日食が起きる。その他の地域でも部分日食が観測できる。1963年7月21日の北海道東部で見られた皆既日食以来、実に46年ぶり。

時間がある人は日食を見るのもよいと思う。

大阪大学の数学-2003年度理系前期第3問

2009-07-21 00:11:25 | 物理学・数学


本問は計算量が多くなく思考力を試す問題として良い問題だと思ったので取り上げた。(1)f (x)の次数が0以外は不合理であることから、f (x)の次数が0であることを証明することで題意を証明する方針をとっている。

問題の条件をみれば、f (x)の次数が0以外になることがおかしいということはすぐわかるだろう。
f (x)
の次数n1以上なら、f (ak) = 0 , ak < ak+1 (k=1,2,…) からf (x)は無数の因数を持つことになる。
つまり、x-ak  (k=1,2,…) を因数に持つが、f(x)n個の因数の積に分解したとき必ず現れない因数が出てきてしまう。有限の次数の整式に無数の因数を持たせることはできないのだから当然だ。そのように解答しても問題ないだろう。

解答のように背理法を用いなくても、次のようにして証明できる。

[ (1)の別解 ]   f (ak) = 0 , ak < ak+1 (k=1,2,…) から定数をpとして、

f (x) = p (x-a1)(x-a2)・・・(x-an)

f (an+1) = p (an+1-a1)(an+1-a2)・・・(an+1-an) = 0

 p = 0

よって、f (x) = 0 である。

[証明終了]

こちらの方が簡潔だと思う。(2)(1)を利用することは明らかだが、どのように利用するのか簡単に思いつかないかもしれない。大学でフーリエ級数を学ぶと『F(x)の式の両辺に三角関数をかけて積分する』という考えが出てきてしまうかもしれないが、その方法でうまくいくかどうかはわからない。しかし(1)がある以上、少なくともその方法は出題趣旨に合致した方法ではないだろう。

(2)(1)を利用できるように、x の値を考えることがポイントである。最後までよくわからないのは、a  という条件をどのように使うのかという点だ。結局最後まで使わなかった。無論、この条件を使わなくても証明できるので解答は全く問題ないが、この点に関する出題者の意図はよくわからない。

本問の難易度は標準~やや難だと思うので、受験生は約30分くらいでの解答を目指してほしい。


大阪大学の数学-2003年度理系前期第4問

2009-07-20 00:00:50 | 物理学・数学

この問題は(1),(3)は簡単だが、(2)が少し難しい。(1)から①を導くのは簡単だが、その後どうするのか悩む。mは消えないし、ak, aをどうするのかわかりづらい。

(1)で使っていないaklak+aの条件を使うのだろうとは予想できるが、この形を見てakの一般項が対数になるとピンとくるだろうか。(3)を先にやってしまうとわかるが、この条件だけでもピンとくる。『f(xy) = f(x) + f(y)』のように、積を和にするのが対数の特徴だからだ。

それがわかれば②が成り立つのは、ほぼ自明だろう。これを用いて、一番のポイントである④の導出ができる。④さえ導出できれば、後は簡単だ。

(2)が解けなかったとしても、(1)(3)は必ず正解すべきである。本問の難易度は標準からやや難くらいだと思う。計算量が多くなく、思考力を試す問題として良い問題だと思ったので取り上げた。入試問題はこのように計算量が多くなく、思考力で解ける問題が好ましい。計算力より思考力の方が重要だからだ。私も煩雑で長い計算をさせられる問題より、計算がそれほど必要なく思考力で解ける問題の方が好きだ。

受験生は約30分以内での解答を目指してほしい。