野尻崇(Takashi Nojiri)の論文2報について新たに捏造、改ざんが認定。寒川賢治については不正行為に関与していないが管理責任を問う方向だという[1]。先進医療も中止[2]。
大量訂正があったPNAS論文も捏造等があった事が認定[1]。この論文と大量訂正による隠蔽は私が2018年9月15日に通報したが、阪大と国循は通報を握り潰し調査せず、昨年8月に野尻崇の別な論文の捏造等を認定してから追加調査という対応だった。通報した論文には捏造等が認定された。阪大、国循は通報握り潰しという非常に悪質な対応。
また、責任著者の寒川賢治は大量訂正の公告で「The senior author apologizes for the inconvenience for these honest errors, which, importantly, do not affect the clinical outcomes or main results of the study.」と説明。これは捏造等の隠蔽をはかったといえる。責任著者は訂正公告できちんと内容を確認して真正な事を公表する義務がある。にも関わらず、確認してオネストエラーと虚偽記載し大量訂正を行ったのは捏造等を隠蔽するための不正な大量訂正だ。
こういう不正な大量訂正は過去にも岡川梓・伴金美事件(他)、加藤研事件(東大)などでも続発。撤回回避や不正隠蔽のために大量訂正するのは極めて悪質。[1]によると寒川賢治は管理責任を問われる方向らしいが、大量訂正による隠蔽と撤回回避は致命的な不正だと思う。
捏造等が認定された論文は先進医療でも重要な論文で、そのような論文で捏造等を行うのは非常に悪質。さらに大量訂正で隠蔽し、通報を受けても阪大・国循は握りつぶして調査せず、[1]によると阪大・国循は寒川賢治の管理責任を問うだけで隠蔽という致命的不正の責任はごまかすつもりのようだ。極めて悪質な対応が続発。
調査報告書によると私の通報を調査しなかった事や大量訂正による隠蔽は無視した。これも不正の隠蔽であって非常に悪質。
研究者、研究機関ともに非常に腐っているようだ。悪い馴れ合いなのだろうが、こんな調子が全く改善されないままだと学界の健全な発展や倫理は致命的だ。
阪大・国環研などは岡川梓・伴金美事件(他)でも顕名通報握り潰し、大量訂正による隠蔽を続発させたし、非常に腐っていて全然改善しないのだろう。迅速に第三者機関の設立や拘束力のある規則を作らねばならない。
また、調査委員会はPNAS論文のFig2A,2C,4Cについて不適切な加工を認めたが、研究者が未熟で悪いと知らなかったとか結論への影響が低い事を理由に捏造、改ざんを認めなかった。これは研究公正の基準に違反し不適切だ。
STAP細胞事件の時に示されたように研究不正の故意とは「客観的、外形的に研究不正とされる捏造、改ざん又は盗用の類型に該当する事実に対する認識をいうもの」(理研報告書p1)
研究者は加工を行ったのだから外形的に改ざんとされる事実に対する認識はあった。従ってPNAS論文のFig2A,2C,4Cは故意の改ざんである。悪いと知っているか、結論に影響を与えるかは故意の判断と関係ない。小保方晴子はSTAP論文の電気泳動画像の切り貼りで結果に影響がないので故意でないと主張したが、条件の異なる画像の切り貼りや境界線の不明示に対する認識はあったため故意の改ざんを認定された。
調査委員会は研究倫理の規範をよくわかっていないのかもしれない。このような認定をしたら「結論への影響が低い」、「悪いと知らなかった」と主張すれば不正が認められなくなり不適切である。
また発生原因も間違っていると思う。調査委員会は野尻崇の「なぜ、このような事態が発生したのかわからない」と発言が目立ち、経験不足が発生原因の一つとしたが、合計7報の論文で捏造、改ざんが認定されたのだから、一番の原因は倫理意識の欠如だ。野尻崇はわからないといって自分の責任をごまかそうとしているだけだ。
一部の調査結果はよくないと思う。私の通報の握り潰しは言及されず、大量訂正による隠蔽も無視された。臨床研究と因果関係を否定できない健康被害が10件確認された[2]。私の通報を握りつぶさなければ、これは発生しなかったかもしれない。非常に悪質である。
調査委員長の仲野徹氏は個人的見解として「雑誌側も含め訂正時に撤回しておいた方がよかった」と言及したが、私は2018年9月15日に通報したときにPNAS論文は撤回当然と伝えたが、阪大、国循、野尻崇、寒川賢治らは捏造が認定されるまで撤回しなかった。これらの研究機関や研究者は出版倫理を守ろうとしない。
調査委員会、阪大、国循、雑誌等には何か忖度や隠蔽があるのか。これも必ず改善しないといけない。
国循の公表、トップ(写し)、国循報告書(写し)、阪大報告書(写し)
阪大の公表、
読売、日経(共同からの配信、改訂)、朝日(改訂)、毎日(改訂)、NHK、8カンテレ、読売テレビ、産経、共同(写し)、朝日(大量訂正に言及)、ミクスOnline、日本医事新報社(仲野徹調査委員長のコメント)、リトラクションウォッチ(写し、ツイッター、トップ、本ブログの情報提供で報道)
参考
[1]読売新聞 Online、 2021.1.30
Yahoo Japan トップ(写し)、Yahooニュース、
[2]朝日新聞(改訂)、2021.1.30、
[3]日経(共同からの配信)、2021.1.30
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(2021年2月10日追記)
・国循に対する2018年9月15日の通報と国循の握り潰しの報道 2021年2月10日
共同通信社からの配信、2021年2月10日付の京都新聞朝刊、神戸新聞夕刊、中国新聞朝刊、高知新聞朝刊などで掲載。ネットでの公表なし。
通報で具体的な疑義の指摘をしたが、国循の稲川武宣企画戦略局長は具体的な疑義の指摘がないと嘘の説明をした。