日々是好日

身辺雑記です。今昔あれこれ思い出の記も。ご用とお急ぎでない方はどうぞ・・・。

眼鏡の値段

2009-02-11 23:50:56 | Weblog
本を読むにしても景色を眺めるにしても、眼鏡のピントが合わなくなってかなりの時がたつ。運転免許証の更新の時にはっきりしたのだが、視力が良くなってきて眼鏡無しに運転可となったのである。でも眼鏡が合わないことには違いはない。とくに読書に不便なので眼鏡を変えなければ、とかねて思っていた。

今の眼鏡を買ったのが何年前なのか、覚えていないが東京丸の内の丸善本店が開店した年なので調べれば直ぐに分かる。開店早々の眼鏡売り場で眼鏡チェーンを買ったところ、検眼はいかがですか、無料でさせていただきますと言われてその気になって、そしてそのノリで眼鏡を新調する羽目になったのである。神戸から来ているのでと断りの口実にしたつもりが、では出来上がりは神戸の店に送らせていただきますから、と言われたので引っ込みがつかなくなって、では開店のご祝儀に、と誂えてしまったのである。10万円近い買い物であった。調べてみると開店が2004年9月14日なので、それから一週間も経っていないある日のことであった。かれこれ4年半前のことなので、眼鏡が合わなくなったとしても不思議ではなかろう。

午後、センター街を歩いていて安売りの眼鏡店の前にさしかかった。以前からこの店が気にはなっていた。表に出している20000円もしない値段は最低価格で、実際に買うとなると何だかんだが加算されて、結局はそれ相応の値段になるのだろうと勝手に思っていたのである。この店の宣伝を看板の中のヨン様がしているのを見て、ふと韓国・朝鮮語講座の先生に聞いた話を思い出した。韓国では眼鏡が安く絶対にお買い得だというのである。ヨン様 → 韓国 → 安い、と連想が働いて思い切って店に入った。店内に貼られたビラによると眼鏡一式18900円(税込み)というのはどうも間違いなさそうである。私の場合は遠近両用に乱視がはいっているが、店員に確かめるとそういうことは一切関わり無しに全商品が18900円であると言う。パンフレットにもそう出ていた。



店員が私の眼鏡を見て、よければ鼻パッドを無料で交換させていただきます、と言う。プラスチックに埋め込まれた金属部分に汗が入り込んで錆びが出たのか、それとも藻でも繁殖したのか、緑に染まっているのである。待つことしばしで新しい鼻パッドに交換してくれたので、それに釣られてまた新しいのを注文しそうになったが、今回はぐっと踏ん張り、もう少し他の店も調べてからでも遅くあるまいと、礼を言って店を出た。

とにかく安い。丸善の五分の一である。レンズ代にもならないではないかと思ったが、どういうカラクリになっているのだろう。丸善という店はかっては洋書輸入販売を大がかりにしていて私もよく世話になったが、現地価格の何倍かの値段で売っていた実績がある。その伝で、眼鏡も割高に売っていたのかもしれない。ところがインターネットで調べてみると丸善は今日2月11日からメガネフェアをスタートさせているのである。フレームとレンズのフェア特別セットがなんと15000円から33000円までとある。ところがよく見ると《「遠近両用レンズ」をご希望の場合はセット価格+12.000円からご用意しております。》と但し書きがあるので、私の場合は15000円+12000円=27000円からということになる。18900円よりは高いが、それでも丸善としては勉強したことになっているのであろう。

たとえ眼鏡といえどもレンズはレンズで、顕微鏡などの連想から私にとっては精密科学機器で、値段が高いのは当たり前という思い込みがあった。またフレームにしても材質と細工に対するある種の敬意から、高いのは当然という思いがあった。その思い込みが高価な眼鏡の価格によって確固たるものになっていたような気がする。しかし価格破壊は大いに結構、そして道具は使ってこそその値打ちが分かるもの、今週中にでも出直して18900円也の眼鏡を一度注文してみようと思い始めた。