星のひとかけ

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ひさしぶりに沢木耕太郎さん

2013-02-05 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
日曜日に見た NHK特集の「沢木耕太郎 推理ドキュメント 運命の一枚 ~"戦場"写真 最大の謎に挑む~」(NHKスペシャル>>) は とても面白かったなぁ。。。 戦場カメラマン ロバート・キャパの有名な写真の「謎」を探るというもの。

直感と取材を積み重ねて、 常にどんな「人間」に対しても 公平、公正な視線で 丁寧にていねいに 人間像を浮かびあがらせてくれる沢木さんのルポですが、 今回のものは CGとかGPSとか 現代の「技術」なくしては発見され得なかっただろう新しい「ルポ」でした。

、、でも、、 沢木さんとキャパ、、 このNHKだけのためのルポではなかろう、、と検索してみたら、 昨年末に出た「文藝春秋新年特別号」に一挙掲載されたルポルタージュだったのですね。

それが来週16日に 単行本化されて出るのだそうです。
『キャパの十字架』 (文藝春秋>>)

これは読んでみたいな。。 それにしても、、 あんなスリリングな謎解きをテレビで全部やっちゃうなんて なんて勿体無い! 

 ***

番組内容とは関係ないですが、、 ひさしぶりにお姿を見た沢木耕太郎さんが 全っ然変わってなくて、 30年前くらいとほとんどお変わりなく、、 (あれぇ… 沢木さん今おいくつなんだろう…) と思ったら65歳とのことでした。。 (Wiki>>) ほんと 若々しい。

沢木さんのルポルタージュ、、 いちばん最初に読んだのは 77年の『人の砂漠』だったか、 78年の『テロルの決算』だったか覚えていないけれど、 先に文庫化されていた『若き実力者たち』や『敗れざる者たち』もすぐに読んで、、 それから『深夜特急』まで、、 沢木さんの本は全部読んだなぁ。。。 中学生以降の 私の社会認識はほとんど沢木さんによって形づくられたと言ってもいいくらい。

沢木耕太郎さんと、、 そののちは 前回お名前を挙げた 藤原新也さん。 

、、今のこのブログでは 詩的な本や ファンタジックな本を取り上げることが多いですが、 10代、 20代の時は 堀口大學訳の詩集など読みつつも、 ルポルタージュもいっぱい読んだ。 キャパも読んだし、 沢田教一さんの本も読んだ。 青木富貴子さんや、 ピート・ハミルさんや。。
「今」のこの世界が知りたかった、、 「現代」というものが知りたかった、、 だって音楽では海の向こうでPUNKの嵐が吹き荒れて、、 ブームタウン・ラッツが『哀愁のマンデイ』を歌っているのに、 自分は毎日「しらけ世代」の何にも言わないクラスメイトと大人しく机に向かっていなきゃいけなかったんだもの。。。


 ***

昨今、
音楽市場では 洋楽のシェアが8%なんだって。。。 映画業界でも 洋画が激減なんだって。。

出版業界だって、、 海外の翻訳文学は全然でしょ?

若者が「内向き」ってよく聞くけれど、 世界のことにまるで興味が無い、、 自分の知らない外国の人や音楽や物語については たいしておもしろいと思わない、、 そういう人は増えてるかもしれない、、 それはすごく心配。。

、、でも、、 でもきっと、 売上のシェアとしては低くても、 お金のとぼしい若者は youtubeで洋楽も聴いてるし、 レンタルで洋画も見てるし、、 ん~~~ 翻訳文学はあんまり読んでないかもしれないけど、、 新しいフェスもたくさんあるし、 決して海の向こうのことに興味がないわけではない、、と思いたい。。

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ここしばらく、、 沢木さんの本は読んでいませんでした。。 が、、 時折 雑誌や新聞で拝見する「映画評」で、、 沢木さんの独特の人間をとらえる視点に心をうたれたりしてました。。

来週は、、 バレンタインデー。 沢木さんのこんな映画エッセイを読みながら 苦い珈琲とあまいチョコを味わうのもいいかも。。。

『「愛」という言葉を口にできなかった二人のために』

、、タイトルだけで せつなくなりそう、、(笑)

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