星のひとかけ

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戦間期のパリへ…

2023-11-02 | 文学にまつわるあれこれ(ほんの話)
11月になりました。 暖かいですね… 笑

昨日、 ハロウィンから一夜明けた街に もうクリスマスツリーが輝いていたと、お友だちが知らせてくれました。。

この時期になるといつも加速度的に年末感が押し寄せてきて、 もう少しゆっくりとこの美しい季節を楽しんでいたいのに そろそろ~を、、 いつまでに~を、、 と追われる感じに…

そして思うのは 今年はあと何冊本が読めるのかしら…

 ***

読むのが遅い私には 週に何冊もなどという読書はできません。。 月にせいぜい3冊くらい? もはや生涯で読める冊数にも限界が… でもそれは考えないようにしていますが、、

今年 ちゃんとした読書ができたかしら… と不安まじりに先程ふと振り返ってみましたが、 それでもなんとなく貴重な本、 今まで思いもしなかった本、 に今年も出会えた気がします。 そして、 意図したわけではないけれど読書の流れに不思議な共通項も…

昨年、 パトリック・モディアノさんの読書をきっかけに (パリのアパルトマンに棲んでいるような老女をめざそう…)などと思いついて、 そんな憧れが頭のどこかにあるせいか、、 今年はふしぎとパリと女性作家さんとの出会いがありました。

コレットの『軍帽』の時にも書きましたが(>>)、 自分がコレットの本などに興味を持つとは思いもしませんでしたが あの後、 コレットの代表作『シェリ』も『シェリの最後』も読みました、 とても面白かったです(現代の新訳はなんだか言葉ががさつで時代的に合っていない気がして、 古い訳のものを探して読みました)





その後、、 芥川龍之介や堀辰雄の読書をしていた春。。 片山廣子さんの『燈火節』を知り、 菊池寛さんがパリからロンドンへ洋行したい、と片山さんと話している「菊池さんのおもひで」という文章に出会いました(青空文庫で読めます>>)。

あの文章を読んだとき、 私も片山さんと同じ事を考えていたのでした、、 片山さんが「世界じう歩かせて上げたい」と感じていた《文学者》の事、、 誰とは書かれていませんが、 私も春、芥川龍之介の「彼 第二」を読んだときに、 (日本になど帰らずにパリにでも行ってしまえば良かったのに…)と思っていたのでした。 

芥川が上海に行ったのは1921年? 戦間期のパリは… コレットのいるパリです。 芥川はフランス語より英語の方が堪能だったでしょうけれど、 1920~30年代の世界中から画家や芸術家や小説家などが集まっていたパリの喧騒は 案外、芥川にも合っていたのでは…なんて勝手に想像していたのです。

そして先日読んでいたイーディス・ウォートン。 NY生まれの彼女が離婚後パリに移り住み、『無垢の時代』を出版したのも1920年のパリでした。


今は・・・
エルザ・トリオレというロシア生まれの女性作家の本を読んでいます。 彼女もまた パリに移り住み、 生涯をフランスで暮らした作家。 フランスの詩人ルイ・アラゴンの妻になったというのも知りませんでした。 (現在読める翻訳書がほとんど無いのが残念です)

 ***

なぜ 戦間期のヨーロッパやパリの文学に関心が行くのか 説明できるほどこの時代のことを知っているわけではないし… 

ちょっと検索していたら 国立国会図書館の「近代日本とフランス」というページが見つかりました。 その中の「1. 文学者の見たフランス」に、 この時代にフランスに滞在した文学者の著作などの紹介がありました。
https://www.ndl.go.jp/france/jp/part2/s1_1.html

でも画家レオナール・フジタのように、 生涯をフランスで暮らすような文学者も作品も日本では現れなかったようですね。。

、、この読書がどこへ繋がっていくのか… 自分でも予測はつかないし していませんけれど、、 パリのアパルトマンで暮らす代わりに 戦間期のパリと 戦乱のいまこの世界とを往還しつつ、、 慌ただしい年末のときのなかで自分の居場所を保とうとしているのかもしれません…


11月も 心しずかに…



げんきでね…
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