星のひとかけ

文学、音楽、アート、、etc.
好きなもののこと すこしずつ…

蝉しぐれがどこかすずしい、昼下がり。

2006-08-01 | 文学にまつわるあれこれ(漱石と猫の篭)
夏目房之介さんの著書『漱石の孫』(新潮文庫)の最後に、
ロンドンでの漱石の下宿を訪れた房之介さんが、TVに向かってコメントをする時、まるでねらいすましたように「猫」が房之介さんの背後の門柱にのぼって一緒にカメラに収まっていた、、という話が載っている。その「猫」の偶然の振る舞いにクルーが驚いていたと。。
このときのNHKの番組は見ていたので良く憶えている。誰かが「猫」をわざわざ其処へ乗っけたとしか思えない絶妙な位置で、「猫」氏は丸くなって満足したような顔をしていたのが可笑しかった。

房之介さんもなんとなく、、のニュアンスで書いていたけれど、そういうことって、あるのだ。

パパの墓参に行くと、たいてい、何かの小動物クンが現れる。まあ、、田畑に囲まれた墓所なので、いろんな生き物がいて当然なのだけれど、、アマガエルくんがちょんと墓石に乗っかっていたり、ヘビ氏が石の間から這い出てきたり、、。私らは「おや、パパ、、」なんてその小動物クンに話し掛けたりする。

都会の街を歩いていても、たまに、、どこからともなく美しい揚羽蝶がひらひらと私の周りをひとまわりしていったりする。理由は無いけれど、そんなとき、感じているものがある。、、こんな話もべつに漱石ならば嫌がらないでしょう、、小鳥にみちびかれる作品などもあるのだし。

パパ、、また8月が来ましたね。