「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵のつつじ」

2015-05-04 16:12:45 | 和歌

 「うつろ庵」のフラワーベルトには、つつじがほぼ満開だ。
東南の角地の南面には、大紫つつじが咲き誇り、写真の右端から直角に折れる東側のフラワーベルトには、白つつじが満開だ。



 躑躅を植え替えた時の経緯については、二年程前に「うつろ庵の大紫」で触れたが、今年もまた彩り豊かな花を咲かせてくれた。白花もピンクも紫花であれ、花の色には関係なく「大紫」が、このつつじの品種名だから、面白い。

 大紫の花はかなり大きめの花を咲かせるので、見応えがあるが、夕暮れ近くになると花びらの水分が蒸発して、萎れ気味になるのが難点だ。油断するとそのまま萎れて、見栄えを損ないかねない。そこで、萎れた花を小鋏でカットし、見苦しい姿が道行く人々のお目にとまらぬ様、小半時ほどの「大紫」との無言の会話を愉しむ毎朝だ。そんな虚庵居士の姿を見て、「お宅の躑躅はぴか一ですね」とのお褒めの言葉を下さる方もいるので、面はゆいばかりだ。

 
           五月晴れの陽ざしをうけて大紫の

           つつじ咲くかな彩り豊かに


           爺の思ひにつつじは応えぬ花々の

           いろも姿も生気に溢れて


           華やかに咲き立つつつじの心映えを

           せめて告げばや萎れ花摘みつつ


           一日もながく咲きませつつじ花よ

           無言の会話を今朝もつづけぬ


           さはあれど花のいのちは短くて

           爺を残して萎れゆくとは