「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「児童公園の菜の花」

2015-01-17 16:52:52 | 和歌

 子供達がキャッキャと声をあげて遊んでいる公園には、菜の花が満開だった。

 

 昨今の公園では、子供たちが集まって元気に遊ぶ姿は、殆ど見かけなくなったが、ここの公園だけは例外だ。夕方遅くに散歩で訪れても、子供たちが元気よく駆け回り、遊具での遊びやボール遊びなど、子供たちの溌剌とした声が絶えない、類い稀な児童公園だ。

 戸建住宅街の外れの公園だが、隣街のマンションからもの遊びに来ているのだろう。子供だけでなく若い親子連れや、じじ・ばばに連れられた幼児なども良く見かける、ほのぼのとした雰囲気が漂う公園だ。

 公園の入り口、なだらかな勾配のエントランスの両側には、季節に合った草花が絶えないのも魅力だ。時には草花の手入れや水遣りをする、オバチャンにお目にかかるれば、「ご苦労さん」程度のごく簡単な挨拶を交わす虚庵夫妻だが、献身的な奉仕を何年も続けて居られる姿に、心から敬服だ。

 オバチャンの姿を目で追い、菜の花を心で受け止めて、子供達はのびのびと元気に遊んでいるのだ。そんな子供達の声に活力を頂く、じじ・ばばの虚庵夫妻だ。


 
           遠くからキャッキャと聞こえる子供らの

           遊びの声に命を洗いぬ


           凍てつける寒空なるに其処だけが

           春の日和の 菜の花の歓迎


           飛び回り遊具に群がる子供らを

           ベンチに見守るじじ・ばばも居て


           おさな児の手をひく若き父親に

           遠き昔を重ねて観るかな


           菜の花の根元に置かれたオバチャンの

           ジョウロと共に移植ゴテ見ゆ


           菜の花に向うボールを追いかけて

           ヒッシにとどめる子らを誇りぬ