「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「木枯しと満天星ツツジ」

2015-01-09 00:33:43 | 和歌

  木枯しが吹き荒んだ翌日、枯葉が満天星(どうだん)ツツジに捉まっていた。

 

 この時節の枯葉は夙に梢から散り敷いて、樹の根方や植栽の間などに溜まっているが、木枯らしが吹き荒ぶとそんな枯葉を吹き飛ばして、住宅地の舗装道路などでは乾燥した音を立てて、枯葉が乱舞する。

 虚庵居士は「うつろ庵」の門前などの掃除が日課になっているが、そんな爺を弄ぶかの様に、掃き清めた後に枯葉が乱舞して、箒を持った爺と枯葉の追い掛けっこになる。虚庵夫人は笑いながら、「ほどほどになさったら・・・」等とたしなめるが、他人様がご覧になれば将に「笑いもの」に違いあるまい。

 翌日の散歩では、ご近所の満天星ツツジがそんな枯葉をしかと捉まえている姿に出会って、自然の知恵と実力に感服しきりの虚庵居士であった。


           木枯しに枯葉の乱舞 カラカラと

           乾いた伴奏 こころよきかな


           毎朝の日課は箒を手に持ちて

           門前掃けば枯葉の挨拶


           木枯しに枯葉と爺のオッカケッコ

           「ほどほどに」とは 我妹子(わぎもこ)のこえ


           あくる日は散歩に見惚れ成る程と

           満天星ツツジは枯葉を捉えて