「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「ブロッコリーの親子」

2015-01-14 00:52:18 | 和歌

  近くの一坪農園を覗いたら、逞しく見事に育ったブロッコリーが鎮座していた。

 

 その隣には、既に収穫された株が、「ガンバッタよ!」と云わんばかりに、精一杯に手を拡げていた。ブロッコリーは癖のない芳醇なお野菜ゆえ、様々に料理されて多くの皆さんに好まれている。「うつろ庵」の食卓にもしばしば登場するが、菜園でお目にかかるのはごく稀のことだ。これ程に逞しく育ったブロッコリーだが、これが野菜の花の、莟の集団だとはとても信じ難い。

 何時の日か、花咲くブロッコリーにお目にかかりたいものだ。

 一坪農園の別の菜園にも、ブロッコリーの株が残っていた。こちらは獲り入れてから、日数が経っているのだろう、既に子供が幾つか育ち始めていた。 

 同じ株から育っているのだから、親子というよりは兄弟姉妹というべきだろうが、その逞しさには目を瞠る。
それ以上に、一坪農夫の逞しさを讃美したい。ブロッコリーの特性を知り尽くして、収穫後の次の発育にも期待をよせる逞しさには、感服だ。 


           はからずも散歩の途上でマンションの

           一坪農園に迷いこむとは


           何気なく覗けばそこには見事なる

           ブロッコリーが鎮座まします


           隣には千手観音 見倣うや

           収穫のちに腕を拡げて


           ブロッコリー 収穫のちにヤッタゼ! と

           腕を拡げる思ひを観しかな


           何時の日かブロッコリーの華を観む

           固まる莟が花咲くその日を


           一坪の 菜園農夫は逞しき

           ブロッコリー後の 二世を待つとは