近くの一坪農園を覗いたら、逞しく見事に育ったブロッコリーが鎮座していた。
その隣には、既に収穫された株が、「ガンバッタよ!」と云わんばかりに、精一杯に手を拡げていた。ブロッコリーは癖のない芳醇なお野菜ゆえ、様々に料理されて多くの皆さんに好まれている。「うつろ庵」の食卓にもしばしば登場するが、菜園でお目にかかるのはごく稀のことだ。これ程に逞しく育ったブロッコリーだが、これが野菜の花の、莟の集団だとはとても信じ難い。
何時の日か、花咲くブロッコリーにお目にかかりたいものだ。
一坪農園の別の菜園にも、ブロッコリーの株が残っていた。こちらは獲り入れてから、日数が経っているのだろう、既に子供が幾つか育ち始めていた。
同じ株から育っているのだから、親子というよりは兄弟姉妹というべきだろうが、その逞しさには目を瞠る。
それ以上に、一坪農夫の逞しさを讃美したい。ブロッコリーの特性を知り尽くして、収穫後の次の発育にも期待をよせる逞しさには、感服だ。
はからずも散歩の途上でマンションの
一坪農園に迷いこむとは
何気なく覗けばそこには見事なる
ブロッコリーが鎮座まします
隣には千手観音 見倣うや
収穫のちに腕を拡げて
ブロッコリー 収穫のちにヤッタゼ! と
腕を拡げる思ひを観しかな
何時の日かブロッコリーの華を観む
固まる莟が花咲くその日を
一坪の 菜園農夫は逞しき
ブロッコリー後の 二世を待つとは