うつろ庵の「蘇芳梅・すおうばい」が、綻んだ。
白梅は鏡開きの頃に綻んだが、蘇芳梅は凡そ一ヶ月ほど遅れての開花だ。白梅は、開花から満開になるまでは二・三週間で、その後、意外と足早に散り敷くことになる。一方、「うつろ庵の蘇芳梅」は節分に綻び、ひな祭りのころ満開となる。
蘇芳梅の小枝は伸び放題にしてあるので、梢の先まで咲き昇るには更に一ヶ月、都合二ヶ月半ほどもの期間を愉しませて貰う虚庵夫妻である。
一般的に見かける紅梅は、淡い薄紅の花が殆どだが、蘇芳色の紅梅はごく稀なので、やがて道行く人々もお楽しみ頂けることであろう。
咲き初める蘇芳梅かな見上げれば
固き莟が梢に控えぬ
蘇芳梅の綻ぶ数は少なくも
七重に八重に咲き誇るかも
立春に綻ぶ紅梅 蘇芳梅と
未だいと寒き春を語りぬ
七重八重に花びら重ね蕊を誇る
蘇芳の梅花の思ひを訊かまし
少しづつ花数増やして雛のころ
満開迎えむ蘇芳の梅花は