「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「貝殻のプレゼント」

2013-11-01 00:56:15 | 和歌

 孫娘のりかちゃん一家と、「うつろ庵」の庭でバーベキューを楽しんだ。

 たっぷりのお肉やお野菜と共に、幸いにもトコブシ貝が手に入って、バラエティーに富んだバーベキューだった。 トコブシ貝はアワビのお仲間ゆえ、直火で調理すればこの上なく美味だ。初めて食べるりかちゃんは、ホッペや指の汚れなど意に介さず、パクパク平らげた。

 「うつろ庵」の庭には、小型のバーベキュー・コンロを備え、何時もは焚火に使って炎のゆらめきを愉しんでいるが、本来のバーベキューは久方振りだった。 夜遅くに、ベンツの窓から身を乗り出して、「また来るねー!」と叫びつつ手を振る姿が、何とも愛らしいりかちゃんだ。

 トコブシの貝殻に目を瞠ったりかちゃんに、じじとばばは「貝殻のプレゼント」を思いついた。トコブシ貝だけでなく、観音崎の砂浜の貝殻を広い集め、磯の小貝を採ってプレゼントを準備した。 



 砂浜に打ち寄せられた「ナミマガシワ」は、薄紅色や淡い黄色のごく薄い貝殻で、虚庵夫人のお好みの蒐集貝殻だ。 磯の岩には、ごく小さな一枚貝が棲息しているが、「ウノアシ貝」や「マツバ貝」などの貝を集め、改めて貝殻を観察すれば、なかなかの芸術品だ。 

 りかちゃんが次に来た際のお土産に準備したが、余りの見事さを一日も早く見せたくて、宅急便で「貝殻のプレゼント」を送った。 りかちゃんの「お電話」が愉しみだ。




           久方の孫の来訪 待てば今

           扉の外からゴアイサツの声


           お二階のじじの書斎に駆け上がり

           エレクトーンに飛びつく璃華かな


           孫の声 じじ・じじ! じーじ!と 蝉鳴くや

           にぎやかなこと爺呼ぶ声は 


           キャメロンのカートを取り出し乗ってみる?

           問う間も待たず飛び乗る璃華ちゃん


           りかちゃんがカートで走ればその後を

           息きらせつつ 爺は追うかな


           バーベキューにトコブシほおばり貝殻の

           輝きみつめる孫娘かな 


           じじ・ばばは手を取り合いて海岸に

           孫の気に入る貝殻探しぬ


           磯岩の鵜の足貝や松葉貝を

           孫に贈らむ 波間に採りて


           改めて集めし貝殻並べれば

           その見事さに息をのむかな