「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「うつろ庵のブルーベリー」

2013-05-07 12:49:12 | 和歌

 「うつろ庵のブルーベリー」は、遅咲きの花が残っているが、殆どは既に小さな実に変身した。夏になれば、小粒の濃い紫に実が熟すので、摘み取るのが愉しみだ。 
孫のキャメロン君や璃華ちゃんが、小さな手で摘んでお口に入れたのが、昨日の事のように想い出される。

 ブルーベリーの花を観ていたら、よく似た花を何処かで見たことを思い出した。
記憶力がメッキリ衰えた虚庵居士だが、程なくして「どうだんつつじ・満天星躑躅」がよく似ていることに、思い至った。

 双方とも小さな壺型の花だが、ブルーベリーは小さいとはいえ果実を付けるので、蔕もあって若干だが逞しさが備わっているようだ。とは言え、なんとも可愛い花だ。

 ブルーベリーを植えて未だ経験の乏しかった頃は、小鳥に花を啄ばまれる被害にあったものだ。それ以来、小さな風車を傍に置いて、小鳥よけにしているが、風車の効果には目を瞠る。

 風車は、ビール缶をカッターナイフで切り裂いて作ったものだが、散歩の途中で目にして、物珍しげに覗いていたら、そこの住み人が「よかったらお一つどうぞ」と下さったものだ。ステンレス・ワイヤを上手に丸めて、ビール缶の上下を支えた簡単な風車だが、大変よく回る優れものだ。

 うつろ庵のブルーベリーは、小さな風車のお蔭で小鳥の被害を免れ、量は僅かだが、毎年小粒を堪能させて頂く虚庵夫妻だ。

 


           稚けなき小壺の花はお互いに

           頬寄せあいて咲きにけるかも


           耳よくば小鈴触れ合い幽けくも

           奏でる調べを聴かまほしけれ


           稚けない指先伸ばして孫の摘む

           笑みを偲びぬブルーベリーに


           白妙の小壺の花の多ければ

           今年も孫と摘む日を夢みし