「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「谷戸の石楠花」

2013-05-17 00:15:57 | 和歌

 伊豆では4月上旬に石楠花が満開であったが、三浦半島の谷戸では略一ヶ月遅れて見事な花を付けていた。谷戸の環境が開花を遅らせたのだろうか。虚庵居士の町内でも、半日陰の場所では未だに綺麗な花を咲かせているから、石楠花は環境適合性に優れ、臨機応変の生育をするのかもしれない。

 

 孫のキャメロン君が住む米国ニュージャージー州北部では、巨大な石楠花の木を観て愕いたことがあった。平屋建ての民家に寄り添い、高さを競うかのような風情で、誠に勢いのある石楠花であった。

 洋の東西を問わず、清楚で華やかな石楠花の花は、人気が高いようだ。
かつてお世話になった某大企業の副社長殿は、石楠花栽培の専用の畠を購入し、大変な慈しみ様であったが、体調を崩してケア付きマンションに移住された。石楠花苑をどうされたか気になってお伺いしたら、「泣く泣く手放しました」 とのことで、
辛かったであろう心情をお察しした。

 気さくな元同僚のS氏は、米国石楠花協会の会員として国際的にも活躍されたが、石楠花に関する薀蓄を伺って舌を巻いたことがある。ことほど左様に、石楠花の花は人の心を掴んで離さない、魅力を備えた花の様だ。

 


           この春は幾たびとなく石楠花の

           華やぐ姿に見惚れるじじかな


           清楚にも華ある君に逢うたびに

           記憶のあれこれ甦りきぬ 


           石楠花をあれ程に愛でて逝きませば

           彼岸の苑にも華みつるらむ


           石楠花はあまたの人々虜にぞ

           なして已まずも華とは何かな