「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「どうだんつつじ・満天星躑躅」

2013-04-04 12:58:31 | 和歌

 「つつじ・躑躅」の開花に先立って、「どうだんつつじ・満天星躑躅」が満開だ。

 躑躅や「さつき」の花と違って、小壺を逆さにつるした様な満天星躑躅の花であるが、これが同じ躑躅の仲間だとは、虚庵居士の理解を超える世界のようだ。

 それにしても、咲き誇る小さな壺花の数には目を瞠るばかりだ。この様な姿を満天の星にたとえて、「満天星つつじ」と命名した古人のセンスには脱帽だ。

 しかしながら、漢字名と呼び名の「どうだんつつじ」とが結びつかぬのが、何とも気がかりだ。
枝分かれの姿が、昔の燈台或いは燭台に似ていることから、その昔
「とうだいつつじ」の名が付いて、それが「どうだん」との呼び名に変化したとの解説もあるが、必ずしも明快でない。何か別に「どうだん」の謂れがありそうだ・・・。

 名前の詮索は措くとして、小さな可憐な花を観ていると、無邪気に遊ぶ子供達の顔が重なって、キャッキャと戯れる声すら聞こえるようだ。

 



           おぼろにもどうだんつつじは咲にけり

           遠くに観れば其処だけ霞みて


           いにしえの人々粋にも満天の

           星に見立てて名前にするとは


           しろたえの輝くホッペを寄せあいて

           稚児遊ぶらし満天星つつじは


           腰かがめ満天星つつじと語らえば

           稚児らじゃれ合う声を聴くかも


           稚けなき新芽の緑は白妙の

           満天星つつじを彩る姉妹か