懐かしい「おじゃが」の花に出会った。
郷里の信州・諏訪の畑に、一面に咲いていたこの花を思い出す。農家の皆さんは、「おじゃが」の生育を助けるために、せっせと花摘みをしていたっけ。最近の大規模農業では、そんな手間の掛ることはしないのだろうが、虚庵居士が子供の頃のお百姓さんは、腰をかがめて花を摘んだ。長時間の農作業で疲れるのであろう、時々腰を伸ばしてゲンコツで腰を叩いていたのも、懐かしい情景だ。
よもや住宅街で「おじゃが」の花を観ようとは、思いもよらない出会いであった。
故郷のはたけの土の香りたつ
心地こそすれおじゃがの花 みれば
いかでかは おじゃがは此処に咲くならむ
街の住まいの庭先なるに
思ふらくは 田舎のおじゃがを懐かしみ
身近に咲けよと植えにけらしも