「虚庵居士のお遊び」

和歌・エッセー・フォート 心のときめきを

「かたばみ」

2009-05-06 00:36:59 | 和歌
 
 鮮やかな黄色の小花が眼にとまった。

 庭木も生垣も、新緑が際立って眩しいこの頃だが、道路沿いのフラワーベルトの植え込みの間に、鮮やかな黄色の小花が風に揺れていた。思わず近寄って見たら、「片喰」であった。ハート型の三枚葉の中に、一輪だけが誠に爽やかに咲いていた。





             道端に咲く一輪のカタバミと

             言葉を交わしぬ行く足とどめて


             かたばみの花は揺れつつ語るらし 
             
             きく耳かしてと云わぬばかりに




 「うつろ庵」のガレージには、車の長手方向に「君子蘭」や「シンビジウム」、「春蘭」それに「金の生る木」などが所狭しと植えられたり、鉢植えで置かれていて、クラウンに乗るにつけ降りるにつけて、花達が挨拶してくれる。数日前から「金の生る木」の肉厚の葉の間から、ピンクの小花が顔を出して、運転席のすぐ脇に微笑んでいる。
 
 ムラサキカタバミ(紫片喰)だ。  





             ドアを開け車に乗らんと屈みなば

             可憐な見送りむらさきかたばみ


             降り立ちて閉めるドアの風に揺れ

             お帰りなさいとかたばみ迎えぬ