今年のGWは近場で。
幾人もの人に勧められながらも、
なかなか行くことがなかったので、この機会にと。
60年ほど前、知的なハンディを持つ人たちが、
山を切り開き、葡萄の木を植えた。
寒風の中で剪定後の枝を拾い、炎天下で葡萄の手入れをし、
一房一房摘み取り、ワインを作ってもう30年だそうだ。
いつか空に届いてしまいそうなほどに、
斜面いっぱいに広がり伸びる枝。
薄緑の新芽から覗きほほ笑む、
生まれたての葡萄の赤ちゃん。
その風景の中に、
自然とともに、
ありのままに生きる、
穏やかでひたむきな農夫の姿がある。
太陽と土と、水と風と、
そして、
農夫があった。
気持ちの良い五月の風が、
身体を、
心を、
すーっと
吹き抜けていった。