草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

黙示

2012-08-07 18:34:54 | 雑感



昨夜、NHKスペシャル「黒い雨 ~活かされなかった被爆者調査~」を観た。
ヒロシマ原爆投下直後に降った放射性物質を含んだ黒い雨に
人々がどこで出くわしてしまったかという記録が、
なんと、存在していたというのだ。
なぜ今まで公表されなかったのか。
早い時期に公にされ、そして研究、活用されていたなら、
苦しみを軽減された人たちもいただろうに。

残留放射線が人体に及ぼす影響は
大きなものではないという認識だったようだ。
その底に、
核開発の妨げになるという思惑があったのは否めない。

だが、現実には、
あの黒い雨が降った地域の人たちに、
癌で死亡した人が多いと判明しているわけで、
あの日から67年が経った今も尚、
綿綿たる苦しみ、悲しみが確かに散在しているのだ。

それでも、国は、
黒い雨の影響を認めず、
また、そうだとしたところで、
なら、雨に遭ったことを立証せよと言う。


いつもそうだ。

水俣病しかり。薬害しかり。


おそらく、
今回の福島原発事故による放射能被ばくに関しても同様になろう。
何年、何十年経ってでた健康被害も
「証拠がない」「因果関係が不明」で片づけられてしまう。
特に低線量では。






        生きている人間は
        死んだ人間の白骨を踏んで
        地面の上を歩いている。

        今までやっと生きてきた人間が
        突然血を吐いて死んで行く。
        ___ウラニュームの放射能。
        遺伝子の突然変異。
        それが言葉の言えない黒い影の
        悲痛な証明(あかし)なのであろうか。

        彷徨(さまよ)える黒い影は
        また
        銀行の入口の石段に帰ってきて
        もとの形の通りに
        僅かに絶望の身体を横たえる。
              ____上林猷夫「黒い影」より___








コツコツコツコツ・・・・・

脚下の白骨の音は、
聞こうとしなければ、決して聞くことはできないのだ。


               
              認定されないまま乳がんで亡くなった
              非識字のAさんが、
              一生懸命学び書いた、懇願の文字が胸を打つ。