草の葉

高山村にある、緑に包まれたギャラリー

生まれた時代

2008-12-17 16:11:16 | 雑感
 わずかな音をたてて降る、冷たい雨の一日だった。

妹尾河童さんの「少年H」を読み終える。
少年期、思春期をあの戦争とともに過ごした妹尾さんの自伝ともいうべき上下巻700ページは、
驚きや戸惑い、憤りはもちろんのことだが、
人間や時代の持つ温かさやおおらかさに、数知れぬ笑いを得て読み続けた。
落涙は、残り50ページ足らずになってから。

奇しくも、今日ずっとかけていたのは、
ショパンの「アンダンテ・スピアナートとグランドポロネーズ」だった。

数年前に見た「戦場のピアニスト」の映画の最後に流れていたのがこの曲。



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マスコミは、今、100年に一度の大不況だという。



   雨も止み、
   CDの音も止んだが、
   クラウディオ・アラウのピアノの残響とともに、
   ワタシの中にいろんな思いが交錯する。

   人の生まれた時代、
   人の生きた時代の妙を思う。