「終わらざる夏」より
浅田次郎さんの本です。
まだ、半分程度しか読んでいません。私には難解な本です。
太平洋戦争の終戦前後を題材にしています。
主として、千島列島最北端の物語です。
所々、抜書きしました。
例えば、
「千島列島は北海道の東端から、ソ連領カムチャッカ半島に向かってほぼ真直ぐに伸びる火山列島の総称である。
しかしこの直線状から南に外れる色丹島と歯舞諸島は、地質上も地形上も正しくは千島列島に含まれず、
北海道花咲半島の延長なのだが、主として国防上の便宜からこれらも『南千島』と呼ばれる場合が多い。
正確に言うのなら、
千島列島南部の択捉島と国後島に色丹島と歯舞諸島を加えた部分を便宜的に『南千島』と称し、
得撫(ウルップ)島から雷公計(ライコケ)島までを『中千島』、
捨子古丹((ステコタン)島以北の最東端占守(シュムシュ)島と最北端阿頼度(アライト)島までを『北千島』に区分する。」
この記述によって、地図を区分してみました。
つぎに、
「戦車第十一連隊が満州から北千島に移駐したのは、昨十九年の二月であった。
つまりその時点では、
アリュウシャン列島を基地とする米軍が日本本土に指向するにあたって、
まず、北千島を攻略するのではないかと考えていた・・・
通称『先』(せん)兵団。
二個旅団の指揮下に十二個の独立歩兵大隊を擁し、
無傷の戦車連隊まで含むその総兵力は二万を超える。
その多くはかって満州にあって世界最強を自負した、関東軍の精兵であった。」
満州から日本の精兵・関東軍を
米軍からの攻撃に備えて、千島列島北端に供えたようです。
事実は、日ソ中立条約は破棄され、且つ、米軍は南から沖縄、九州を襲い、
北千島の精兵は、 輸送手段もなく、孤立無援の状態になってしまったようです。
「ソ連は中立条約を一方的に破棄して、わが国に対し宣戦を布告しました。
満ソ国境を突破した敵は、少なくとも歩兵八十個師団、
すこぶる優勢な航空兵力と多数の機甲部隊を伴います。」
これから、下巻に移ります。
多分、終戦からしばらく、ソ連からの進入に悩まされることでしょう。
早く読み終えて、もっと明るい本に移りたいです。・