黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

気になること2、3

2008-08-21 18:30:35 | 仕事
 ずっと気になっていてきちん書かなかったことの一つに、グルジアとロシアとの「南オセチア自治州」をめぐる戦争のことがある。理由は、「民族問題」と国際情勢とが複雑に絡み合った今度の「戦争」について、オリンピック報道にスペースを奪われ、「情報」が少ないということもあり、書きようがなかった、ということなのだが、2年半前、ヨーロッパの小国(人口196万人)と言っていいスロベニアで1ヶ月過ごした経験から言うと、ヨーロッパにおいて「小国」が独立を保ったままどのような生き方をしていくのか、常にそのような課題を突きつけられている、という実感があった。
 それは、民族問題が即「宗教問題」であり、歴史的な問題でもあるという、一部の政治家による「単一民族」などという阿呆な言い方を簡単に許容してしまうような日本とは、全く異なった感覚をそれぞれの国が持っているという現実、それは明らかに「違和感」をもたらすものであった。スロベニアにいる時、母方の祖父母がフランス人とイタリア人、父親が日本人(祖父母は日本人)、母親がスロベニア人、という人に会ったことがあるが、彼女は当たり前のようにスロベニア語以外にフランス語、イタリア語、日本語がネイティブのように話せ、日本語以外はブロークンな英語しか話せない僕がそのことに驚くと、そんなのは「普通」で、5ヶ国語、6ヶ国語を話す人はたくさんいる、という返事。当然、そこには「宗教問題」も絡んで、事情を複雑にする、ということがある。
 国情が違うとはいえ、そのような「違い」が何故生じているのかを考え、その上でグルジアとロシアの戦争を合わせ考えると、「戦争」という最大の破壊行為がこの地球上から無くならないことに、「無念さ」を抱かざるを得ない。アフガン、イラク、スーダン、ソマリア、そしてグルジア、この地球上から戦火が消えることはないのだろうか。

 もう一つ、麻生自民党幹事長の農林水産大臣が発言したとされる「やかましい消費者」という言葉に対して、これは「関西以西の方言で、やかましいというのは詳しいという意味だ」というような苦し紛れのサポート、百歩譲って、農水大臣の問題発言に対して、関西以西で暮らす「消費者=書身・普通の人」が、あれは「福岡の方言で、<やかましい>というのは、<うるさい>という意味ではなく、<くわしい>という意味だ」というのであれば、なるほどそういうこともあるか、と思う人も入りかもしれないが、公党の幹事長が「あれは方言だ」などと言って発言者をかばうというのは、調子の乗りすぎで、これほど国民を馬鹿にしたせりふはない。
国民はなめられているのだ、と思う。そんな「下劣」な政治家が、次期総裁候補だという、そのような期待を寄せる国民もまた、非難されなければならないのは、言うまでもない。
 政治家の「言葉」が軽い、とは常々言われてきたことだが、今度の麻生さんの「言い訳」も軽く、責任ある人の発言とは到底思えなかった。言葉が軽く使われるというのは、内部的に何かが確実に「壊れ」てきている証の一つでもある。そのことを麻生さん、自覚しているかしら?

 疲れた。続きは明日。