黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

「怒り」を武器に!(12)――僕らはこんな社会に生きているんだ。

2016-04-21 09:25:36 | 仕事
 普段、僕らはメディアによって「言論統制」の厳しい中国や北朝鮮についての報道を嫌と言うほど伝えられているからか、「日本ほど<自由>な国はない」と思って暮らしがちだが、第二次安倍自公政権が成立して以降の政権の「報道」への規制は、「経歴詐称」が言われた高市総務大臣の「電波停止」発言が象徴するように、とどまるところを知らず、数を頼りにした集団的自衛権行使容認をはじめとする一連の独裁的な政策によって、いよいよファシズム国家としての色彩を濃厚にしてきてように思われる。 折しも、国連の特別報告者による「メディア調査」がこの19日に発表され、そこでいかに現在の日本における報道が「独立性」を侵されているかが報告されている。新聞報道に基づいて、それをいくつかの項目別に整理すると、以下のようになる。
メディアの独立:「放送法」の第3条は「放送メディアの独立」を強調しているにもかかわらず、多くのジャーナリストが「政府の強い圧力を感じている」と言っている。高市総務大臣の「電波停止」発言や先の衆議院選挙において自民とが書く放送局に「選挙中の中立・公平」(つまり、政権与党を批判するような報道はするな、ということ)を要請したことが冷笑として指摘されている
歴史教育と報道の妨害:従軍慰安婦をめぐって、中学校の教科書から「慰安婦に関する記載が削除された」ことについて、戦争中の犯罪についてどう扱うか政府が干渉するのは「民衆の知る権利を侵害するもの」とした。特定秘密保護法:この法律は、必要以上に情報を隠し、特に原子力や安全保障、災害の備えなどについて「市民の知る権利を危険にさらしている。具体的には、「秘密の指定基準があいまいで」、「秘密を暴露した」記者と報道への罰則規定が厳しく、内部告発者への保護が弱い
差別とヘイトスピーチ:日本は差別と戦うための包括的な法整備を行っていない。つまり、自公政権が罰則規定のない「ヘイトスピーチ規制法案」を提出しようとしていることを知っているのだろう
市民デモを通じた表現の自由:日本には力強く、尊敬すべき市民デモの文化がある。しかし、例えば、沖縄の市民の抗議活動に対して過剰な力の行使や多数の逮捕があり、必要のない権力(警察)の規制が横行している。 このような国連の報告者による「メディア調査」は、今回が初めてではなく、秘密保護法が制定されようとしていた2013年11月にも、「(秘密保護法は)内部告発者やジャーナリストに対する重大な脅威を孕んでいる」との生命を発したことがある。
 中東の戦争(内戦)や中国の人権問題、北朝鮮の「核の脅威」などに関しては、いつもアメリカを追随する形で「国連決議に従う・協調する」と言っていながら、このような国連による「メディア調査」について、ほとんど無視した形でしか対応しない安倍「極右」政権、国連報告者の「メディア調査」と時を同じくして(20日9国際NGO「国境なき記者団」(本部パリ)による「報道の自由」ランキングが発表された。
 それによると日本は「72位」、1位はフィンランドで昨年と変わらなかったが、「G8」(主要8カ国)の中ではドイツ16位、カナダ18位、イギリス38位、アメリカ41位、フランス48位、イタリア73位(因みにロシア148位、中国176位)となっている。「報道の自由」という観点からは、いかに日本が「先進国」とかけ離れているか、これで分かるだろう
 報道やメディアがこんな「恥ずべき」状態になっていること、これは明らかに日本の「民主主義」が危機的な状況にあることの証なのだが、「熊本地震」が起こった直後にSNS(社会的ネットワークサービス)の一つ「ツイッター」上に、「熊本県民に告ぐ、朝鮮人が井戸に毒を入れた」「朝鮮人が暴動を起こした」「こういう時に暴言はもちろん盗みとか嘘募金とかやる中国朝鮮人にご注意」といったデマ情報が書き込みされたということを知り、このような書き込みをしたであろうネトウヨが安倍首相を支持している日本の現状(政治)に、憤りを覚える
 因みに、このような「ヘイト・デマ」としか言いようがない書き込みは、関東大震災(1923・大正12年)に際して、「朝鮮人が井戸に毒を投げ込んだ」などといったデマに踊らされた軍隊・警察・(市民による)自警団が、数千人(実数不明)の朝鮮人・中国人・社会主義者らを俄yくさつした歴史的事実を模倣したものである。何とも吐き気がするようなデマ・誹謗中傷であり、ネトウヨといわれる人たちのメンタリティはどうなっているのか、怒りしか感じられない。許せないと思う。

「怒り」を武器に!(11)――敢えて言いたい!「この頃の日本人、おかしくないか?」

2016-04-13 09:42:58 | 仕事
 2,3日前に発表された朝日新聞の世論調査結果を見ていて、腹が立って仕方がなかった。
 理由の第一は、最近の日本人は「節操=モラル・倫理観」が無くなってきているのではないか、と思ったからである。具体的には、「憲法改正」や「安保法制」、「消費増税」等々の個別政策については「反対」が「賛成」を上まわっているのに、そのような決して「国民の利益にならない」数々の政策を打ち出している安倍自公内閣への支持率(約43%)が不支持率(約38%)を上回っているの何故か、僕にはその理由が見いだせじ、しかもそのような「矛盾」した現状認識を示している日本人=国民は、単に「怠惰」な、「変革=改善」を望まない、現状維持にしか価値を見いださない「ダメな人間」の集まりなのではないか、と思わざるを得なかったということである
 こんなことを書くと、多くの方から「傲慢だ」と言われるかも知れない。しかし、例えば「安保法制=戦争法案」について、その成立時に「今後丁寧に説明していく」といいながら、野党が要求した臨時国会は開かず、また「法案に反対なら対案を出せ」と言いながら、野党が「安保法制廃案」の対案を出した途端、「日米安保体制」を傷つけるから、審議はしない」と、国民=日本人の要求は無視してアメリカの顔色ばかりを気にして平然としている、そんな安倍首相が率いる内閣をどうして国民=日本人は支持しするのか、僕には皆目理解できない
 今国会で「審議」している(しかし、審議にならない)TPP法案についても、同じである。日本の農業に壊滅的打撃を与える(かつての純農村地区に暮らす僕は、日本の野行が現在どのようになっているか、毎日目撃している)TPP条約を締結することによって、日本の農業が「断末魔」の叫びを挙げるのではないか、と思えてならないのに、農民(国民)の多くは慣習的に自民党を支持し続ける。3反(約900坪)の田んぼでお米を作っても、毎年10万円の借金が残り、草ぼうぼうの畑が至る所に散在する現状を知れば、TPPは決して農民(日本人)のためではなく、「大国=帝国主義」アメリカの圧力で仕方なく締結する助役に他ならないのに、民進党が要求した交渉過程の記録は、全て「黒塗り」にして提出するという、何とも国会=国民を軽視した「悪辣」な仕業を平気で行う安倍自公政権に対して、何故国民は怒らないのか? 僕には、よく分からない。
 このままでは「憲法改正」には過半数以上が反対を表明しているにもかかわらず、「現状維持」を願い、また鳴り物入りで喧伝され続けてきた「成長」を前提とした経済政策(アベノミクス)が失敗していることを認めたくないという思いを共有することで、相変わらず「景気回復」や「成長戦略」の成功を一縷の望みとする国民=日本人を味方にして、選挙(たぶん衆参同日選挙になるだろう)を行い、自公が「勝利」するのではないか、と思われる。
 このことは、今朝(13日)の新聞に、東大の学長が入学式で新入生に「新聞を読みなさい」と式辞の中で述べたとあったが、東大に入学する学生も今や新聞も読まない「反知性主義」的な情況にあるということを物語っていることと深く関係しているのではないかと思うが、書籍はもちろん新聞さえまともに読まない、つまり物事を深く「考えない」若者が急増していることの現れを意味しているのである。
 先日、久し振りに上京したのだが、移動に使ったJRや地下鉄の車両に居合わせた乗客、見渡したところ4,50人いたであろうその人たち(老若男女)の7割近くがスマホを操作し、残りの乗客のうち本を読んでいたのは3人、あとの数人は眠っているという状況を知り、まざまざと">>「書籍離れ」「反知性主義」の現実を知らされた。
 もちろん、目の前の「ささやかな幸せ」も大事である。しかし、最終的にはその「ささやかな幸せ」さえも奪ってしまうであろう安倍自公政権の「安保法制」や「特定秘密保護法」を中核としたファシズム的な政策、つまり「憲法改正」を目論む政策に対して、今こそ「NO」を突きつけなければ行けないのではないか、もうそろそろ目覚めて安倍首相が目論むファシズム国家の建設を阻止する行動に移さなければならないのではないか、と強く思う
 「破滅」だけは絶対拒否したいと思う。

「怒り」を武器に!(10)――「憲法改正」のためなら、何でもありか?! 

2016-04-03 11:01:46 | 仕事
 このところの安倍「極右・戦争好き」首相の言動を見ていると、「憲法改正」――第一義的には「第9条」の平和条項をを改正して自衛隊を「国防軍」に昇格させアメリカ軍と一体となった戦争をスムーズに行えるようにした上で、、更には憲法の規定を越える権限を首相に付与する「緊急事態条項」を加えることを目的とした――のためなら、国会の論議や世論(マスコミの動向)など一切お構いなく、どんな「嘘=虚言)を振りまいてでも、何でもやるという、もうすでに「独裁者」としか思えない振る舞いに終始しているように思える。
 以下、安倍首相の「嘘」で固めた独裁者ぶりをを列記すれば、
 まず第一に、昨年の通常国会(9月)で「安保不正=戦争法案」の国会通過を強行した際に、「更なる国民の理解を得るために、手稲に否説明を重ねていく」と公言しながら、野党から要求のあった「臨時国会」を開かず、そして今国会にあっても、野党が提出した「安保関連法案廃止案」について、まだ国会の会期が2ヶ月もあるのに「日米安保体制を損なう恐れがあるので、審議しない」と決めたこと、安倍首相はどこで「丁寧な説明」を行ってきたのか。NHKの中継が入る国会審議ほど「丁寧な説明をする」のに相応しい場所はないと思うのだが、安倍首相の三百代言ぶりはここに極まれ李、といったところである
 次に、原発再稼働を強力に推し進めていくとの宣言。これはもちろん、これまでの原子力規制委員会という「隠れ蓑」を脱ぎ去って、第二次安倍自公政権において「公約」としてきた「原発ゼロを目指す」という約束を反故にして、今後は堂々と原発の再稼働を促進し、原発輸出も強力に推進していく、ということの宣言に他ならない。これは、例えば最新刊の『原発棄民』(2016年2月 毎日新聞出版刊)などを読むとよく分かるのだが、「フクシマ」が未だ「収束(コントロール)」されていないにもかかわらず、「2020年東京オリンピック」招致演説において「フクシマは完全にコントロール下にある」などと世界に向かって宣言したのと同じメンタリティで、「原発」を推進していくということでもある。換言すれば、安倍首相は、もし可能ならば、アメリカの「核の傘」の下で、アメリカ追随(属国化)を強め、更にはアメリカの共和党大統領候補トランプが口走った「日本の核武装化を容認すべきだ」というネオコン(新保守主義)の考えに悪のりするような形で、「日本の核武装化」を目論んでいるのではないか、とも思われるということである
 三番目は、「この次は絶対に行わない」と言っていたにもかかわらず、物価高で苦しむ庶民=国民の足下を見透かすように、年金などの「福祉予算」がピンチになる(反面、防衛予算だけが中国や北朝鮮脅威論の下で増大し続けている)ことを承知で、「消費増税再延期」を行い、さらには低所得者層の老人や若者を対象に「3万円」を給付したり、商品券を給付することで「人気を得た」上で、衆参同日選挙を行おうとしていることである
 国民をバカにするのもほどほどにしろ、と言いたいが、以上挙げた「3点」だけでも「憲法改正」のためなら何でもやる安倍自公内閣の本質が見え見えなのだが、そのようなファッシストとしか思えない安倍首相に率いられた政権に「40~50%」という他界支持率が与えられる、何とも奇妙な日本社会、「民進党」をはじめとする野党の「」弱さ」もその理由かも知れないが、、非難を覚悟で言えば、どう見たって僕らのために存在しない安倍自公政権に高い支持率を与える国民も、また「愚か」なのではないか、と思わざるを得ない。
 改めて、何としても安倍晋三の「野望」を阻止しなければならない、と思う。このまま安倍晋三の「暴走」を許してしまえば、近い将来とんでもない社会が実現すること、間違いない