黒古一夫BLOG

文学と徒然なる日常を綴ったBLOG

忙しい日々、続行中

2005-10-12 16:30:17 | 仕事
 前の記事から1ヶ月がたってしまいました。
 相変わらず忙しかったのです。自分自身の仕事(一番新しいのは、大江健三郎の新著『さようなら、私の本よ!』講談社刊の北海道新聞への書評と、地元紙『上毛新聞』の「視点」欄への記事です)もあるのですが、いま大きな仕事を3つ抱えているからです。
 一つは『立松和平・日本を歩く』(全7巻 勉誠出版 黒古の責任編集)という立松氏の「紀行文集」を作っているからです。これはもう少しでできあがります。
 二つ目は、『<在日>文学全集』(全17巻 同)、こちらの方は来年の刊行になると思いますが、日本の近・現代文学の歴史において重要な位置を占めている、在日韓国人・朝鮮人の文学全集を企画し、編集しています。李恢成や柳美里、金石範、といった作家の作品が、これまでは個別の全集の一部として収録されると言うことはあっても、<在日>作家や詩人たちの仕事が一望できるという全集はなかったので、画期的な仕事になるのではないかと思っているところです。
 3つ目は、『司修の仕事』(全8巻 同)です。画家、装幀家、作家である司修の仕事は、「表現」と「社会」との関係を考えるとき、大きな意味を持っているのではないか、と思い、作業を続けているところです。
 それぞれ「改題」や「解説」、「書誌」のことを思うと、気が重い面もなくはないのですが、自分とは違った表現者の「全体」衛雄見ることが出来るというのは、なかなか面白い仕事だと思っています。
 この三つの仕事に加えて、ひょんなことから前橋文学館の建て直しも頼まれて、これは司修の手伝いということで始まったのですが、いま地方の公共施設がどこも抱えている問題に前橋文学館もぶつかっていて、なかなか大変です。でも、どのように文学館のあるべき姿を描くのか、といった観点から考えると、はまりそうになってしまいます。理想の文学館活動、を夢見ていまのところ全力疾走です。
 ということで、相変わらず多忙です。
 でも、自分の仕事(当面は「林京子論」の完成)もやり続けます。
 ではまた。