会計・税務分野は、IT化によって、経験・スキルが低い人でもできるようになってきています。申告書を手書きで書いていた時代は、税務知識がなければ税務申告書が書けませんでしたが、今では、パートの仕事となり、そのチェックを税理士がすれば済んでしまいます。
また、IT化は業務の標準化・簡略化を劇的に進めました。今までは職人の技術に頼っていたことも、IT化によって誰でもできるようになったのです。
IT化が会計事務所に与えた影響は計り知れません。
しかし、今これが会計事務所を淘汰させようとしているのです。
税務申告書の作成プロセスが、標準化・簡略化されるほど職人である税理士は必要なくなります。これは、会計事務所の拡大を加速化させる要因(同時に淘汰も加速化する)となっています。
現在、会計事務所は二極化が進んでいます。大きな流れは、巨大化と広域化です。東京にある有名な会計事務所が地方展開を進めています。また、地方の有名な会計事務所が東京進出を行っています。
このような動きは今後、益々盛んになっていくことでしょう。
私は、公認会計士事務所が実質4社(ビック4)に淘汰されたように、税理士法人も国内で10社程度に淘汰されていくものと思っています。もちろん、会計事務所数は数千残るかもしれませんが、それは、そのほとんどが自宅での開業で、後継者のいない会計事務所になる可能性があります。
まさに今、会計業界は生き残りをかけた戦国時代なのです。
今やるべきことは、シェア(規模)の拡大なのです。シェアを拡大すれば、その後のサービス展開はいくらでもできます。しかし、質にこだわるあまり、シェアアップの図れない会計事務所は、我々のサービスがコモディティー化していくに従って、顧客単価を落とし、やがては存続不可能になっていきます。
このことに、気づいている経営者と気づいていない経営者(または、気づいていても動けない経営者)がいます。
今、我々がなすべきことはシェアアップなのです。
11月に横浜支社をオープンします。
また、来年、名古屋支社と大阪支社をオープンさせます。また、それぞれの場所に税理士法人を併設し、ワンストップサービスを展開していくことが、今、我々が行わなければならないことです。
通常の会計事務所では、社員が育つスピードでしか成長できません。社員は育つまでに3年かかるのです。
しかし、我々は、社員が入社するスピードで会社が成長します。そして、3年の間にプロフェッショナルに変わることができるのです。
この業界をどのように読み、行動するかが重要です。誰かの成功事例を待ってはいけません。自分が最初の成功事例にならなくてはならないのです。本当に繁栄できる会社は、どの業界でもトップ3社だけなのです。
金メダルを目指さないアスリートが、金メダルを取ることがありえないのと同じように、日本一を目指さない会計事務所が日本一になることはないのです。