江戸時代後期の浮世絵師、葛飾北斎(1760~1849年)の代表作「富嶽三十六景」シリーズ全46図が3月19日、米ニューヨークのクリスティーズで競売にかけられ、355万9千ドル(約5億3700万円)で落札された。
同社によると、全図が出品されるのは2002年11月のパリでの競売以来、約21年ぶり。
米ペンシルベニア大ウォートン校などで教授を務めたインド出身のジテンドラーシンさんが2013年から10年間かけて収集した。
落札者は明らかにされていない。
葛飾北斎が70歳を超えてから発表した「富嶽三十六景」は人気を博し、10図が追加制作された。
昨年3月の競売ではシリーズで人気の高い「神奈川沖浪裏」が276万ドルで落札された。
クリスティーズで日本の美術品を担当する村上さんは「刷られた数は2千とも5千ともいわれ、正式には分かっていない」と説明。
追加制作の10図は数が少ないため、全図そろうのは珍しいという。
「北斎の作品の国際的な認知度が高まり、価格が上がっている」と語った。