染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

富士山環境展 最終日

2014年03月23日 06時24分37秒 | 富士山環境展
2週間前にわたって開催しました、富士山環境展。本日17時に終了となってしまいます。
まだご高覧いただいていない方は是非お越しください。

会場には富士山の環境を鹿を切り口に観た状況をわかりやすく、井戸直樹さんと小野比呂志さんがパネルにて展示して頂いています。
それを踏まえた上で展示をしていただくのが最良です。
その後、DMの画像にもなりました、銭谷均さんの写真。




いつもはモノクロの写真で儚くも美しい造形美を表現されていく方ですが、準備をしていく課程で、もう少し説明的な表現も必要であると判断し、銭谷さんには珍しくカラー写真を多く展示して頂きました。
鹿の森の食害は、そこに住む鳥や小動物に少なからぬ影響があることを、理解できると思います。

それから、これまでご紹介させていただいた作家さんの作品が並びます。




最後に鹿の活用ということととは、また違ってくるかもしれませんが、富士山の環境、現状について象徴していると思われる作品。
十時さん水越さん、白砂さんそして私遠藤の連名での作品として展示している全身骨格。

標本とは違って、富士の山中でおそらく解体され、骨を残して遺棄されてしまった鹿の残りを大きの小動物が更に食べ、鹿の骨が土に帰ろうとしています。
これが骨のみならぬ、命の循環。人を含め、鹿の命が多くの命を育んでいると感じられます。

富士山麓で営まれている多様性の環境を、長く維持することが出来るのも人間です。壊すのも人間です。

生物、植物の多様性の必要性は言わずもがなですが、施しようのない状態になる前に行動していけることを期待しています。

          


          


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで


インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ

ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志


場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 骨からガラス

2014年03月21日 06時05分46秒 | 富士山環境展
異素材が交わることで、現実から離れ、違和感とともに新鮮な感覚を抱かせるガラスと骨の作品。
DMにはご本人の意向により名前が載りませんでしたが、市内在住のガラス作家。もともと美しい造形と繊細さでガラスの透明感を引き出すことに長けています。

一度焼かれた骨はもろく切ない状態であり、その一端から、ガラスが流れ落ちてくる様な時間と空間をいっとき止めたような凛とした強さを感じられる作品です。
ガラスの切ないような柔らかさとその物質としての硬さの表現は、
本来の透明感と風化したような骨の質感とがシンクロし、複雑に絡み合う造形を生み出しています。

富士山環境展 後3日です


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 未確認飛行物体

2014年03月19日 21時37分53秒 | 富士山環境展
富士山環境展も残す所、後4日 ご高覧いただいていない方は是非お越しください。
今週末の22日土曜日はギャラリートークもありまして、猟師の井戸さんと色々とお話が出来ます。鹿猟に関する様々な疑問質問なんでもお答えします。

ワークショップと対になっていますが、ワークショップ参加されなくてもお話は聞けます。質問も出来ます。


さて、画像の作品は基本絵描きのナガタトシヒロ氏です。
彼の作品は色々な物語を構築し、同じ画面にいくつかの時間を表しています。つまり色々な場面がひとつの絵の中できれいに構成されているという複雑な構造をしています。
ある1つのファクターが自身に理解できると全体が想像できるという、文章を読むように、読み解く作品が多いです。
画像も一部の切り取りのため理解不能かもしれませんが、全体から読み解くことでなんとなくわかってくるかと思われます。
それが製作者の意図とは異なったとしても、構わないので、楽しんでみてください。
是非会場にてその全貌を御覧ください。


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 残り後5日

2014年03月19日 09時27分42秒 | 富士山環境展
富士山環境展 残す所後5日となりました。
よろしくお願いします。

一本角の鹿の頭は、人の脳裏に宿りその行いを戒め、その具現化された存在は人々の煩悩を正す。
人と神 人間社会と先住世界 その境界線はあるのか。
人は自然と住み分けを目指しているが、明確な境界線を作らなくてはいけないのか。

共に生き、共に暮らすことは出来ないか。
人と自然、神 かつては共存していたもの同士が再び歩み寄れないものだろうか。



「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 ポップな獣

2014年03月18日 01時39分54秒 | 富士山環境展
富士山環境展も残す所一週間を切り、明日の休みを挟んで23日までとなりました。

画像は坂本友実さんの作品。「ポップコーン怪獣」というには結構可愛い作品。

坂本さんは言わずと知れた、ボーンマスター。骨コレクターです。全く素晴らしいの一言であります。骨に関しては正に漢です。
その数多あるコレクションを自身の生活にも活かそうと様々な作品や商品の開発にも余年がありません。

この作品は鹿の躯体に数えきれないほどの鳥の背骨、うさぎの顎、などで構成されています。
その上に木の皮の布、タパクロスで覆いその形態をまた生き物のように変化させています。
今回の展示では、骨への愛情が最も感じられる作品だと思います。一つ一つの骨の美しさや面白さを見てほしいという思いが伝わります。



「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 パンクなオブジェ

2014年03月16日 20時42分02秒 | 富士山環境展
本日は知る人ぞ知る、オートマタの作家 水越のぶまさ さんの作品。
骨をどこまで自分の作品に取り込み、且つ骨を使った意味がそこに残るかと意識しつつ制作していただいた作品「草食獣」

ご本人の作品はオートマタの別名をウッドメカニカルというように、木で歯車を制作してカラクリを駆使して動く作品が主体です。
その雰囲気を持ちつつ更に骨の造形を活かしつつも、骨の造形美に負けない仕事を施しています。
それにより、鹿の頭骨がまた新たな生き物となり、新しい息吹を始めているようです。

この全貌は是非会場にて御覧ください。

他の作品同様 「骨=死」 という図式が覆される作品群と思います。 


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 一輪挿し

2014年03月15日 23時21分27秒 | 富士山環境展
富士山環境展も折り返し点を通過しました。
画像の作品は一輪挿し。白砂勝敏さんの作品。彼は、なんでも出来る優れものですので丸投げしても何とかしてくれます。
何をしている人かというと言葉に詰まる程多彩でありますので、ブログにてご確認ください。ブログはこちらです

鹿の骨の一輪挿し。
尾てい骨の骨と首の何番目かの骨をあわせています。ほんのちょっとした事ですが、なかなか出来ないことをサラリとアッサリとまとめています。



他に背骨でも制作して頂いています。
こういうものを見ると、骨の美しさを上手く使ってその形態美を如何なく発揮されているのが解ると思います。
この作品の前でため息を付く方が多いことでも、彼の発想の力が伝わります。

この他に動物の毛で毛鉤を制作していただいています。とても美しく仕上がっています。その辺りは是非会場にてご確認ください。


それから、本日はワークショップがありました。10名ほどの参加でしたが、何とか天気にも恵まれ、無事終了しました。
写真などは知人で写真家の小林さんが撮りに来てくれて、とてもさわやかな写真を撮って頂きました。後日ご紹介できればと思います。


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

富士山環境展 陶芸

2014年03月14日 10時35分13秒 | 富士山環境展
富士山環境展に出展作家の中で、陶芸作品を出していただいた、水島圭子さん。ブログにて紹介して頂いています。こちら

ミルククラウン型のキャンドルスタンド。丸い水玉の所に鹿の骨を粉にしたものを入れているようです。
釉薬にするに当たって、色々難しい事があったようですが、きれいに作られています。

試作も重ねていただき、最終的にいいものを作っていただきました。会場全体として専有面積は少ないのですが、骨の活用として今後最も可能性があると思っています。
頑張れば出来ると多くの方にわかって頂いて、新たな活用が見いだせれば良いと思っています。

粉にするのは大変なので、どこまでの骨を提供したら良いのか相談しながらお話をさせて頂いています。


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで

インタープリター(自然との仲介者)と造形家による
富士山麓の現状解説と活用の提案
鹿を中心とした捕獲とその活用
なぜ鹿の頭数管理が必要なのか
命をいただくことから
これから森と人との関わり命の循環について
考える機会となれば幸いです。

(出品者)
十時孝好
水越のぶまさ
ナガタトシヒロ
白砂勝敏
水島圭子
坂本友実
銭谷均
遠藤和帆
森のたね 井戸直樹
小野比呂志

場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

骨の椅子

2014年03月12日 23時31分18秒 | 富士山環境展
本日搬入した椅子。食害にあっていますが、それもまた循環かと思います。
「いいわけか?」と問われると言い返せません。

それはそれといたしまして、少しずつ変えていこうと思っていますので、本日他にも作品を入れています。日々進化する展示。富士山環境展。
23日まで開催しています。

ワークショップおかげさまで人が集まりつつあります。まだ染色が定員に余裕あります。よろしくお願いします。


「富士山環境展~富士山の生物多様性と命の循環~」
3月8日(土)~23日(日) 9時00分~17時まで 火曜休館

ワークショップ
【南陵の森の草木で春を染める】

南陵の森をめぐり 森の恵の草(よもぎ)木(ハンノキ)などの色素で、
絹のストールを染めます。色はベージュ系と黄緑っぽくなると思います。

定員20名

参加費 2000円

軍手 草などを斬るハサミ ゴム手袋 汚れても良い服装 昼食

講師 遠藤和帆 担当三浦


3月22日(土)
ギャラリートーク
森から見えてくるモノ 命の循環 13時

   講師 森のたね 井戸直樹 / 染織工房豆 遠藤和帆

14時から、鹿ミニポーチ制作。参加費1000円 こちらは定員になりました。ありがとうございました。

トークは「森のたね」代表がとても上手なので、おまかせです。
鹿の捕獲について詳しく伺いたい方は是非お越しください。


場所:富士宮市富士山環境交流プラザ
〒418-0011 富士宮市粟倉1618-9
TEL/FAX 0544-59-0050

骨を使う事

2014年03月11日 19時30分38秒 | 富士山環境展
骨を造形に使うということは難しいです。今回作家の方々にその骨を使って制作して頂いています。
骨の形は手にとって頂けるとわかるのですが、とても完成された形態をしています。これまでの多くの作家がモチーフにしてきたことでもよく解ります。
その骨を活用することは形のや大きさの制約などの問題が発生します。折角骨を使っているのだから、その良さを出さなくてはならないけれど、そうすると大きさが決まってきてしまう。余りにも他のモノが強くなると骨を使った意味があるのかと言われてしまうんですね。

この素材を使ってこその作品ができるかどうかが大きな課題になります。

作家さんにはそのへんも一応お話して、更に出来そうな方には実用品もお願いしたりしました。
要約すると、「骨使ってなんか作ってよ」ってお願いしたんですね。
それでも、言わなくてもわかるでしょって人にお願いしたつもりです。

作品の他に実用品も作ってよと人に言ったので、自分も作らないといけませんねって事で色々作りました。画像は骨モビール。
染織家なので、ちゃんと染めました。天然染料はまあ染まりますが、上手くいかない。アリザリンとタンニン。赤と黄色系は染まります。コチニールもよく染まります。
モビール作るのなら、楽しい色がいいに決まっているので、派手にしたい。何で染めたものかわかりませんでしたが、一応動物のモノなので、絹やウールを染める酸性染料で染めました。普通に染めていてもなかなか染まらないのですが、仕上げに酢酸を入れると驚くほど染まりました。

この結果は実はあまり良くありません。染まることはいいのですが、酢酸を使うのは本来は最後の最後、仕上げです。色止めという人もいますが、個人的には急速染色になるので、表面が染まるということ。中まで染まっていない。酢酸は色の定着には代わりはありませんが、骨に関しての染まり方を見ると酢酸を入れてもらって急いで吸着している感じが否めない。つまり表面的に染まっていると思われるので、堅牢度などが低いだろうと予想されるのです。

そんな不安を感じつつ展開しています。骨の染色。
モビールにしたのは形がとっても格好良いからで、背骨とか尻尾の骨とか、上も下も全部見てほしいから。格好良いじゃんこれ!って共感できると思うんですよね。とりあえず初日1歳児に好評だったので作って良かったです。

きっと昔の子供はこれを見ていたはず、、、とか勝手に思いを巡らしています。

この他にも色々あります。他の作家の作品もおいおい順を追ってご紹介したいと思います。