染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

マダニ君の季節

2017年07月28日 22時01分27秒 | 動物 化石 鉱物
さて、マダニの注目される季節になりましたが、それはまあ、人が野山に入ることが多くなる時期だからです。
個人的には冬の方がいい型のマダニ君に会えるのですが、彼らは年中無休で働いていますよ。

先日、マダニから、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」に感染した猫に噛まれた方が、感染し亡くなられることがありました。こちら

動物から、どういう経緯かわかりませんが、感染するとしたら、今後マダニ君の肩身は狭くなりますし、狂犬病のように特効薬を見つけるかもしれませんね。
でも、マダニは日本紅斑熱も媒介するんですよね。

大変残念な事故ですが、こんなことがあってから、数件の相談をいただきました。
どうしたらいいかってことですが、どうしようもありません。
喰われないようにするには、注意するしかないのですが、それをどうしたらいいかって話なんだと思います。
犬猫なら、一応フロントラインとかありますから、そのあたりの物をするしかないんですね。後は、こまめなブラッシングです。

人な場合は、森に入らないのが一番ですが、
それでもなら、サラサラの長袖長ズボンの服を着用して、あまり草の鬱蒼したところや、食べかけの笹のあるところは避けた方がいいです。
森の中では、自然と歩きやすい所を歩くものですが、そこって動物も同じです。そういう所にマダニ君いるんですね。
あと、意外と普通の虫除けも効くような気がしますが、
草に乗っているマダニ君は、温度とか息づかいとかを感じて、落ちてくるので、その虫除けを感じた時に方向転換出来るかどうか疑問です。まあ、下から登ってくるのは避けられるような気がします。実験では少しユーカリの香りが嫌いなような気がします。気休めかもしれませんけど。

毛が少し多い方は半袖とかでいると、マダニが登ってくるのがわかります。毛って重要な役割があるんだなと思います。
彼らは皮膚の柔ないところに吸着するので、そこまで登っていくんですね。
割と上の方が好きみたいです。背中の脇のあたりとか、足の膝の裏あたりとか付け根とか、二の腕とか。
頭の毛の生え際に喰われたこともあります。

喰われたら、早く病院へ行くことですが、どうしても1日とかいけない時は、とってしまった方がいいと思っています。
ウイルスに感染するのには時差があるように思うからですが、吸うだけならともかく、排泄も体内にしてしまうので、それを避けるためにどうしてもって時は取ってから、病院に行けばいいと思います。蚊のように吸われただけで、感染することもあるので、なんとも言えませんけど。
自分で取ると、吻部が中に残ることはままあります。結構あとまでかゆいです。異物感があります。

東日本では感染した方はほぼいないようですが、体調不良になった方を自分も含めて、何人か知っています。
日本紅斑熱の感染者は静岡でも出ているので、その可能性もありますが、東日本ではそのSFTSの検査自体ろくにしていないので、残念ながら誰かが亡くならないとわからないんじゃないですかね。研究されている方もおられますが、鳥からの感染だって言っているので、現場を知らんなあとちょっと思う。



ただ、そういう対処療法しても根本的に何も解決しませんね。
なぜ増えてきたか? マダニが増えてんでしょうが、なぜ増えたか? これまでのデータがないので、マダニの数がどうこうということではないのですが、マダニに喰われること自体少なかった以前に比べてどういうわけなんだろうと考えてみると、
野生と人間環境が近くなったからに他なりません。その媒介者は何かっていうと、鳥じゃないですよ。やはり鹿や猪だと思うんですね。彼らには間違いなくついてるし、里山が疲弊して、人と野生の境界線が狭くなっている。そこを行き来している野生動物たちが媒介者となっていることは昔から変わらないのですが、その距離感がお互いなくなってきている気がします。

そのために何が出来るか、皆さん考えていただきたいのですが、それぞれ出来ることは様々です。
野生動物を獲れる人は獲ったり、食べるものは家畜動物をやめて、野生動物を食べるとか。森との関わりは様々ですが、今を生きるためにしている行動が何のためにあるのか、この食べ物はどこから来てどこへ行くのか、少しでも思いを巡らせることから始めていただければ、何かが良い方向へ変わって行くと思います。

まず、知ろうとする心から意識していただけるといいなと思います。