染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

先日の染め

2015年06月28日 10時03分08秒 | 工房豆
藍染めをしております。どうしても日暮れ後に写真を撮ると色が悪いですね。

この数週間何か藍の調子が悪く、しっかりと染まらない日々が続いておりました。
問題もなんとか解決しましたが、ちゃんと仕事をしていればこんな事にもならないのだと痛感しました。藍がへそを曲げたといえば可愛いのですが、完全に僕の管理不足でした。

藍瓶ももう少しもう少しと、その場しのぎでやってきたツケが溜まりに溜まった感じで猛省しております。
これから暖かくなりますが、藍の染まりも早くなるこの時期、痛みも早いので、この夏が終わったら、建て替えようかと思いました。


一回スクモでやろうかなとも考え中であります。

そんなことよりもちゃんと染織しようよと自分に言っております。

濡れ色は悪くなかったんですけどね。


登呂遺跡に行きました

2015年06月16日 22時31分24秒 | 工房豆
静岡県での竪穴住居として有名な登呂遺跡に行きました。ちょっとした打ち合わせです。

以前から、スピンドルのコマがあると聞いていて、織り機の再現がされているというので、見に行きたかったのでちょうど良かったです。
再現の模型は撮ってこなかったのですが、まあ間違いとも言えないので、こういうものが発見されているのなら、そうであると言える。ただ、有料の会場を見るとどうも首をかしげてしまうが、まあそれはそれであるし、考古学の専門家と染織の専門家では解釈が違って当然である。結果に基づかなくてはいけない考古学であるから、いい加減なことは言えない事は理解している。ただ、染織の常識ではない。

最初の画像は発見された布切れである。染織の文化は人の歴史であると言い続けているものとしては、ありがたいです。こんなものでも良く見つけたものだと思います。
素材はなんだと聞いたら、麻だという。
この布は麻かもしれないが、繊維は麻だけではない。日本の布は麻しか無いと思っている事がおかしい。麻と絹しか使っていなかった時代にスピンドルは無いぞ。



紡錘車はスピンドルですが、これ直径6センチ位の土練制だそうだけれど、これさあ、でかすぎるし、重すぎると思う。麻を撚るにしてももう少しコンパクトにするはずである。勿論これでも出来なくはない。ただ、世界中の紡錘車で焼き物で作られた物はあるけれど、こんな大きくないと思う。普通にうんだ麻に撚りかけするのなら、木を切ってコマにしたほうが良いはずである。これだけ大きな物を使うとしたら、長繊維か、撚り増しかなと思う。じゃあ麻でもいいじゃんと自分に思う。僕も少し迷う。これがスピンドルであるとするならば。



織り機。
ちゃんとした発掘されたものも確認しましたが、いまいちわかりづらいです。再現のものも間違ってはいないでしょうが、結構発達している。わかりづらいけれど、上の説明の絵では織れない。そこはまあ小さいことである。
専門家はまあちょっとでも自分の知識はひけらかしたくなる人もいるから、これは違うとかあれも違うとか言うけれど、結局みんな手探りでやっているんだから、仕方がない。文句をいう人は証拠を持ってこなくちゃあいけない。

そこでみんな推量とか時代考証とかで、こうでもないああでもないとやっているわけだと理解したのですが、であるならば、人生もっと楽しんでたんじゃないかと思います。



琴発見。ほんとに琴なの? と思うわけです。 琴だとしましょう、じゃあ、弦は何?琴は糸っていうんだっけ。



犬の歯発見。犬飼ってんじゃん。でも食べたのかな?



珍獣発見



トリケラトプス発見?

後半2つは今回は置いといて、琴の糸、なんだよって考えると 生糸ですな。絹糸。犬いるのなら、毛も取れますね。あれ、そう言えばスピンドル。

繊維が麻だけであるという前提から、考えなおして行かないといけないと思うんですよね。そのためには証拠を積みあげなくてはなりません。館長さんにもお会いしましたが、どうも若輩者に見られたようで相手にされていない感じであります。であるならば、結果を突き付けてやると思っています。

鹿の骨

2015年06月11日 10時17分16秒 | 鹿革制品
今月の21日に鹿皮でシャーマン太鼓制作のワークショップのお手伝いをします。
環境展にも参加していただいている、グランジさんがまたやってくれます。詳しくはこちら グランジ工房


そこで、肋骨を使って皮を張るので、無いかって言われたので、発掘しました。

この子たちはずっと庭に放置してあって、家族から嫌がられていました。別に考えなしに放置していたわけではなくて、山で拾った骨などと同様、風雨に晒すと、白くなる傾向があるので、土に埋めて白骨化した骨を広げて晒していただけです。虫とかいっぱい着くんですけどね。

大体60本、二等分とバラのものいくつかありました。取りあえずコノくらいで勘弁してやろうと思う。庭の骨は頭と背骨だけになりました。足は太鼓のバチになります。蹄とかはアクセサリーにして、指とかは箸置きになるんですな。漆塗ってしまいます。

それで、顎は勿論キラースティックになるわけですが、今回おかしな顎発見しました。鹿の顎の使い方





歯髄炎から、骨髄炎になってるんじゃないかと思いますが、どうなんでしょうね。現在対象が人間ではありますが、専門家に見てもらっています。野生動物が虫歯ってあまり聞かないし、ならないとか言う人もいたと思いましたが、どうなんでしょうね。

鹿、全身使ってやりますよ。
僕は個人的にブーメランの起源は顎だと思うんですよね。今度登呂遺跡に行くから、聞いてやろうと思います。
でも登呂遺跡にはボランティアですが、ちゃんと本職で行きます。

話がそれましたが、21日シャーマン太鼓制作やっています。参加者残り僅かです。


シザーケース

2015年06月02日 21時31分08秒 | 工房豆
昨今は注文生産でしか革はやりませんが、ずい分前にシザーケースを作らせていただた美容院に行きました。
そしたら、上手いことメンタナンスをしながら、とても良い感じに仕上げていただいています。
ちょっと毛の抜けが悪いところもあるようですが、概ね良好に使っていただいておりました。大変ありがたい。こういう時に色々聞いておくと面白いし、今後のためになるので、忘れ無かったら、次に生かせると思います。

簡単に説明すると、通常売っているシザーケースって、クレープの包み紙みたいな形が多くて、底が少しだけドットボタンなどで、開くようになっています。そこから、ハサミについてきて、ケース内に残ってしまった髪の毛を取り出すんですが、とても取り出しづらいらしいです。割り箸とかで突っついて出すのですが、全部は取れません。じゃあ、こすればいいじゃんと僕のやつは画像のベルトを外すとパッカーンと開いて中の掃除が出来るすぐれもの。
ハサミを入れてある所に少し詰まるようですが、その辺り、改善の余地ありかと思っています。

使う人がどのように何を使うか相談してから、制作するので、とても面白いです。その仕事ならではの事もあれば、個々のこだわりも聞けるので、こういう小物は面白いですね。サンプルもいくつか作るので、似たようなものが幾つかできてしまいますが、取りあえず唯一無二なのがいいですね。