染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

夏休み

2016年08月27日 11時35分12秒 | 鹿革制品
夏休みも終わりですよ。
今年も子供と自由研究をしていたのですが、鹿とか自然相手にしていると予定通りにいかなくって困りました。
子供と太鼓を作るにあたって、ちょっと前になりますが、自分のおさらいも兼ねて太鼓の皮の張替えを行いました。


皮の破れた太鼓を見つけてきて、鹿革に張り替えます。



古いものらしいので、結構傷んでいます。
鉄のリングもまあよく錆びてますわな。これのサビを落として、サビ防止をぬって、しまいます。




模様がイマイチだったので、全体を削って、漆を塗りました。結構木の香りがきついので、それを抑える事も考えております。

更に割れたり何なりしているので、そこを漆で埋めます。錆漆です。 雰囲気は良くなりました。


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皮をカットして、水に付け、皮を張りますよ。
後はもうひたすら張っていきます。
なれていないので、手に豆ができたり、リングがイマイチ真っ直ぐじゃなかったりしますが、
何とか形になりました。
まだ完全に乾くまで、ぼちぼち引っ張ります。






更に小さなジャンベを張り替えました。
打面の毛を少しずつ削っているのですが、なかなかうまく行きません。夏の鹿の首筋は結構マダニ君が付いていて、皮膚も凸凹しています。この辺を直しつつ毛をとっているところです。

でも、結構ステキな音がしていますよ。もともとの山羊とかの皮の音色を聞いていないので、何ともいえませんけどね。


燻蒸

2016年08月15日 21時59分19秒 | 鹿問題
鹿の骨、夏に綺麗にすると虫が湧くんですね。
彼らを見ていると、きっかけは匂いによってきて、鼻の中にある軟骨(鼻中壁軟骨)を狙ってる様子なんですが、
幼虫時代にはそれだけでは飽き足らず薄い耳小骨とか鼻腔内の骨とかまでかじってしまうので、中がぼろぼろになることもままあります。
これが大物の虫だと逆に残ったりするんですが、難しいですね。

何にしても、真夏は狩猟に向いていない感じはします。

それで、乾燥と防虫、駆除を目的に蚊取り線香や、お香等をつけてあげますが、これ以外とカッコイイとか思ってしまいますね。


20日から 静岡市のギャラリーの企画展に参加しています。
お前またこれかよって怒られそうですが、テーマがこれだし、フライヤーの一番上に載っかっちゃたので、まあこれ出すしか無いでしょう。
よろしくお願いいたします。

Ryu x Botanica展 「野生の視線」8/20から金座ボタニカで。 金座ボタニカ






マチナカの人にリアルを。脳内世界より現実世界は残酷で儚いからこそ美しい。

染めると言う行為に対して

2016年08月06日 07時18分17秒 | 工房豆
染織を一応生業としておりますが、染めることについて一考察。

個人的な染織に対する姿勢ですので、誰に強制するものではありません。

現在、富士山環境に関係する活動を少々しておりますが、その極論と言われてしまいそうですが「人は地球に寄生している」ということ。
友人の言葉ではありますが、マダニ君の扱いを考えていた頃、「結局さ、、」という話になりました。
ただ、寄生虫と言われる多くの生き物は宿主を殺しません。宿主が死んだら自分も死んでしまうから。
一部の寄生虫や宿主を違えてしまった者には、殺してしまうものもあります。人間もそれと同様ではないかと思います。

奪うばかりで返さない。これが今の人類の行為ですね。
多分自分たちが滅ぶまで奪い続けるでしょう。人体ですら焼却してしまう事になって生き物に返還しない。

という考えが自然に入ってきたことには、何の疑問はありませんでしたが、自分の仕事について考えてみました。


天然染料による染色は、基本何でも染まるかのようです。
ただ、日光堅牢度や摩擦、色が染まるということを考えると、本当に染まることと、汚染されることは違うと思います。

あれは染まるかとかこれはどうとか聞かれることは多いですが、
つまらないこと言っても仕方がないので、一応染まるけど、色落ちするよっていいますし、そのワークショップしてくれと言われることもあります。
どうしてもと言われれば行いますが、自分の商品としては出せません。
堅牢度が悪いだろうと思われるものを使って、半年もしたら、色が変わってしまったと言うのでは話になりませんね。
よく聞く、天然染料だからってのは言い訳でしかありません。
仕事とするのなら、そういった感傷的な思考は危険であると思います。
なぜなら、それは責任を自然に転嫁しているからに他なりません。

上手く染まらなかったとしても、これが自然の色だよっていうのは、染織に携わるものとして許せません。


与えられた色を楽しむとかいう言葉にはとても強い違和感を持っているのですが、
これは何故かなとずっと思っています。
自分は天然染料や天然素材を使うにあたって、奪っている、搾取していると言う意識があるからだと思います。
だからこそちゃんとしたものを、ちゃんと使う。全部使う。

楽しむ染織は全く構わないのですが、商品制作、活動にそういうものを持ち込むことには違和感を持ちます。

人間の生活、活動は自然からの搾取なしにありえなくなっておりますが、
人間生活が自然や天然からの乖離を、多くの人の手から離れつつある染織から、見ることが出来るのだなと思いました。

現在の環境活動に携わることに、何ら違和感が無かったことと、染織に対する向き合い方の根幹は変わりがなかったことがなんとなくわかりました。


ちなみに、
博物フェスは、まあ、あんなものかなという感じ。
いろいろわかったこともありましたので、次回に活かせたらいいかと思います。次回があればですけどね。
大物が獲れたら、制作しますが、暫く休眠です。現実と世間の風は意外と冷たかったです。


自由研究2016 02

2016年08月03日 23時00分48秒 | 子供
自由研究の制作がかなり早くから始まってます。
下の子に限っては、もうまとめに入ります。骨の観察とかがメインだから、まあ、後は解体に参加させていただくだけです。
ただ、風邪を引いて休んでいるので、今は何もしていません。そういう娘です。

上の子も先週木を切ってきて、木に穴を開けて、太鼓の胴は乾燥中です。開けるのが結構たいへん。本当に大変。
でも結構カビる。いちいち根が張る前に削るのみですけど、いたちごっこです。
でも丸太のままよりもカビないし、乾燥してきています。

画像の木は切り倒すときのもの。娘が最後の一投を入れました。正直ビビってましたね。
かなり重たいです。乾くのか心配であります。







木の中を開けるのも早いほうがいいだろうと、翌日には開けました。大変でした。
そしてすごい量の削りカスがでます。雑草よけとかに使えないかなと考え中です。

鹿の皮が必要なので、来週まで、木の乾燥待ちです。
時間が出来たので、破けた安いジャンベを購入して来て、皮を張り替えます。ジャンベかなあ何か違う名前だったような気もしますが、また調べます。
そちらは、全部終わったら、まとめて展開する予定です。
模様がかっこ悪かったので、削ってうるし塗りました。汚いですけど。割れていたところは漆で止めました。


夏休み自由研究2016

2016年08月01日 21時33分25秒 | 子供
夏休みが来ました。
自由研究の夏ですが、今年は「脱ゆとり」なんでしょうかね、かなり宿題が増えています。
子供は大変ですが、自由研究はやりますよ。
今年から担当教科の先生に計画書を出すんだそうです。小学生は担任ですね。始まる前にやること決めてしまえってことですね。

中学生の上の子は太鼓作ると苦し紛れに行ってしまったので、やらせます。
この父親にそんなこと言ったら、木を切るところからやらせるに決まってるじゃないですか。しかも鹿の皮で。

下の子ははじめから、鹿の骨やるって言ってました。頭蓋骨ね。
頭蓋骨がこれまた、ほしいって言えばすぐ手に入っちゃうから困りますね。生で。

以前やった鶏の骨の作品が気に入っているようです。  自由研究2014

また骨洗っています。今度は子供と。
ただ、今困るのは虫です。ちっさいハエくんですね。コバエよりも大きい子。ノミバエとか、ケバエかなあ、、彼らが卵生むんですね。
煮て洗うこと数回でもういいかなってところで干していると、温かいから、困った匂いがするんです。ハエくんとかハネカクシとかが好きな香り。

温かいので、割と早く卵がかえってしまいます。
そうすると鼻の中の骨を食べながら繁殖します。これがホント困る。

何度か洗って除去しても、また来るんですね。
なので、今回は燻蒸しています。蚊取り線香で! これが結構イケる。
ちょっとやりすぎると脂がついちゃうけれど、今少なめのものもありますからね。香りつきも。

お香とかでもやってみました。