染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

作品制作

2007年04月30日 07時48分30秒 | Weblog
近々に個展を控えているので、日々いそがしくしていますが、僕は同じような作品を続けて制作する事が出来なくて、技法や素材等も多岐にわたります。
コンセプトや、主題は基本的に変わらないのですが、色々と並べるとガチャガチャしてしまいそうです。
会場のオーナーは私の作品と展示方法を大変買ってくれていますが、いつも自問自答しながら行っています。
私の作品は繊維なので、素材や技法により表現やテクスチャーも変わってきます。同じような作品の展開で、会場を構成する事は簡単ですが、それが僕には簡単ではないのです。染織り、特に織は制作時間がとてもかかります。ですから製作中に作品が変化する事はままあります。その事は技術の向上にはなりますが、作品の単調化を誘発します。
安心出来る作品は常に及第点かもしれませんが、満点を取る事は出来ず、最初の作品を超えられないような気がしています。だから作品はサンプルは大量に制作しますが、大物はせいぜい2~3点です。結果が見えてくると飽きてくる事も一因だと思います。

手織りを100枚200枚と織り続ける事も大事だと思います。
毎年あるにはあるのですが、アパレルのマフラー等は手織りが意外と多いです。たくさんやるとやっただけ答えをえる事が出来ます。やらなければ解らない事の方が世の中と同様多いです。言葉で言っても解りません。程度にもよりますが、失敗を多くしたものが良いものを作れると思っています。

話しがそれましたが、個展の展示どうしようかなあ、と思っています。
とにかく作品が無ければ展示にならないので、制作をしています。これまでの作品は縦長が多くて会場に入りません。大体3.5mから4mのものばかりです。
あーでもないこうでも無いと頭の中で考えてもまとまらないので、制作しようとなるのですが、作品が出来上がるとまた考え始めます。だから常に手を動かしています。『アホの考え休むに似たりじゃ』と自分に言い聞かせています。

ツバメの巣

2007年04月28日 07時55分27秒 | Weblog
今年もツバメが我が家に住まいを造り始めました。

良い事があるから、、とよく言われますが、ここ数年あまりよい事ばかりではありません。
毎年何かしら問題が発生しています。ですからツバメが住み着く事は良い事があるからと言って、糞害に耐えるようにしましょうという事だと思っています。
近所の家は、勾配がきつい屋根の軒下が多くて、毎年10以上のツバメの巣が確認されます。
ツバメが巣を作ると、その糞にひかれてハエ等の虫が集まり、そのハエを捕まえにかえるが集まります。カエルを食べにモズ等の大型の鳥も来ますが、あまり蛇は見ていません。

数年前に、ツバメの雛を拾いました。
まだ飛行能力が無いのに巣立ったのでしょう。時々草むらに潜んでいるものを見かけますが、その子は全く飛べなかったので、一時保護しました。
僕の親は昔鳥を飼っていた事もありまして、手乗りツバメにしろと言っていましたが、(かつてそんなツバメを見た事があります)それは人の都合で、鳥や自然に対してどうなのかなあと、思っています。自然と人はかけ離れてきて、人が作った世界の中に野生動物を取り込むのには抵抗があります。
僕も昔鳥の世話をしていたので、大体解りまして、練り餌や虫を与えました。虫を冷蔵庫に入れていたら相方に気味悪がられました。それはそうなんだけど、あったかいとこに置いとくと箱から出てくるし、巨大化して鳥が食べられなくなったり、蛹になって、我にもなるよと言っていましたが聞き入れてもらえませんでした。

そんな雛も1週間もすると飛べるようになりまして、我が家を巣立ちましたが、もうかえってくるなよーと、どこかの看守さんのような気持ちになりましたが、毎年帰って来ているようです。

これから暖かい時期になって、動植物や草刈りに追われる事になるかと思いますが、楽しみであります。仕事も今年は順調に行きそうです。後は資金繰りだけなんですが、今年も厳しいかなあ。企画展等での発表が続いていますから、いつもより出が少ないのですが、造形作品展ばかりなので、入りも少ないです。

カエル

2007年04月25日 05時11分34秒 | Weblog
そろそろカエルが活発に活動するようになってきました。
我が家の近所にはニホンアマガエルが多いのですが、シュレーゲルアオガエルも探せばいるようです。
最近知りましたが、ニホンアマガエルは以外と強力な毒を皮膚に持っているようで、気をつけるようにとの事でした。よくこれまで平気だったと自分自身に感心しました。場合によっては失明する事もあるようです。
我が家には以前お知らせしたように、アマガエルが鈴なりになって生活しますが、こいつらは家賃も払わないで、水も無いのによく暮らしているなあと思っていました、
でも生態について調べると、両生類と言いながらも水中生活が必ずしも必要ではないようです。
それでも、アマガエルは湿度が上がってくると鳴き出して、雨を呼んでいるようです。現在雨が降っていまして、カエルはもちろん鳴いています。
でも最近はこの辺りも田んぼが減りました。
我が家の前の田んぼ跡地は草原になりタンポポやオドリコソウ、もうすぐシロツメクサが咲き始めます。
そんな環境の変化で、カエルは減りましたが、いなくならないのも不思議で、頼もしく感じました。

そんなアマガエルもペットショップで、売られている事には驚きました。東京都心にもいるカエルですから、探せばいると思うのですが、何もそこまでしなくてもと思います。
でもペットとして飼われる事に不安も覚えます。
現在ツボカビが輸入された両生類に蔓延しているとの事です。外国から流入したものですが、野生に蔓延しないか心配です。カエル好きとしてはなんとか食い止めなければと思っています。ただ在来種がペットショップでも販売されている事で、その中での蔓延が大変恐ろしく感じています。

動物を飼う事に関しては責任を持つ事は必要ですし、管理も徹底していかなければいけないと思っています。
ほとんどの人ができていても、一部の人が出来なければ台無しです。人を育てる事も上手に出来ない人もいますが、家族同様に大切にしてほしいと思います。

多肉植物

2007年04月23日 06時46分56秒 | Weblog
多肉植物愛好家の展示会に行ってきました。
様々な多肉植物が所狭しと並んでいて興味深かったです。
会場となったビニルハウスは普段多肉植物を置いてあって悶々としているのですが、個人的にはその方が好きです。
愛好家の展示だけあって、一般的なイメージのモノはありません。(少しはありますが)
刺のあるものや無いもの、緑から赤や黄色に変化するサボテンや、色素が無く白色化したいわゆるアルビノ種の多肉植物、細胞分裂のように増殖するもの等多種多様です。今回僕は2つ購入しました。細胞分裂のものと小さい木です。会場に行くと一人1つもらえた(家族3人で行きました)ものをあわせて、合計八個のサボテンを手に入れました。計算が合いませんが、購入した時の箱に入るだけのおまけ付きです。
愛好家の話しは多肉植物に対する愛情に満ちあふれとても興味深かったです。
逐一記載するのは大変なので、気が向いたら個別に書いていこうと思います。でも冬型と夏型の多肉植物があり、夏休眠するものと、冬に休眠するものとあるようで、それぞれ水の与え方や土が違うようですが、とにかく勉強しなさい、とのことです。

僕は何度かこちらに足を運んでいるので驚きませんが、初めての方は驚きを覚えると思います。
多肉植物の多様性や、豊かな色彩に。手塚治の火の鳥の中で、砂漠の星に降り立った宇宙飛行士達が、死かその星に自生する植物になるか選択を迫られるような話しがありましたが、多肉植物を扱うとそんな事を思いながら、自分はどれが良いかと思案しています。
多肉植物には意思があり、人にこころを敏感に感じる事ができるという話しも聞きます。エコロジカルプラントロンとか言う植物の音を音楽にした楽曲があったなあ。

とにかく植物もさることながら、それにまつわる人々が面白かったです。
寄せ植えしましょうとか言っといて、実はあんまりよくないんだよねえ。と言っていました。

着物症候群

2007年04月21日 08時11分49秒 | Weblog
染織工房と名を付けているので、常に問いかけられるのが着物です。
着物作らないの?
と聞かれたら、
作れるけど、買ってくれるなら作ります。 なんてとても言えません。
作ったら買ってくれるのか知らん。多分買わないでしょうね。モノを見ないと買えないと思います。
だから全く作らないのですが、生活が安定したら作りたいと思っています。
時間的余裕も無いので、今は作りません。

僕は工房を始める前に八王子の工場にいました。唯一残った多摩織りの工場です。
そこで色々な技法を勉強させてもらいましたので、一通りの事はできます。
多摩織りは、お召し、紬、綴れ、スイシャ(綟り織り)、風通等があります。
多摩川と秋川の合流点辺りにあった機元をみんな集めた総称かと思われます。
綴れ織りや綟り織りなどは難しいのですが、他のものは個人でも制作は可能です。

本当に着物制作は技術的にそれほど高度ではありません。
いろいろ能書きを付けて、高く売っている人も中には大勢います。
本当に適正価格で、良いものは染織工場にあります。
私のいたところもそうですが、東京なら村山大島紡ぎ等はとても良いです。
村山大島と色合いが似ていたところから、つけた名前ですが、基本的に作り方も独創的で大変興味深い。名前を変えればもっと良かったと思います。黄八丈等は名前が売れて、需要があるので、値段は少々高めです。それなりの事はしていますが。

色々なところで、様々な布を見てきたので、僕があえて作るよりも良い着物は余っています。
自分の価値観で、モノを選べる方が増えれば良くなると思いますが、なかなかそうなりません。
公募展等に出ている着物より、工房に埋まっている着物の方が技術的にも仕上がりもすばらしいものが多いです。デザイン等はそれほど変わるものではありません。かつての着物のデザインは百貨店の意匠室等で作られたものも多く、時代性も感じられて面白いと思います。

そんな事もあって、僕が作るより良いものがあるので、僕がそれに追いつくまでは着物は作っても世に出しません。
独自性と高度な技術を併せ持った布を作るのが僕の理想なので、それまでは勉強中です。

どうせ売れないなら、着物よりも作品の方が面白いし、新しい事ができるので、そちらを優先しています。
作品で暮らしていければ理想です。

技術的には現在制作中のカシミアのマフラーの方が高度です。
カシミアは現在大変安価になりましたが、その事が中国で、環境破壊になっていて問題視されています。僕らは価格破壊を大変問題視しています。
経糸は紡績糸を使っていますが、緯糸にはカシミアを手紡ぎして織ります。紡いだ方は解ると思いますが、短繊維なので神経を使って糸にします。
細いカシミアを扱う難しさはまた扱うとして、同業者から同情される程の布を制作しているので、儲かりません。でも自分の納得する布を作りたいので、仕方ないと思っています。続けられるだけ続けたい。


化石の話

2007年04月20日 10時42分10秒 | Weblog
先日アンモナイトの話しをしましたが、本日は化石の話。

私の住んでいるところの近くに小さな化石の博物館があります。
地元の人はあまりいかないのですが、私は小さい頃から自転車を40~50分かけていったものです。
今考えると熊等によく遭遇しなかったと思います。
その博物館は現在観光化されてきて、大変良くなってきていますが、私が通っていた頃は内容はあまり変わらないけれど、ただ化石や鉱物が並んでいるだけのものでした。そんな雑然さが好きでした。
記憶では当時小中学生は50円の入場料だったと思います。

色々な化石や恐竜の名前を覚えて時代による生体や体系の変化等を知る事はとても面白かったです。
ずいぶん前ですが、腹びれのあるイルカが発見されました。
それは先祖帰りだろうと言われています。その時に今更かもしれませんが、ヒレは尻尾なのね。と思いました。
トドやアシカも尻尾はあるけど小さく、魚のヒレの役割をしているのは後ろ足ですから、イルカやクジラもそのように発達しているのだと思っていましたから、驚きました。
イルカとクジラの違いに付いては追々話す機会があるかと思います。

確かに魚竜の「イクチオサウルス」も尻尾が尾ひれに変化しています。
証拠に化石では尾ひれの形跡はあるけれど骨が無く、一列の骨、尻尾の延長のようなものが尾ひれの上の方に曲がっています。このような魚竜と同じような進化を遂げたと言ってよいようです。

恐竜の話しになるとチラノサウルスをしておかなくてはなりませんが、
最強、最大の肉食竜、これまで紹介されてきましたが、死肉を食べていたかもしれないとも言われています。
確かに子供時代にあの小さい前足は何の役ににたったのか、疑問でした。ですから死肉を食べていたと言われる事も理解出来ますが、ハゲタカのようにそれに特殊化していたとも考えられませんでした。
実際現在の肉食動物もそれぞれに特殊化した動物は少ないと思います。
専門家もチラノサウルスが死肉ばかりを食べていたとは考えていないようですね。その比率が問題かもしれませんが。

化石は結局石です。
素人も玄人も、今あるものの中から推測していくしかありません。
ですから、創造していきその世界に思いを馳せる事は誰にもできます。初めて見る人でもこの大きなものが生きていた世界、地球に僕らも住んでいる事に驚きと感動を受ける事ができます。化石を見て思った事感じた事が真実であると思います。
そのような作品を作る事ができたら良いなあ、と常に思案しています。