染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

ベルト交換

2012年02月25日 06時25分48秒 | 芸術作品
ベルトの交換の依頼があり、制作しました。
時計は古いけど、Christian Dior なかなかのものです。いいやつなんでベルトの外し方が、少し違う。サイズが小さい割にしっかりとした作りなので、安心感はありますが、僕の作るベルトでは対応しきれない点がありました。でもそれらをなんとかクリアして出来上がりました。

色は依頼者から、「ピンクと緑がいい」と言われたので制作。

ピンクの革はハッキリ言って滅多に無い色です。しかも染められて、刻印が出来るタンニン仕上げです。ピンク色は自分で染められないので、企画で作られて流れたものが出ないと手に入らないです。染織と一緒で白色って無いんですよ。漂白は出来るけど。白い革は漂白して白の顔料をしみ込ませるんですけど、それは僕みたいな所では不可能です。

そんな事はさておき、以外と小物でピンクの依頼は多いです。
大きくなるとちょっと困りますが、ポイントとしてはいい感じになります。いろんなベルトも制作しますよ。染織家でありますが、染織をしとらんと言うジレンマに常に悩まされています。


そうだクルミを大量に仕入れました。これで染めなくてはいけません。藍染めはその後じゃ。やる事は多いのだ。頑張れ俺。

ドクキノコイス

2012年02月22日 01時15分36秒 | 芸術作品
椅子今更作りました。
椅子展に明日搬入する予定ですが、会期は終盤です。特注クッション余らしても何なんで、とにかく作ってしまえって勢い余って作りました。

素晴らしいのはこの張った革。ピンクの生地にオレンジのドットが入っています。生地は通常のもので、ドットはエナメル。通常の皮革とエナメルの光沢を持った革を使った ドクキノコイス。


実はこの皮革もキノコイス用に購入したものですが、ちょっと評判がいいもんで普通の住宅に会う様な革をつかった方が売れるんじゃないかと色気をでしたら、使いづらくなりました。そんなんで相方に、
「この革をさあ、使おうと思うんだけど、これじゃあ売れない様な気がするんだよねえ」と聞くと
「その革、他に使って売れるの?」
「、、、、売れないだろうねえ」
「じゃあ、ドクキノコを作った方がいいんじゃないの」

まあ、そんなことになりまして、無事に制作しました。制作中に革をピンク大好きナナさんに見せると、安の情大喜び。
「うわあああ、これナナちゃんの!」
と言ってカットした革の上に寝そべりました。

ああそうか、やっぱりこれでいいのかと思いました。
でも、、

「これ、売っちゃダメだからね」

え、でもそれ売れたら売りたいんだけど、、、

椅子展開催中

2012年02月14日 21時52分21秒 | 芸術作品
富士宮のRYU GALLERY にて椅子展開催中です。
今回は9人の作家が集まり、それぞれ作品を展開しています。なかなか癖のある作家の集まりなので、色々な作品があり面白いです。

メンバーを聞いた時に椅子には門外漢である僕は尻込みしましたが、声がかかったからにはやりますよって言ってしまいました。作品も隅っこにしていただきました。色々理由を付けて。
メンバーから察するに、固い椅子が多いだろうと予想した僕はクッションのある椅子を制作。寒い冬にはぴったりです。クッションも特注であります。

                  

「キノコイス 大 中 小」 です。
まあ正直作品は他の作品からするといまいちですが、とにかく座り心地はいいです。
クッションに結構いい皮を張りました。
小さい白は車のシート等に使われるものです。牛君です。
中サイズのやつはペッカリー。猪みたいなちょっと違う種類の革。これを裏を上にして使っています。摩擦に強いです。高級手袋なんかになります。これを丸ごと一頭分使っています。
大きなやつは牛革ですが、ヌバックと言う加工がされています。これは、バックスキンとかスウェードとはちょっと違う。何処が違うかは触ってみると解るけど、比較対象が無いですね。ペッカリーのやつはまさにバックスキンです。

白だけつるつるの銀面ですが、温かい感じを出したくて、微妙な毛羽のあるやつを使っています。

革もさることながら、中のクッションこれがホントいいんですな。じわじわ沈んで、フィットします。もし売れたら、また作りたくなるくらいいいんです。ちなみに中のクッションは特注で、4個のみ制作しました。

基本的に皮革製品は前回同様のテーマで制作していますが、そのコンセプトが色濃く反映されているのはペッカリーのものです。それでもまあ楽しくすわれればいいかと思っています。

今回作品としてはどうかなと思わせるけど、椅子としてはままいいんじゃないかと思っています。
何故かって言うと、この椅子を個展なんかでしつらえた場合、作品だと理解されるかと思うと疑問符がつく。何も知らずに座られているかも、、、、
そんな気がします。