染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

骨を使う事

2014年03月11日 19時30分38秒 | 富士山環境展
骨を造形に使うということは難しいです。今回作家の方々にその骨を使って制作して頂いています。
骨の形は手にとって頂けるとわかるのですが、とても完成された形態をしています。これまでの多くの作家がモチーフにしてきたことでもよく解ります。
その骨を活用することは形のや大きさの制約などの問題が発生します。折角骨を使っているのだから、その良さを出さなくてはならないけれど、そうすると大きさが決まってきてしまう。余りにも他のモノが強くなると骨を使った意味があるのかと言われてしまうんですね。

この素材を使ってこその作品ができるかどうかが大きな課題になります。

作家さんにはそのへんも一応お話して、更に出来そうな方には実用品もお願いしたりしました。
要約すると、「骨使ってなんか作ってよ」ってお願いしたんですね。
それでも、言わなくてもわかるでしょって人にお願いしたつもりです。

作品の他に実用品も作ってよと人に言ったので、自分も作らないといけませんねって事で色々作りました。画像は骨モビール。
染織家なので、ちゃんと染めました。天然染料はまあ染まりますが、上手くいかない。アリザリンとタンニン。赤と黄色系は染まります。コチニールもよく染まります。
モビール作るのなら、楽しい色がいいに決まっているので、派手にしたい。何で染めたものかわかりませんでしたが、一応動物のモノなので、絹やウールを染める酸性染料で染めました。普通に染めていてもなかなか染まらないのですが、仕上げに酢酸を入れると驚くほど染まりました。

この結果は実はあまり良くありません。染まることはいいのですが、酢酸を使うのは本来は最後の最後、仕上げです。色止めという人もいますが、個人的には急速染色になるので、表面が染まるということ。中まで染まっていない。酢酸は色の定着には代わりはありませんが、骨に関しての染まり方を見ると酢酸を入れてもらって急いで吸着している感じが否めない。つまり表面的に染まっていると思われるので、堅牢度などが低いだろうと予想されるのです。

そんな不安を感じつつ展開しています。骨の染色。
モビールにしたのは形がとっても格好良いからで、背骨とか尻尾の骨とか、上も下も全部見てほしいから。格好良いじゃんこれ!って共感できると思うんですよね。とりあえず初日1歳児に好評だったので作って良かったです。

きっと昔の子供はこれを見ていたはず、、、とか勝手に思いを巡らしています。

この他にも色々あります。他の作家の作品もおいおい順を追ってご紹介したいと思います。


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