染織工房豆ブログ

染織工房「豆」の日々の記録

季刊地域より

2013年10月29日 23時13分51秒 | 鹿革制品
「季刊地域見ました!」という方から、お電話を頂きちょっと興奮しました。
こう言ってはなんですが、なんとなく手にするような雑誌ではない。強い心意気と自立心、向上心。国内の問題に対する関心がなくてはなかなか手に入れることも読むことも出来ない雑誌と言っては言いすぎですが、そんな明確な意志がなくては手に入れることさえ困難な雑誌です。

ご連絡を頂いた時に、鹿の皮革に関してもブログなどで紹介していきますと言ってしまったからにはしなくてはいけません。
本職はなにか怪しくなってきていますが、一応、染織でありますので、猟期が終わって革がなくなってくると積極的に皮革をやることはないんですが、ちょっとなんだかんだで手に入る用になってきてしまいました。それで、まあ少しずつ初めます。

始めると言っても今日明日で何か新作ができるわけではないので、今回は注文制作しかしていない時計のベルト。
機械を入れるとそのメンテナンスや故障も見なくてはいけないので、商品制作をあまりしていません。
ですから、このベルトに合うやつという感じで話をしてから、制作します。

ちなみに画像の時計はすべて自前です。



これは牛革。表はハラコです。内側は同じく牛です。汗でちょっと硬くなっています。



こちらは表面が牛。中が鹿革です。



こちらも表が牛。中はもともと牛だったんですが、いたんできたので、諸々あり、内側に鹿の皮をはっています。

このように鹿革を使うことは有効であると考えます。
色が茶色で解りづらいのですが、鹿革は濡れても縮まず柔らかさが持続します。またシミにもなりにくいです。ただコシがないので、両面使用するとへろへろになってしまうので、腕時計としてどうなのかということになります。

特徴的には山羊と似ていますが、触った感じがとにかく鹿は良いですね。
ですから、表は牛。内側は鹿 というのがベストではないかと思うわけです。実はこのベルトを作りだす頃から、内側に鹿革を使えないかと思っていました。
中に刻印をしても残っていますし、良いです。牛だとここまで残るかどうか。でも鞣し方とか革の質にもよるので、なんとも言えませんんかな。
でも、牛よりも鹿、かなり良いです。

このベルトの制作に関しましては、5000円ほどの制作費を頂いています。よろしくお願いします。

残像 骨

2013年10月22日 23時28分13秒 | 芸術作品
富士アートセッションでの作品の中でメインを張っているのがこちら。骨の「残像」。
お客さんにお会いして話が出来ましたが、本物の骨だと聞いてびっくりする方もいらっしゃいます、、、嬉しいやら悲しいやら複雑です。

今や全国での鹿問題。とどまる所を知りません。僕も色々とご紹介させていただいていますが、ここ富士山麓でも実は大きな問題です。
そんな鹿の骨を使っております。

骨が、白い紙に覆われていく姿は、その形の美しさと相まって、雪の何もかも覆い尽くしてしまうような優しさと暖かさと残酷さ。
写真のようにその一瞬を捉えることがこの凛とした気高さを残すことが出来るだろう。
そしてその実像を残すことが覆い尽くされ、雪に見えなくなってしまう命がここにあったことを証明できないか。命の残像を残せないか。



富士アートセッション

2013年10月21日 22時57分53秒 | 芸術作品
本日から開催されました、富士アートセッション に参加しています。
今回の会場はもっとも広い場所を3人の作家と共有しております。三者三様の作品群をご覧頂けると幸いです。

今回は会場全体で同じコンセプトとはいきませんでしたので、新作を中心にご紹介します。



今回、この会場の他にもう一店舗参加しているのですが、スペースの関係上展示できなかった1点をこちらにも展示しています。

「水源の河馬」です。実際のタイトルは「水を守る」であります。

「最後の草を守る」というタイトルで暫く制作しているのですが、今回はその派生的なものになります。

血の色の汗を流す河馬。そのくらい働いてみなさいと自身に常に問いかけながら日々を暮らしていますが、出来ていない自分。できている河馬。
そんな河馬君に水源の蓋をして頂きました。
地下からまでも何でも吸い上げられている水や資源。これ以上搾取することは未来に何を残すのでしょうか。

この河馬は水の枯渇を止め、大地を乾燥から守っています。

いったい何から守らなくてはいけないのか。
何故守らなくてはいけないのか。
いつまで守らなければいけないのか。

これは水だけの問題ではありません。
搾取し続ける時代はいつまで続くのでしょうか。

満たされれば更なる欲求が生まれる人間はまるで塩水を飲み続けているようです。この欲求が満たされることはあるのでしょうか。
あるとするならば、選択肢は2つ。

唯足るを知るときか、全てがなくなったその時。

今ならばまだ、どちらかを選択することは可能だとおもいます。

オオドウガネコガシラハネカクシ

2013年10月17日 22時59分01秒 | 動物 化石 鉱物

やっと解りました。知らなかった虫
ハネカクシは日本で800種ほど見つかっているらしいけれど、世界で毎年400種くらいは新種として見つかっているとかいないとか。こういったヒトはあんまり好まない環境を好む昆虫の性といったところでしょうか。

名前の通り羽がかなり小さくおりたたまれていて、広げると結構な広さになるとか。
上手ではないけれど、一応空飛んでくるらしい。ある意味納得。

鞣しをしました。2

2013年10月15日 12時21分15秒 | 動物 化石 鉱物
今回も虫が苦手な方は見ないほうがよろしいかと思われます。


再び、皮の鞣しをしているんですが、今回の個体はとにかくダニが多くって参っております。
猟師さんによれば、まだまだだと言っておりますが、それでもこれだけいるとなかなか大変です。
上の画像は塩とミョウバンで漬けてある皮をビニール袋に入れておいたら、ダニが這った後です。


まあ、マダニは分かるんですが、下のダニがとにかく多い。調べてもよくわからないんで分かる人教えてください。



皮の表、毛に付いていた個体が右往左往している。



その彼らが裏面にも出てきますよ。




この画像の赤い部分をナイフで皆とるんですね。色々簡単にできるとか出来ないとか薬品があるとかないとか。ホント何とかしたいくらい大変な作業でした。立体的になめしをするために、更に大変でした。このおこぼれにあずかりたい野良猫に皮をかじられながらも何とか仕上げました。

Máscara de ciervo Bambi

2013年10月11日 22時28分53秒 | 鹿革制品
このまま南米でも言ってリングに上がれそうです。身体がついていかないけれど。
Máscara de ciervo Bambiってリングネームちょっと響きが良い。

先日解体した小鹿の皮をなめしました。なかなかいい感じ。本日オイルを塗りこんでみて、いいんじゃないかねこれ。
後少し乾燥させて様子見ですが、これ、結構色んな意味で興奮します。



でも、本日大人の鹿皮をなめすのが遅すぎたようで失敗しました。かなり凹んでます。

今回は見ないほうがいいです。

2013年10月08日 21時57分12秒 | 芸術作品
曇り空は怪しげでこれから下に続く画像を予感させるものです。ハートの弱い方、美しい世界だけを観ていたい方々はご覧にならないほうがいいです。どうしても見たいとおっしゃる方がいたので公開します。
でも本当に見ないほうがいいと思いますよ。

これ、は

2013年

9月

26日

木曜日

のこと。


9月

23日

鹿解体

体重

約20キロ

骨標本を

製作予定のため

虫に

手伝って頂きました。





全部うじくんです。





皮が先になくなってきていますね。




血の池で泳ぐ虫を初めてみましたよ。

今は箱ごと土に埋めているので、どうなっているのかわかりません。でも近くに行くと虫が多いです。