10月 2日

2019-10-01 19:37:18 | Weblog
             柿・柿干す・熟柿・吊し柿・豆柿



     夕日眩し都府楼跡に小粒柿           栗田やすし


     柿実る幹黒き辺にまた逢はめ          沢木欣一


     柿の朱を点じたる空こはれずに         細見綾子


     掌に茶碗のごとく熟柿受く           河原地英武


     柿の実の色づく綾子生家かな          小島千鶴


     山柿に日ざし移れり都府楼址          倉田信子


     盆栽の豆柿あまた蔵座敷            山下善久


     色づくは渋柿ばかり揖斐の里          中山敏彦


     裏庭に柿照る日和作務衣干す          武藤光晴


     柿熟るる千年坐りゐる仏            栗田せつ子


     小粒柿熟れて明るし隠れ里           後藤暁子


     渋柿の匂ひ残れり満願寺            野村君子


     虫が食む木くづこぼれて柿日和         高橋幸子



          

           豆柿



     柿の種うしろに吐いて闇深し          秋元不死男


     こりこりと柿食む音のはや夜更け        大野林火


     八珍と言ふ名を賞でし佐渡の柿         中山純子


     あちらからこちらから来る柿日和        石田郷子


     ふるさとの四方の畑の出荷柿          阿波野青畝




          


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